地域創生と観光経営(アンカー・シップ・パートナーズ寄附講義)における4月の講義内容について、アーカイブを公開しました。
神戸大学では、経営学部3・4年生を対象にした高度教養科目「地域創生と観光経営」を開講しております。
本授業では、地域に根差した活動をされている起業家や彼らを支援する地域金融機関からゲストスピーカーをお呼びし、地域の社会課題に対してどのように取り組むかについて学んでいきます。そして、ゲストスピーカーから得られた知見をもとに、学生自身の関心のある社会課題に基づき、新たな地域創生や観光経営のあり方を考案していきます。
2026年4月には、合計3回の授業が開催され、いずれも非常に白熱した授業となりました。
各回の概要を以下に記載しておりますので、是非お読み頂けたらと思います。
第1回(4/8)アンカーシップの取組み~観光と文化、そして金融が果たす地域創生のエコシステム
【講演者:松嶋登(神戸大学大学院経営学研究科教授)・篠田哲郎(アンカー・シップ・パートナーズ株式会社代表取締役社長・神戸大学客員教授)】
第1回では、当講義の発起人であるベンチャー企業創業者が、事業を通じて知り得た地域経済の課題と活性化に向けた取り組むべき施策について講師として伝えます。
なぜ「地域創生と観光経営」が大切なのか、豪華客船「飛鳥」が観光経営に有効なのか、地域金融機関(地銀)の役割りがどれほど大切なのか、善き未来へのヒントとなる発想や具現化手段とは、そして「成功する」とはどのようなことなのか。
世界が憧れる日本には全国各地に様々な魅力が育まれています。あるものは有名になり、ただあるものは宝として埋まったままでもあります。
その魅力を発掘して伸ばすのも、あるいは放置するのも関わる人の意欲と発想次第なのです。
「エフェクチュエーター」を自認する講師が自らの様々な取組みを通じた体験を紹介しながら、実例を通じて分かりやすく伝えます。

第2回(4/15)人口減少社会と地域における社会課題
【講演者:柴崎健(SBI大学院大学教授・神戸大学客員教授)】
第2回では、今後の地域創生や観光経営を構想する上で不可欠となる金融経済のマクロ環境について解説します。
日本は世界に先駆けて少子高齢化が進んでおり、早ければ2070年には人口が8,000万人台まで減少し、第二次世界大戦前の水準にまで後退するという予測もあります。このままでは、地方経済が深刻な危機に直面するのは自明の理です。こうした厳しい現状を前提に、日本経済はどのような課題に挑戦すべきなのでしょうか。
その鍵は、社会課題の解決を目指すサステナビリティ社会の実現と、人々のウェルビーイング(幸福)を向上させる価値創造にあります。そして、これらを具現化するための強力な手段となるのが金融の力です。金融の本質とは、目に見えない無形の価値を具体的な形へと変換することにあります。本講義では、地方創生に向けたリスクマネーがどのように供給されているのか、多様な事例を通じて紐解いていきます。
これから新しい事業プランを考えるとき、事業を大きく加速させるとき、金融の力を活用したいとき、今回の講義が少しでもヒントになれば幸いです。

第3回(4/22)加古川生まれの実業家 トイトマの山中社長が語る起業と再生、観光と地域創生
第3回では、事業開発の専門家である山中哲男氏を講師に迎えます。
山中氏は、丸亀製麺の海外進出支援や、年間40万人以上が訪れる淡路島のエリア開発「フロッグスファーム」を指揮するなど、数々の構想を現実のビジネスへと変えてきました。
本講義では、構想をいかに事業化するかという0から1の視点に加え、地域開発における地域の未来を考えたファイナンススキームや所有と運営を紡ぐ戦略など、実戦的な知見を学びます。
情報を完成形ではなく未来を創る材料と捉え、自ら時代を切り拓いていく経営思考に触れる貴重な機会です。

高次教養科目「地域創生と観光経営」は、全15回で構成されています。5月以降の授業の模様につきましても、Webサイト上でアーカイブを作成して参りますので、宜しければ是非ご確認下さい。

