地域創生と観光経営(アンカー・シップ・パートナーズ寄附講義)における5月の講義内容について、アーカイブを公開しました。

神戸大学では現在、経営学部3・4年生を対象にした高度教養科目「地域創生と観光経営」を開講しております。

本授業では、地域に根差した活動をされている起業家や彼らを支援する地域金融機関からゲストスピーカーをお呼びし、地域の社会課題に対してどのように取り組むかについて学んでいきます。そして、ゲストスピーカーから得られた知見をもとに、学生自身の関心のある社会課題に基づき、新たな地域創生や観光経営のあり方を考案していきます。

2026年5月には、合計4回の授業が開催され、いずれも非常に白熱した授業となりました。

各回の概要を以下に記載しておりますので、是非お読み頂けたらと思います。

第4回(5/8)福岡発 日本最大の地域金融リーダーが目指す新しい地域金融と地域の姿【講演者:五島久(ふくおかフィナンシャルグループ代表取締役社長CEO)】

本授業では、ふくおかフィナンシャルグループ代表取締役社長 CEO 五島 久氏を講師に迎えます。「これからの地域金融機関の新しい姿とは?」という問いをテーマに、理念・戦略・事業を結びつけ、実現をめざす姿を、実例を通じて学びます。

また、AIなどの技術革新が進む時代において、最後に問われることになる「人の力」など、これからの時代に求められる力や、企業が持続的に成長し続けるための考え方についても触れていきます。

後半ではトークセッションを行い、五島氏の実体験やキャリア観を通じ、普段は触れることのできない経営者の思考を学びます。

第5回(5/13)資源循環で森と人との関係を取り戻す:神戸市の取り組み【講演者:黒田慶子(神戸市副市長・神戸大学名誉教授)】

神戸の森林は市域の4割を占め、その大半は里山の広葉樹林です。燃料や肥料(落ち葉)への利用がなくなり、放置による荒廃が進みました。一方グローバルには温暖化対策や持続可能な社会を目指し、Nature positive、Nature-based solutionsという考え方が広がっていますが、表面的な取り組みに留まるのが現状です。神戸市では「人と森との関係を取り戻す」、つまり森林を木材や観光資源として循環的に利用しつつ、自然災害の防止や生物多様性の保全を進めます。講義では、持続する社会の実現(SDGs)には循環型経済が重要であることをお話しします。

第6回(5/20)定住でも観光でもない、新しい地域との関わり方【講演者:田中輝美(島根県立大学地域政策学部准教授)】

人口減少時代の地域づくりのキーワードと言われる関係人口について、なぜ生まれたのかという社会背景や現代的意義などを、島根県における地域創生の取り組みを通して体系的に学びます。人口の減少を解消すべき問題として捉えるのではなく、人口減少時代における持続的なまちづくりを考えることが重要であること、そのためには地域外の仲間と一緒にチームを作ることが重要であることをお話しします。

第7回(5/27)エフェクチュエーションと地域創生【講演者:吉田満梨(教授神戸大学大学院経営学研究科教授)・大野 佳祐氏(一般財団法人 島前ふるさと魅力化財団 常務理事)】

不確実性の高い状況で、予測ではなく手持ちの資源や関係性を活かして未来を共創する「エフェクチュエーション」の概要を踏まえたうえで、一般財団法人 島前ふるさと魅力化財団 常務理事の大野佳祐氏をゲストにお迎えし、島根県海士町における教育魅力化、関係人口との共創、新規事業創出の実践事例を通じて、地域創生における実効的な行動の生み出し方を考えます。

6月以降の授業の模様につきましても、Webサイト上でアーカイブを作成して参りますので、宜しければ是非ご確認下さい。