三古先生ゼミ(2020)

研究主題

 交通に関連するさまざまな問題について議論し,研究することを目的としています.議論・研究するテーマの例をいくつか挙げます.
・公共交通の利用が減っている原因は何か,また利用を促進するためにはどうしたらよいか
・世帯で2台も3台も自動車を保有するのはどうしてか
・自家用車は有効に活用されているか(1日のほとんどの時間,車は駐車場で停まっている)
・神戸から東京へ行くときに人によって利用する交通手段(新幹線・飛行機・バスなど)が違うのはどうしてか,新幹線の値段を安くすると,どのくらいの人が新幹線に転換するか
・交通需要予測が外れる原因は何か
・新線や新駅の建設は地域にどのような影響を与えるか
・まちづくりにおける交通の役割は何か
・高齢化するニュータウンの交通問題とその解決法は何か
・携帯端末の普及は通勤・通学時間の有効活用につながるか
・先発の新幹線が3列シートの真ん中しか空いていない場合,次発を待って窓側か通路側の席を予約するか
・交通事故の増加・減少の原因は何か
・高齢者の免許返納とその問題は何か
 交通はわれわれにとってとても身近な問題ですし,関連する分野も多いです.皆さんと一緒に考えていきたいと思います.

研究方法

・3年次
 前期は,交通または都市に関する基礎的な文献の輪読を行うことを予定しています.文献の内容について担当者が報告し,それについて全員で議論します.例年,3つ程度のグループに分かれて1週間ずつ順番に発表を行い(これを1サイクルと数えます),メンバーを入れ替えてグループを再構成して1週間ずつ順番に発表,という形で2~3サイクル繰り返します.本はあくまでも発表・議論のきっかけです.本をきっかけに,自分で関心のあることについて本の内容の枠を超えて発表・議論できれば良いと思います.今の2年生は時間割の都合で履修が難しかったと思いますが,「交通論」の講義で取り扱うのは交通のほんの一部分です.交通をきっかけにして,驚くほど多くのことを議論できると思います.前期の間は,このように交通を中心にして,関連する多くの話題に親しんでもらいたいと思います.
 前期の終わりから後期は,三商大(あるいはそれと類似したもの)に向けてグループプロジェクトを行うことを予定しています.交通に関するテーマ(上で述べたように皆さんが想像するよりも広いテーマを扱えると思います)を選び,共同で調査・分析し他大学のゼミ生の前で発表します.毎年,ゼミの時間以外でもゼミ生で集まって,分析や発表の準備をしているようです.三商大に向けて一緒に頑張ったことで,ゼミ生同士が仲良くなり,大学生活が楽しくなったと言ってくれた人もいます.ここで,分析手法(パソコンでエクセルやRを使って計算したりします)などを習得すると,4年次の卒業論文のときにも役に立つと思います.
 今年度の工夫として,輪読が終わってから三商大の準備に移るのではなく,輪読のサイクルの間に三商大の準備の週を入れました.また,輪読に使う週を少し減らしました.これによって,三商大の準備に早い時期から取り掛かれるようにしました.今年度の三商大は2つのグループに分かれて準備をしていて,1つのグループは観光列車,もう1つのグループは有料着席サービスをテーマにしています.
 三商大は12月初旬に行われることが多いので,その後は,ゼミの内容は徐々に卒業論文にシフトしていきます.これまでのゼミの内容も踏まえて,皆さんの関心のあること,卒業論文のテーマとして検討してみたいこと,に基づいて文献(報告書や論文)を紹介しますので,担当者が報告し,議論します.1月には4年生の先輩の卒業論文発表会に聴衆として参加し,卒業論文がどんなものかを見てもらいます.

・4年次
 各自が選んだテーマについて,報告・議論を積み重ねて,卒業論文を完成させます.私の関心のあるテーマも提示しますので,皆さんの興味と合致すれば,そこから選ぶことも可能です.3年次の最後から4年次の全部を卒業論文に充てていることから分かるように,卒業論文の執筆がゼミ活動の中心になります.多くの人は論文を書くのは初めての経験だと思いますが,興味のあること,好きなことを1年かけて研究することは十分に取り組むに値することだと思います.そのためには,興味のあること,好きなことを見つけることが重要です.3年次の文献の講読でも,本の内容に過度にとらわれずに,興味のあること,好きなことを見つけて調べるという意識を持つと,卒業論文のテーマ選びの参考になると思います.テーマについてはできるだけゼミ生の希望に沿うようにしたいと思います.過去の卒業論文のタイトルは,下のページで閲覧できます.
 https://www.b.kobe-u.ac.jp/~sanko/seminar.html
 卒業論文の進め方は,全員が集合するゼミでの指導(週1回)と個別指導を組み合わせて行います.ゼミの時間では,毎回,各自の進捗状況を報告してもらい,研究の大きな方向性についての指導を行います.ただし,ゼミでは1人当たり10分程度しか時間がありません.指導に時間を要する場合や,指導内容が個別的になりすぎる場合には,別途時間を設けて指導します.
 また,卒業論文提出直後に卒業論文発表会で成果を発表します.
 皆さんの先輩の中には,卒業論文の内容が指導教員である私との共著で学会報告に至った人もいます.卒業生本人が学会に参加して報告(国内)したこともありますし,私が報告(国内・海外)したこともあります.学部の卒業論文でもアイディア次第では国内外の研究者に興味を持ってもらえる面白い研究ができる可能性もあります.
 三商大や卒業論文を経験するなかで研究をもっと続けたくなった場合は,大学院への進学という道もありますので,相談してください.
 ところで,私は研究で選択モデルという方法も使っています.例えば,ある人が神戸から東京へ行くときに,飛行機,新幹線,高速バスのどれを選択するかを分析することができます.そのときに,どのような要因(例えば所要時間や費用)がどの程度影響を与えているかをデータから計算することで,新幹線の運賃が変化したときの需要の変化なども分析できます.選択モデルは交通の分野でも研究が盛んですが,マーケティングなどにも使うことができます.携帯電話を購入するときに,A社,B社,C社のどれを選択するかも分析できます.人間の行動は朝起きてから夜寝るまで選択の連続です.何時に起きるか,朝食に何を食べるか,どんな交通手段で通学するか,など.また,人生も選択の連続でもあります.卒業論文で必ずしも選択モデルを使う必要はありませんが,参考のために記しておきます.

開講頻度

 毎週

その他

 一生の思い出に残るようなゼミになることを希望しています.
 ゼミには毎回積極的に参加し,卒業論文にも一生懸命に取り組んでください.
 研究で扱う内容は世界初でなければなりません.卒業論文もその例外ではありません.世界で初めての発見をすることは,エキサイティングで1年以上をかけて取り組むのに値することだと思います.苦しいこともあると思いますが,頑張れば必ずできます.本当に世界で初めてのことができるのかと心配になるかもしれませんが,「やる気」さえあれば大丈夫です.世界で初めてのことに挑戦して,世界で初めて失敗しても(次に活かされるので失敗と呼ばないほうがいいかもしれません)それは十分な成果です.研究の中には時間をかけて取り組めば必ず進む作業的な部分もありますので,そのような部分に真面目に取り組む「やる気」が重要です.
 聞きたいことがあれば,気軽に教員個別ガイダンスに来てください.
 ゼミの見学を希望する人は11月14日木曜4限(3年生ゼミ・本館212),11月19日火曜4限(4年生ゼミ・三木記念館3)にゼミ室に来てください.できれば,事前にメール連絡あるいは個別ガイダンスのときに申し出てください.
 「交通論」は今の2年生は時間割の都合で履修できていない人が多いと思います.ゼミに所属後に履修してください.
 経営学部を卒業するときに,
・経営学の全体を知っていること(広く浅く)
・経営学の特定の分野の専門知識があること(狭く深く)
の2つがバランスよく達成されていると良いと思います.
 「広く浅く」は第2群科目を幅広く履修することで達成されると思いますので,全部の第2群科目を履修する気持ちで取り組むと良いと思います.
 「狭く深く」は「広く浅く」をベースにして第3群科目・他学部科目やゼミを履修することで達成されると思います.どの部分を「深く」していくのか,また「狭く深く」にもその範囲で濃淡があると思います.各自の関心に応じて,第3群科目や他学部科目を受講すると良いと思います.なお,このゼミに特に関連する第3群科目には企業政府関係,国際交通が挙げられます.
 2021年9月に陸上交通政策に関する国際会議であるInternational Conference Series on Competition and Ownership in Land Passenger Transport (通称:Thredbo)の第17回大会が神戸で開催されます.私が主催者代表になっています.国際会議を覗いてみたい人は,その機会も作れると思います.会議のURLは下の通りです.
 https://thredbo-conference-series.org/
 ゼミ所属決定後に顔合わせの機会を設けますので,掲示に注意してください.
 1月に4年生の卒業論文発表会がありますので,都合のつく人は参加してください.
 定員を超えた場合には面接があります.面接がない場合にのみ掲示をします.