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ベンチャーキャピタル研究会

設立趣旨

 
 (財)日本証券経済研究所(以下、研究所)では、証券界が抱える諸問題について議論を行う、証券経営研究会や公社債市場研究会等の各種研究会を定期的に開催しています。この研究所が開催する研究会といたしまして、既存の研究会に加えて、新たにベンチャーキャピタル研究会を設立することとなりました。
 ベンチャーキャピタルは、リスクの高い事業を展開するベンチャー企業に対して株式取得を通じてリスクマネーを供給するとともに、投資先企業に対して経営に関するアドバイスを行うなど、次世代を担う成長企業の輩出において大きな役割を果たすことが期待されています。
 2007年に新興3市場と呼ばれるジャスダック、マザーズ、ヘラクレスに新規株式公開を行った97企業のうちの約7割にあたる67企業がベンチャーキャピタルの投資先企業です。特に、1999年に東京証券取引所に開設されたマザーズ、2000年に大阪証券取引所に開設されたヘラクレス(開設当初はナスダックジャパン)の両市場においては、創業期にベンチャーキャピタルから投資を受けた若いベンチャー企業が数多く上場しています。
 このようにベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業の輩出に貢献をしているものの、平成20年版の『経済財政白書』でも指摘されたように、日本においては、年金基金からの資金流入が限定的である、投資回収の場として資本市場への依存が高いといった諸問題を抱えています。ベンチャーキャピタル研究会では、主査に忽那憲治氏(神戸大学大学院経営学研究科教授)を迎えて、実務家と研究者を交えて、これらの諸問題を包括的に取り上げていきたいと考えています。
 研究会は、2009年1月から2010年12月までの2年間におきまして計16回程度の開催を予定しています。



メンバーの紹介

氏名 所属
忽那憲治(主査) 神戸大学大学院経営学研究科教授
石井芳明 経済産業研究所コンサルティングフェロー
石割由紀人 石割公認会計士事務所所長
岩井浩一 金融庁総務企画局金融研究センター研究官
阪下喜治 TSD Japan代表取締役社長
神座保彦 ニッセイ基礎研究所取締役理事
 杉浦慶一 日本バイアウト研究所代表取締役 
鈴木健嗣 神戸大学大学院経営学研究科准教授
 高橋陽二 岐阜聖徳学園大学経済情報学部専任講師
野瀬義明 大和SMBCキャピタル事業投資第1部課長代理
原田信行 筑波大学大学院システム情報工学研究科社会システム・マネジメント専攻准教授
藤瀬裕司 日興コーディアル証券法務部副部長
 保田隆明 小樽商科大学大学院(アントレプレナーシップ専攻)准教授 
山岸玲子 独立行政法人中小企業基盤整備機構ファンド事業部ファンド企画課主任
山本一彦 クラシック・キャピタル・コーポレーション代表取締役チーフ・エグゼクティブ・パートナー
船岡健太 日本証券経済研究所研究員


活動内容

第1回研究会 2009年1月19日(月)
  1. 山本一彦(クラシック・キャピタル・コーポレーション代表取締役)「ベンチャー企業投資のリスクとリターン(バイオテクノロジー社の事例研究)」
  2. 山田和郎(神戸大学大学院前期博士課程)「新規公開時の公募売出株式数の決定要因とその影響に関する実証分析」
  3. 奥田啓司(神戸大学大学院前期博士課程)「アンダープライシングとIPO後の流動性」
第2回研究会 2009年2月23日(月)
  1. 神座保彦(ニッセイ基礎研究所取締役研究理事)「VCの社会貢献」
  2. 船岡健太(日本証券経済研究所研究員)「バイオベンチャー創出におけるベンチャーキャピタルの役割」
第3回研究会 2009年4月6日(月)
  1. 原田信行(筑波大学大学院システム情報工学研究科社会システム・マネジメント専攻准教授)「Academic Spin-offs in Japan: Institutional Revolution and Early Outcomes」
  2. 野瀬義明(大和SMBCキャピタル事業投資第1部課長代理)「バイアウト投資の実務(ベンチャー投資との違い)」
第4回研究会 2009年5月11日(月)
  1. 鈴木健嗣(東京理科大学経営学部専任講師)「IPO市場とVC」
  2. 藤瀬裕司(みずほ証券グローバル投資銀行部門投資銀行業務管理部法務戦略部部長)「ファンド・ビジネスと金融商品取引法制」
第5回研究会 2009年6月15日(月)
  1. 高橋陽二(岐阜聖徳学園大学経済情報学部専任講師)「ベンチャーキャピタルのハンズオン効果」
  2. 石割由紀人(石割公認会計士事務所所長)「mixiと一休の資本政策について」
第6回研究会 2009年7月27日(月)
  1. 研究会のテーマについての議論
  2. 同上
第7回研究会 2009年9月7日(月)
  1. 山岸玲子(独立行政法人中小企業基盤整備機構ファンド事業部ファンド企画課主任)「ファンド出資者及びキャピタルの現況(金融危機下の対応)について〈アンケート調査から〉」
  2. 阪下喜治(TSD Japan代表取締役社長)「バイオベンチャーの経営とVCの役割」
第8回研究会 2009年10月19日(月)
  1. 岩井浩一(金融庁総務企画局企画課金融研究研修センター研究官)「新興市場に関する金融行政上の課題は何か ―既存研究からの示唆―」
  2. 石井芳明(経済産業研究所コンサルティングフェロー)「ビジネスエンジェルの現状と課題 ―シードステージ企業のファイナンスと支援―」
第9回研究 2009年11月16日(月)
  1. 杉浦慶一(日本バイアウト研究所代表取締役) 「日本のプライベート・エクイティのエグジット戦略―ベンチャー投資におけるM&Aによるエグジットの可能性―」 
  2. 高橋正好(新日本有限責任監査法人事業開発部ディレクター)「IPOの実務」
第10回研究会 2009年12月21日(月)
  1. 研究会のテーマについての議論
  2. 研究会の執筆分担についての議論
第11回研究会 2010年2月1日(月)
  1. 山本一彦「アントレプレナー・ファイナンス―ベンチャー企業創造を促進する企業価値評価論―」
  2. 船岡健太「バイオ特化型VCのスペシャリティ」
第12回研究会 2010年4月19日(月)
  1. 岩井浩一・保田隆明「IPO市場の役割と課題:上場企業の視点から」
  2. 神座保彦「ベンチャーキャピタルのハンズオンサポート:社会的責任要因の視点」
第13回研究会 2010年5月24日(月)
  1. 忽那憲治・鈴木健嗣「IPO後の企業成長と企業行動」
  2. 野瀬義明「ベンチャーキャピタル投資とバイアウト投資の補完関係」
第14回研究会 2010年6月28日
  1. 石割由紀人・船岡健太「ベンチャーキャピタルの投資契約書に関する分析」
  2. 山岸玲子「ベンチャーキャピタル投資に関する基盤整備について」
  3. 藤瀬裕司「VCに係る法的論点の整理」
第15回研究会 2010年7月26日
  1. 阪下喜治・船岡健太「バイオベンチャーの成長とベンチャーキャピタルの役割」
  2. 杉浦慶一「M&A市場の役割と課題」
  3. 原田信行・鈴木健嗣「大学発ベンチャーの成長とベンチャーキャピタルの役割」
第16回研究会 2010年9月6日
  1. 高橋陽二「役員派遣とハンズオン投資」
  2. 石井芳明「シード資金とビジネスエンジェル投資」
  3. 小野正人(日本テクノロジーベンチャーパートナーズ)「アメリカのベンチャーキャピタルの変容について」ゲスト講演。
第17回研究会 2010年11月22日
  1. 出版原稿の全体討論(論文の最終報告)
  2. 同上
第18回研究会 2010年12月13日
  1. 出版原稿の全体討論(論文の最終報告)
  2. 同上


【出版までのスケジュール】
原稿締切 2010年9月30日(木)
編者からのコメントを受けての原稿の改訂
11月と12月に最終研究会を開催し、全員で原稿案を討論
2011年1月脱稿、2011年3月出版予定