神戸経営地域連携プロジェクト:経営学の研究・教育に基づく地域連携の実践と社会課題の解決
研究プロジェクトの概要
本研究プロジェクトは,神戸大学大学院経営学研究科の教員が主体となり、自らの研究・教育を通じて得られた知見を活かし、地域と連携した研究・教育(授業やゼミなど)・社会活動の実践を通じて、学生や市民の方々と共に社会課題の解決を目指すプロジェクトです。
神戸大学大学院経営学研究科は、日本の経営学のトップスクールとして、最先端の経営学研究を行う教員を擁している組織ですが、そうした教員の中には授業やゼミ、あるいはその他の社会貢献活動など、様々な形で地域連携活動を行っている者がいます。こうした教員は、自らの専門を活かし、あるいはそうした専門に留まらず、経営学の様々な分野の研究・教育から得られた知見を活かして活動を行っています。また、その活動自体が経営学の新たな発展にフィードバックされることもあります。このため、こうした教員たちの活動は、他の分野の大学教員が行う地域連携とは違った、神戸大学大学院経営学研究科の教員ならではの(神戸経営流の)地域連携、経営学ベースの地域連携、と呼ぶことができます。
神戸経営地域連携プロジェクトは、こうした実践を行っている教員をメンバーとし、神戸経営ならではの地域連携の取り組みをとりまとめ、さらに推進していくためのプロジェクトです。本プロジェクトでは、地域創生と観光経営研究教育センターの支援の下、メンバーが互いに協力しながら社会課題の解決を目指すことで、個々の取り組みを通じてメンバーが、さらにはそうした取り組みを全体として支援することで研究科全体が、地域に貢献し、社会課題の解決に寄与することを目的としています。
本プロジェクトでは、メンバーが行ってきた以下のような活動を通じて培ってきた地域連携の枠組みを活かし、これまでの活動を進化させるとともに、新たな取り組みも随時加え、様々な形でセンターからのサポートを行いながら、地域連携の更なる取組を推進します。
各研究プロジェクトについて
神戸市地域課題解決プロジェクト
担当:内田(専門:金融・地域金融・ソーシャルビジネス/ファイナンス)
社会課題・地域課題の解決を目指すNPO法人や社会的企業(ソーシャルビジネス)、地域活動を行う団体や個人、行政と連携し、2020年から継続的に行い、進化させている取り組み。企業経営の現場で商品・サービス開発などに用いられる「デザイン思考」のアプローチ、あるいはソーシャルセクターで用いられる経営のためのツール(ロジックモデルやセオリーオブチェンジなど)などを用い、社会や地域の課題を当事者の立場に立って解決することを目指す。
これまでの主な連携先
ソーシャルビジネス:NPO法人まなびと、KIKKAKE PLACE(㈱スクリーフ)、NPO法人つなげる
地域活動団体・個人:脇の浜ふれあいのまちづくり協議会(神戸市中央区)、平野地域子ども会(神戸市兵庫区)、長田区福祉協議会、神戸市灘区の民生委員の方々
行政:神戸市(神戸市役所、長田区役所、中央区役所、兵庫区役所)、神戸市立新長田図書館
財務諸表から社会を読み解くプロジェクト
担当:髙田(専門:会計)
地域の学校や非営利団体と連携し、小学生から高校生(学齢期の子どもたち)を対象とした財務諸表分析プログラムを実施。この取り組みは、基本的な財務諸表分析スキルを習得するだけでなく、社会で起きる様々な出来事が企業活動にどう影響するかを、子どもたち自身が探求的に考えられるようになることを目指している。
これまでの主な連携先
KOBE Co CREATION CENTER(神戸市中央区)、デザイン・クリエイティブセンター神戸(神戸市中央区)、松蔭中学校・松蔭高等学校(神戸市灘区)、神戸市立鶴甲小学校(神戸市灘区)、株式会社マネイク(伊丹市)、ナレッジキャピタル(大阪市北区)、三菱UFJ銀行神戸支店(神戸市中央区)
地域イノベーション創生プロジェクト
担当:原(専門:イノベーション・産業組織論)
地域のNPO・企業と協力し、異なるコミュニティに属する人々が交流することによる新たな知識の創発の可能性やデータに基づく解析結果をコミュニティの形成に活かす取り組みを実施。イノベーションの源泉たる、様々なバックグランドに属する人々が集うことで新たな知を生み出す取組や、最適な方法論について検討する。
これまでの主な連携先
特定非営利活動法人リベルタ学舎(神戸市中央区)、なりわいカンパニー株式会社(神戸市中央区)、株式会社小池農園こめハウス(神戸市西区)、株式会社monamie(神戸市中央区)
地域学校協働活動プロジェクト
担当:松嶋(専門:経営組織・イノベーション)
六甲山上の地域学校協働活動として,六甲山の豊かな自然環境を生かした環境教育プログラムの開発を通じて、環境問題へ取り組む多様な団体の関与を通じた地域活性化を推進。六甲山の麓に所在する神戸大学で環境問題へ取り組む研究者や学生と領域横断的に取り組むとともに、地域で活動されている様々な専門家とも連携し、「山の子エコロゴス(環境問題にまつわる叡智が集まるアカデミア)」を実施してきた。今後は,担い手を神戸大学MBAに通う社会人院生に広げ,様々な職歴と専門性を活かした体験型の環境学習プログラムを提供する「こどもMBA(Mountain Based Activities)」へと発展させていく.
これまでの主な連携先
祇園景⼦・神⼾⼤学⼤学院医学研究科/バリュースクール(特命教授),塚原東吾・神⼾⼤学国際⽂化学研究科(教授),源利⽂・神⼾⼤学⼈間発達環境学研究科(教授), 佐賀達⽮・神⼾⼤学⼈間発達環境学研究科(助教),遠藤周作(兵庫県立人と自然の博物館,はる共育デザイン代表),山口寛人(NPO法人オルタナティブ・ビレッジ代表),谷口育史(NPO法人オルタナティブ・ビレッジ,姫路大学教育学部OB),西龍治(ヒューテック株式会社,兵庫県猟友会),糸井健太(六甲山カフェ),神戸大学環境サークル「えこふる」,兵庫県立農林水産技術総合センター,灘消防署消防防災課,六甲山ふれあいのまちづくり協議会,地域学校協働本部六甲山の子会など多数.