松井先生ゼミ(2020)

研究主題

 この演習では、経済学・経営学でツールとして用いられることが多いゲーム理論の応用を研究主題とします。最近では社会科学だけではなく、オペレーションズリサーチ(OR)の領域でも、ゲーム理論の現実問題への応用が積極的に考えられるようになってきています。

研究方法

 ゲーム理論を基礎とした数理モデルを評価・作成する研究方法をとります。数理モデルを操作・利用できるようになるために、次のテキストを用いてまず基礎を修得します。
 岡田章・加茂知幸・三上和彦 (2015) 『ゲーム理論ワークブック』有斐閣
 数理モデルを用いた研究は基礎となる部分が明確にありますので、できるだけ多くのモデル・問題を地道に解き、答えを求めることに習熟していきます。これによりまず、先人の考えてきたモデルを多くインプットします。また、個々のモデルを解いて終わりではなく、それがさらにどんな現実問題に応用されうるかを全員で議論します。ゲーム理論の応用としては以下の書籍もありますので、上記のテキストの後に順次、学ぶ可能性もあります。
 Belleflamme, P. and Peitz, M. (2015) Industrial Organization: Markets and Strategies: 2nd Edition. Cambridge University Press.
 Ingene, C. A. and Parry, M. E. (2004) Mathematical Models of Distribution Channels. Springer.
 Aust, G. (2015) Vertical Cooperative Advertising in Supply Chain Management: A Game-Theoretic Analysis. Springer.
 十分に時間をかけて基礎を修得した後に、卒業論文のための応用研究へと進みます。

開講頻度

 隔週

その他

・経営問題のための数理モデルとして、意思決定のために有用な示唆を与えるモデルもあります。たとえば新聞売り子問題などの在庫管理はORで長く研究されてきた典型的なトピックですが、流通チャネル内のメーカー・卸・小売が個別利益を追求する場合にそれらをどうまとめあげるか、という視点が入るならば、ゲーム理論が力を発揮することになります。現実では多くの主体間の依存関係が成立することが一般的ですが、複雑な状態である現実の問題に対して、単純な状態を描写したモデルから得られる示唆を知った上で何らかの意思決定を行うのと、全く知らずに意思決定を行うのとでは、長期的・平均的にならしてみれば、その成果は大きく異なってくると言えます。
・数理モデルを作成する手法をとる場合であっても、良い応用研究ができるかどうかは、現実に対する優れた着眼点を持っているかどうかに依存します。したがって演習以外にも経営学部で開講されている講義は、テーマや方法論にかかわらず、多くのものを履修し、学習することを推奨します。
・無断、あるいは理由のない欠席は無いようにしてください。