服部先生ゼミ(2020)

研究主題

 組織の中の人間心理・行動の解明を目指す組織行動論と,そうした行動に影響を与える企業の人事施策に注目する人的資源管理論が交差するテーマ,具体的には,「人材の採用と育成と評価」がコアテーマとなります。具体的なテーマは皆さんと議論しながら確定していこうと思っていますが,例えば,「入社してから数年経った後の業績に対して,最も強い影響を与えるファクターは何か」「同じ大学に在籍している学生の間に,なぜ,多くの内定をもらえる人とそうでない人の差が生まれるのか。そこに企業の採用活動がどう関わっているか」「組織の中で極めて高い成果をあげるつけるスター社員は,どのように現れるのか」「ノーベル賞を取るような人材が,しばしば組織の中で埋もれてしまうのはなぜか」といったものが,テーマ候補となります。

研究方法

 ゼミ3年次の活動の柱は2つあります。まず(1)科学的な分析および思考法の習得と,それに基づく科学的な調査の実施,もう1つは,(2)その知見を用いた,現実の企業の課題解決です。(1)では,統計解析の知識を前提に(これについては,ゼミ内で基礎から教えるつもりです),現実世界で起こっている問題について問いを立て,仮説を設定し,データを取得して,その問題を引き起こすキーファクターやメカニズムを解読することを目指します。「なぜ,同じような成果をあげているのに,ある人は組織内で極めて高い評判を獲得し,他の人はそうならないのか」といった身近な疑問からすスタートして,それを科学的に解いていくことになります。(2)は(1)で得た知見,あるいはそれを得る過程で行なってきたインプットを前提に,実際の企業のリアルな課題を解いていくというものです。企業の人事部門とタイアップし,その企業の人的資源管理に関わるリアルな課題(例えば,採用,育成,配置,あるいは職場の人間関係などについて,企業が実際に直面している課題)について,その企業の人事担当者やマネジャーたちとともに取り組んでいく,というものです。科学的な知見を実際の現場に応用することの魅力と,同時に,その難しさを理解してもらおうと思っています。なお,この(1)と(2)はいずれもグループ形式で実施し,また(1)と(2)のいずれかについては,他大学ゼミナールとの共同実施も考えています。他の大学の優秀な学生と,積極的な交流をしてもらいたいと思っています。
 ゼミ4年次は,3年次の2つの活動で得た知識,スキル,経験,そしてインサイトをインプットとして,今度は皆さん一人一人が卒業論文として結実させていくフェーズに入ります。社会で起こっている様々な問題・課題の中から,皆さん自身が関心を持ったものをピックアップし,問いを立て,科学的に解き明かしていくことになります。

開講頻度

 毎週

その他

 社会学の巨人にマックス・ウェーバーという人がいます。冷徹なくらいシャープで,クールな議論をする人なのですが,そんな彼が「人間として自覚あるものにとって,情熱なしになしうるすべては,無価値である」という,なかなか熱い言葉を残しています。「頭はクールに,でも心は熱く」ということですね。「大学生のうちに,とことん学んでみたい」という熱い心こそ,私が何よりも学生さんに期待していることです。クールな頭・・・それは,一緒に鍛えていきましょう。皆さんは,私にとって神戸大学での第1期生(前任校の横浜国立大学から通算すると6期生)になります。まだまだ「若い」ゼミナールですが,それだけに自分達の集団を自分達で作り上げていくダイナミズムを体感できると思います。