國部研究室の指導方針
<学部>
▼研究主題
「環境経営・会計と公共性」を研究主題とします。地球環境問題は21世紀最大の課題といわれ、東日本大震災以降は地域環境の復興も重要なテーマとして浮上しています。経済格差問題も雇用問題も広義の「環境」問題です。このような問題に対処するために、企業経営は如何にあるべきかを、環境経営・会計の観点から幅広く研究していきます。分析視角として、公共哲学を採用し、公共性の視点から地球環境問題を解決する方向性を検討し、そのための経営や会計の役割を考えます。公共哲学とは、現代社会で失われつつある公共性を復活させるための考え方で、ゼミでは、企業経営・会計と公共性の関係について、理論だけでなく具体的な企業実務を取り上げて深く掘り下げていきます。
▼研究内容
3年生の前期は、山脇直司『公共哲学とは何か』ちくま新書、マイケル・サンデル『公共哲学』ちくま文庫、齋藤純一『公共性』岩波書店などの基礎的な書物を読んで、公共性や公共哲学の考え方を学びます。サンデル教授は「ハーバード白熱教室」で有名な方です。
3年生の後期は、実際に企業の環境報告書やCSR報告書を読み込んで、公共性の視点から、何が見えてくるかを考えます。國部克彦編著『環境経営意思決定を支援する会計システム』中央経済社(近刊)、同『社会環境情報ディスクロージャーの展開』中央経済社(近刊)も参考にしながら、最先端の動向を公共性の観点から分析していきます。企業訪問も実施し、企業の環境経営や社会的責任の実際にも触れる機会を作ります。三商大ゼミ討論会にも参加予定です。
4年生では、3年生で研究したことをベースに、卒業論文の作成に取り掛かります。自分だけが明らかにできたオリジナルな知見を創り出せるように指導します。(ゼミに参加するにあたって、これまでの会計学関係の科目の得意不得意は関係ありません。)
▼國部ゼミの特徴
國部ゼミは会計学のゼミですが、環境経営や企業の社会的責任(CSR)などの研究を中心に行い、必要な範囲で会計学も勉強します。
したがって、会計学の高度な知識は必要ありません。卒論は会計以外のテーマで執筆する学生もいます。
國部ゼミは、会計にはあまり関心は無いけれど環境問題や企業の社会的責任に関心のある学生や、
会計士や税理士を目指しているけれど財務会計だけの勉強に飽き足らない学生に向いています(これまで多くの公認会計士試験の合格者が出ています)。
國部ゼミは、これまで三商大討論会に参加してきました。一橋大学は谷本ゼミ、大阪市立大学は向山ゼミ、これは今後も継続したいと思っています。
國部研究室では、多数の大学院生も所属しており、大学院生から卒論指導などを受けることもできます。 また、MBAの國部ゼミ出身者で作る「神戸CSR研究会」も運営しており、希望者は社会人と一緒に研究することもできますし、 卒業後も研究会を通じて活動することができます。
國部ゼミの卒業生は多くは企業へ就職します。製造業、商社、金融など多様な職種へ就職します。 特に、OB会などは組織していませんが、國部研究室は卒業生には常に開かれており、卒業後も何かあればいつでも訪ねて来られるようになっています。
また、大学院生進学を希望する学生については、学部時代から大学院進学を想定した指導を行います。
<過去の卒論テーマ(一例)>
- 大阪国際空港と地域の共生
- 環境に対する消費者の意識と行動
- 原子力関連事業者のリスク管理
- 森林の活用と森林認証制度の有効性
- シャープの温暖化対策について
- 太陽光発電市場と政策の関わり方の分析
- 鉄鋼業界における企業の社会的責任
- 店舗における空調サービスに関する研究
- 不動産ビジネスとリスク管理
- 粉飾決算~監査人による防止策~
- B to Bの環境教育~環境配慮型パソコンを売るために~
- CSRがもたらす企業評価-CSRと財務業績-
- 温室効果ガスにおける排出権取引の現状と課題
- 環境配慮型業績評価
- 企業による環境影響の統合化手法の活用に関する現状分析
- 社会的な資金の流れを作り出すために~個人資金を活用する方法~
- 第三者によるCSR報告書の信頼性の向上~CSR報告書の保証~
- 中国におけるCSRと社会問題
- トヨタ自動車の社会的責任
- ボードリヤールを通して見る消費のシステム
<大学院>
▼研究テーマと方法
大学院では、社会環境会計、環境経営・会計、企業の社会的責任、会計の社会的分析などの研究テーマを希望する学生を受け入れます。 財務会計、管理会計の区分にこだわらず、企業と環境・社会の問題を分析します。
採用する方法論は、大きく分けて、制度論やアクターネットワーク理論のような社会を構成する制度やネットワークを重視する社会学的方法論と、 環境経営の意思決定への役立ちを目指す工学的方法論の2つが中心です。経済学的な合理的行動モデルは、どちらかといえば中心ではありません。
しかし、実証研究など両者を融合するような視点は、常に対象として取り上げます。
▼指導方針
博士課程前期課程で就職する学生、後期課程で博士号取得を目指す学生の2つのタイプを分けて指導します。
①前期課程修了後就職する場合
短期間で結果の出るテーマを中心に指導します。将来、コンサルタントとして活躍したい希望がある場合は、できるだけ実務に密着した課題で、将来性のあるテーマを選定し、指導します。
②後期課程へ進学し、博士号取得を目指す場合
大学教授などの研究を職業とすることを目指すと想定して、前期課程の間は、できるだけ基礎的で発展性のあるテーマで指導します。後期課程に進学後は、
独創的な博士論文を執筆できるだけでなく、博士論文後も活用できる豊かな研究資源を創造できるように、学生と一緒に考えてゆきます。
國部研究室のメンバー
博士課程後期課程
(D3) 大田倫子
(D3) 増子和起
(D3) 呉綺
(D3) 千賀喜史
(D3) 川村明世
(D2) Shahid
(D2) 王睿
(D2) 謝江龍
(D2) 阿部健人
(D1) Trong
(D1) Soleha
博士課程前期課程
(M2) 孫琦
(M2) 丁懿
卒業生
大西 靖(関西大学准教授)2005年修了 博士(経営学)
東田 明(名城大学准教授)2006年修了 博士(経営学)
堀口真司(神戸大学准教授)2006年修了 博士(経営学)
川原千明(新日本監査法人)2008年修了 博士(経営学)
安藤 崇(同志社大学助教)2010年修了 博士(経営学)
岡田 斎(広島経済大学教授)2010年修了 博士(経営学)
梶原 晃(追手門学院大学教授)2010年修了 博士(経営学)
篠原阿紀(桜美林大学専任講師)2011年修了 博士(経営学)
鈴木 新(就実大学専任講師)2012年修了 博士(経営学)
北田皓嗣(法政大学准教授)2012年修了 博士(経営学)
Mohammad Badrul Haider(関西学院大学准教授)2012年修了 博士(経営学)
天王寺谷達将(広島経済大学助教)2013年修了 博士(経営学)
中澤優介(愛知学院大学講師)2015年修了 博士(経営学)
湊 則男(マツダ株式会社)2012年修了 博士(経営学)
品部友美(あずさ監査法人)2002年修了 修士(経営学)
坂井浩介(イオン株式会社)2006年修了 修士(経営学)
朱カカイ(株式会社ダイヘン)2006年修了 修士(経営学)
銭 春児(中国在住)2006年修了 修士(経営学)
田中利太(農林中央金庫)2009年修了 修士(経営学)
光井雅俊(パナソニック株式会社)2010年修了 修士(経営学)
馬 菁(塩野義製薬株式会社)2011年修了 修士(経営学)
河村 望(富士通株式会社)2011年修了 修士(経営学)
龔 文斌(三信電気株式会社)2011年修了 修士(経営学)
賈 克娜(株式会社西松屋チェーン)2012年修了 修士(経営学)
美濃島広人(株式会社クボタ)2013年修了 修士(経営学)