トップページ戦略的企業家養成プログラムベンチャーファイナンス実践塾ビジネスプランニング実践塾超入門 企業価値経営 ~実践ワークショップ~成長型中小中堅企業育成フォーラム

アントレプレナーとベンチャーキャピタリストのためのベンチャーファイナンス実践塾

第I期生の紹介



氏名
石田聖司
所属
株式会社ビジネスインテリジェンス 
番頭さん派遣部 部長
志望動機
私は、中堅・中小企業の経営者の方へ、右腕となる「番頭さん」をご紹介する(株)ビジネスインテリジェンスに所属しております。人材紹介を介し、事業再生・M&Aなどの案件にも携わっております。多くの企業オーナー様とお会いする機会が多いのですが、資金繰り・資金調達にご苦労されていたり、優秀な技術力・アイデアをお持ちなのに、やはり資金調達・広報力の不足から、チャンスを逃されてる企業様がたくさんあるように感じております。ぜひともこの実践塾で、自身のスキルアップはもとより、お客様にも学んだ知識をお伝えして、頑張る中小企業様・中高年の皆様のお役に立てればと思っています。この機会に、お一人でも多くのビジネスパーソンの皆様と良い関係作りが出来ればと思いますのでどうぞ宜しくお願い致します。

氏名
伊藤寛之
所属
株式会社ユヒーロ 代表取締役社長
志望動機
金融危機、少子高齢化、グローバル化への遅れ、環境汚染、BRICsの台頭、若者の労働意欲減退など、日本の事業環境は今後多くの乗り越えるべき課題を抱えています。「ベンチャーファイナンス実践塾」を通して、今後訪れる恐慌の荒波を沈没することなく乗り越え、さらには新大陸発見に至るための糧とする知識を得るために、本塾への参加を希望いたしました。

氏名
岡田穣治
所属
スペクトロニクス株式会社 代表取締役
志望動機
私は技術開発に関する知識・経験はあるのですが、会社経営についてはまともな勉強・教育を受けることなく「レーザ技術」や「光学技術」を軸にした「ものづくり会社」を起業しました。しかし、会社が少しずつ成長するにつれてファイナンスの知識がなければ正しい経営判断ができないことを実感するようになりました。特に自社商品開発にそれなりに大きな金額を突っ込もうと考えるようになってからは、既存事業の収益と開発費のバランスをどのように取っていくのかが重要になり、よりシビアに事業計画や資金繰り方法を立案する必要性が出て来たのです。日々悩みながら経営している内に、私は今後様々な問題に対処できるよう「経営の本質」について学習する必要性を強く感じるようになり、今回の「ベンチャーファイナンス実践塾」に参加させて頂く決心を致しました。自分の経営知識向上に執着するのではなく、参加されている方々にも役に立てるよう努力して参る所存でおりますので、何卒よろしくお願い致します。

氏名
北村禎宏
所属
神戸ビジネスコンサルティング有限会社 代表取締役
志望動機
アパレルの(株)ワールドに在職中の95年に加護野忠男先生ご指導の下、神戸大学の社会人大学院でMBAを修了いたしましたが、在籍中にファイナンスの単位を取得する機会がありませんでした。その後、投資ファンドにジョインした時期もありましたが、私の担当は、MDや店舗展開などの事業領域のコンサルティングが主で、ファイナンスに関しては聞きかじりの知識でしのいできました。現在、自身で経営するコンサルタント会社のクライアントには、必ずしもIPOを視野に入れているとは限りませんが、これから大きく飛躍することを目論んでいるベンチャー企業が多々あり、今後も増えることが予想されることから、一度きちんと学習しなければと応募いたしました。

氏名
千種英樹
所属
ちぐさ技研工業株式会社 専務取締役
志望動機
私は、機械工学を専攻して、現在に至るまで、機械設計業務に従事してまいりました。役員になってからも、その方向は変わらず、財務知識、ビジネスプラン立案、顧客の創造、新製品開発のコンセプト決定等、能力不足を感じております。実践塾に参加することにより、他のメンバーの方々の発想や考えを聞かせて頂き、基礎から学ばせて頂きたいと思っております。また、経営者としての能力も磨かれると思っております。よろしくお願い致します。

氏名
農山佳那
所属
池銀キャピタル株式会社 投資部 キャピタリスト
志望動機
私は、池田銀行のベンチャーキャピタル会社、池銀キャピタル(株)に勤務して約3年間、ファイナンス案件の発掘・検討・フォローを行ないながら、ベンチャーファイナンスについてのノウハウを実務上で学んできました。これまでの経験から、経営者の人物面等、数値に表せないものを除いた上で、投資判断を行なうポイントとなる点は、「株価の妥当性」および、それを判断する基になる「事業計画の整合性」であると考えるに至りました。ベンチャーファイナンス実践塾にて「ビジネスプランニング」、「リスク分析」、「バリュエーションを行なう方法」について理論に基づいた手法を学び、実務に生かしていきたいと考えておりますので、何卒、宜しくお願い申し上げます。

氏名
藤田昌三
所属
電子遺言バンク株式会社 代表取締役
志望動機
今年1月8日に新会社(電子遺言バンク)を設立しました。生まれたての会社ですが、将来はIPOを目指しているベンチャー企業です。インターネットを利用して誰でも無料で簡単に遺言を保存できるシステムを開発して広く社会に普及することを目標としています。この度、ファイナンスの勉強とビジネスプランのブラッシュアップを目的として実践塾に参加いたしました。皆様と様々な意見交換を兼ねて交流を深めることが出来ましたら嬉しく思います。今後とも宜しくお願い申し上げます。

氏名
牧野成将
所属
フューチャーベンチャーキャピタル株式会社 
投資企画部 投資企画課 課長
志望動機
私は大学院時代にアントレプレナーファイナンスやベンチャーキャピタルを学んだことがきっかけでフューチャーベンチャーキャピタル(株)(以下:FVC)に入社しました。FVCは京都で設立された独立系のベンチャーキャピタルで主にアーリーステージを中心に、地方自治体等と連携をしながら投資を行っています。FVCに入社し投資活動を行う中で、投資家の視点と共にアントレプレナーとしての視点を持つことの重要性を感じるようになりました。今回、アントレプレナーとしての立場で事業計画策定やファイナンスの勉強がしたいと思い、「ベンチャーファイナンス実践塾」に応募しました。両方の視点を身に付けることで日本のベンチャーファイナンスのあり方を考察できたらと思っています。実践塾を通して自身の向上のみならず、私自身学んできたことを出来る限りアウトプットしていけたらと考えています。皆様と様々な議論をする中で互いに成長し合い、卒業後も共に切磋琢磨できる一生涯の関係を構築できたらと思っています。宜しくお願いします。

氏名
松野寛子
所属
大分ベンチャーキャピタル株式会社 
企業支援グループ
志望動機
私はこの春より地方銀行に就職し、子会社のベンチャーキャピタルに配属となったベンチャーキャピタリストの卵です。まだまだ実務経験は浅いものの、入社から1年を迎えるこの段階になって、自らの知識とコミュニケーション能力に磨きをかけ、より良い提案やコンサルティングをしたいと強く感じるようになりました。そこで、ベンチャーファイナンスを理論的・学術的に学び、似たような立場のベンチャーキャピタリストや、アントレプレナーと出会い意見交換ができるという素晴らしいプログラムが組まれた本実践塾への受講を希望いたしました。様々なバックグラウンドを持たれた方々との意見交換を通して、弊社にいるだけでは学べないような新しい考えを求め、積極的に参加させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

氏名
松本秀明
所属
株式会社ビジネスインテリジェンス 企画部 部長
志望動機
団塊の世代の大量退職期を迎え、大企業での勤務経験を持つ「中高年人材」を中小企業の右腕として、再び活躍の場を創る「番頭さん派遣・紹介」を展開する事業を営み、広く人材の活用と中小企業の手助けを行う弊社の理念を展開してゆく上で、中小企業やベンチャー企業の生命線である「資金繰り」を始めとする財務戦略の考え方も大企業とは大きく異なります。こうした違いを理解し、中小企業の発展に寄与するためには、自分自身が標準的なファイナンス技法や常識的観点の習得が不可欠であると考えたことと、メンバーの皆様との交流で、新たな人脈を築くことが志望動機です。

氏名
丸尾健太郎
所属
株式会社アジルパートナーズ バイスプレジデント
志望動機
主にファンド及び金融機関の投融資先の収益改善を行うプロジェクトに従事しております。購買の見直しによる改善が中心ですが、工場移転や倉庫の集約、新規店舗の出店などの投資を伴ったことも業務の1つとなっており、ファイナンスの視点、知識は必要不可欠です。また、自社も4年目を向かえるベンチャー企業として、今後成長していくためにも、これまでの経験や知識をより高度化することを目的に本実践塾に参加することを希望しました。

氏名
三浦織江
所属
黒豚コラーゲンプルーナ (個人事業) 代表
志望動機
2007年10月にかごしま黒豚コラーゲンをモチーフにした「黒豚コラーゲンプルーナ」というオリジナル化粧品の販売を開始。事業は着実に成長しており、法人化の必要性に迫られています。ベンチャー経営者にとって資金調達は常に大きな課題です。ともすれば目の前のおいしそうな話に食指を動かしたくなる時もあります。そんなときに将来を見越した財務計画を軸に経営判断できれば、経営のリスクを軽減することができるでしょう。また、この塾に参加することで得られる人脈も貴重な財産です。福岡発で全国展開を目指す私にとっては、参加者のベンチャー経営者やキャピタリストの方々から得られる広範囲にわたる情報は大きな価値を持っています。時間的・経済的に払う犠牲は大きいのですが、「急がば回れ」。社会に貢献できるような事業への成長を志すからこそこの塾に参加しました。実際、他の参加者から受ける期待以上の刺激と勉強の内容に、参加を決めて本当によかったと感じています。今後、この塾が長く続いて、活力ある同窓の組織が生まれることを期待しています。

氏名
道田茂貴
所属
株式会社カジタク 戦略企画室 室長
志望動機
(株)カジタクは、共働きの御夫婦や日々お忙しい方に、家事を代行または軽減する満足度の高いサービスを提供することを目的に2008年8月に創業しました。私は戦略企画に所属し、事業計画の策定、会社全体の予実管理、中期経営計画の作成、マンション管理会社やサービス提供会社といったパートナー企業とのアライアンス構築業務に携わっております。私自身、米国公認会計士の取得と過去のコンサルティング業務経験により、ファイナンスの基礎は学んでおりますが、カジタクの急成長に不可欠な投資戦略の基礎知識とともに、M&Aや資本提携を実施する知識の獲得を目指し、実践塾を志望しました。最後に宣伝を!!カジタクは、電話一本で、生活にかかわる様々なご依頼をお受けします。おそうじ、せんたく、家事をお届けする家事代行、深夜2時までお伺いする宅配クリーニング、その他にも宅配トランクルーム、ベビーシッター、ぺットシッターなど、多彩なサービスでゆとりをお届けします。以上、宜しくお願い致します。

氏名
三宅秀昭
所属
株式会社クラシック・キャピタル・コーポレーション 
取締役 エグゼクティブ・パートナー
志望動機
私は、アントレプレナー支援を手がける(株)クラシック・キャピタル・コーポレーションの一員として、これまでいくつかのベンチャー企業で新規事業の企画や、実際のサービスの提供といった実務に従事してまいりました。これまでアントレプレナー支援を、プレーヤーとして企業に参画することによって実践してきたわけですが、ベンチャー企業成長のための最重要要素である企業財務に関する知識と経験、この人に相談したいと思わせる人間力と人脈を強化したく、このたび実践塾へ参加いたしました。自らの目的達成のためだけではなく、参加される他のアントレプレナー、ベンチャーキャピタリストの方々にとっても当方の参加が有用なものであると受け取られるよう積極的に講座に参加させていただく所存ですので、何卒宜しくお願い申しあげます。

氏名
山口直哉
所属
株式会社クラシック・キャピタル・コーポレーション 
取締役 エグゼクティブ・パートナー
志望動機
私は、アントレプレナー支援を手がける(株)クラシック・キャピタル・コーポレーションの一員として、これまで複数の投資先ベンチャー企業の役員や部門責任者に就任し、各社の立ち上げから成長時期における企画・営業と人材育成・マネジメントに一貫して携わってきました。関与してきた業種としては、インタラクティブ・マーケティング・ソリューションを事業会社や金融機関などに提供するITベンチャーが中心となっています。つまり、これまでITベンチャーのアントレプレナー支援を、組織力強化・実務力強化の視点において実践してきたわけですが、今後は、技術や人材といった経営資源(ヒト、モノ)に加え、ベンチャー企業成長のための最重要要素であるファイナンス(カネ)の視点からの経営支援力も自らの能力に加えることが必要であると考えています。そこで、ベンチャーファイナンスについての理論的な知識を身につけ、これまで培ってきた実務支援知識と合わせ再整理することで、今後のベンチャー(アントレプレナー)支援能力、そして自らもベンチャーを経営できる能力を向上させたいと考え、本講座への参加を志望いたしました。

氏名
吉田光宏
所属
株式会社アジルパートナーズ コンサルタント
志望動機
これまでの業務経験及び中小企業診断士の勉学において、ビジネスモデルの構築、ベンチャーファイナンスの基本知識を学んだが、より実践的な知識及び自社社員以外との意見交換の経験が十分でなく、他者とのコミュニケーションによる知識のブラッシュアップの必要性を感じている。また現在は、新規事業の立ち上げ・企画に関わる機会が多く、昨今の不安定な市況の中、精度の高い事業計画の立案が求められる状況下で、より体系的、実践的なファイナンス知識の習得が急務であると認識している。そこで本実践塾では、現状の習熟度の自己認識とともに、コーポレートベンチャーの経営者を目指すプロセスに必要となる高度なファイナンス知識を身につけたいと考え応募した。加えて、本実践塾を通じ、近い将来、本受講生が日本のビジネスの第一線で活躍するであろうという希望と期待をこめて、ぜひ他の受講生と積極的なディスカッションを通じて、今後のパートナーシップのきっかけを作りたいと考えている。

プレゼンテーションのテーマ

伊藤寛之
株式会社ユヒーロ(当社)のビジネスモデルである、「サイトサービスマネジメント」の事業環境および事業体制について分析を行った。私は弊社の代表取締役であるが、会社が小さいため、社長業以外にも現場での営業やディレクションとしての役割を担っている。会社のさらなる発展のために事業戦略を立案するための時間を作らなければいけないと思い、実践塾に参加した。弊社の最重要課題は、競争力のあるビジネスモデルの構築であるが、ウェブサイトの制作という業態に若干の付加価値を提供することと、マーケットでのポジショニングによって緩やかな成長をしてきてはいるが、成長が持続可能なビジネスモデルを構築できていない。そこで、今回のプレゼンテーションでは、弊社が置かれている事業環境および事業体制を見直すことを目的に、第1回講義で学習した「7つの段階のロードテスト」を利用して分析を行った。

岡田穣治・農山佳那
現在、産業用レーザ及び光学応用機器の受託開発が弊社の事業の中心である。今般、既存製品の問題点を克服した産業用レーザ発振器を自社製品として新たに開発した。自社製品の製造・販売を新事業として開始するにあたり、第2回講義で利用したクリスタルボールを用いて利益計画を立案するとともに、5ヵ年の資金繰り表を作成して所要資金の算出を行なった。外部資金の調達が必須となり、第3回講義で学んだバリュエーションを基に資本政策を作成したところ、利益計画の根本になる事業計画自体の見直しが必要となった。VCから資金を調達してIPOを目指すには、代理店を利用する等、成長速度を増す必要があるとの結論に達し、事業戦略の見直しを行った。

千種英樹・石田聖司
弊社は、主にエンジン式のモノレールの販売及びレンタルを行っているが、外部環境の影響もあって、主力製品・サービスの売上は、将来的にダウンすることが予想される。そこで、新規事業として、バッテリー式モノレールの開発を行い、新たな事業の柱にしたいと考えている。そこで、第1回講義で学んだビジネスモデルのフレームワーク及びアトリビュートマトリックスの手法を用いて、ビジネスプランの分析を行い、今後の方向性を検討した。

藤田昌三・北村禎宏
2009年1月8日に創業した電子遺言バンクのビジネスモデルについて発表した。このビジネスは、「インターネットを利用して、誰でも無料で簡単に遺言を保管できるシステムを開発し、社会に普及させる」ことを目的としている。弊社のビジネスの特長は、遺言の伝達方法に生命保険を絡ませ、保険金の受取人を遺言の受取人に指定して、保険契約者がユーザーとなってこのシステムを利用する点にある。また、ユーザーの開拓は、保険代理店を経由して実施する。今回のプレゼンテーションでは、アトリビュートマトリックスに基づく分析に加えて、同事業によるNPVとIRRを分析した。

牧野成将・松本秀明
現在事業化を検討しているインキュベーション事業の事業性評価を今回の討論のテーマとして設定した。私自身、3月までベンチャーキャピタルで投資事業に携わっていた。その中でインキュベーションの存在の重要性を感じ、現在事業化を検討している。事業化のポイントは、単に企業の成長を支えるインキュベーション機能だけではなく、会社の設立からその後の支援までの「連続性」に重点を置いた点にある。そのため、インキュベーション事業以外にも、起業に結びつくまでの「ビジネスデザイン事業」、シードマネーを提供する「マイクロインベストメント事業」、さらに起業後においても様々な企業や人から支援を受けられる「マッチング事業」を想定している。これらの事業化を検討するために、第1回講義で学んだサールマンモデル(「People」「Context」「Opportunity」「Deal」の4つのリンク)に基づいて分析を行った。

牧野成将・農山佳那
現在事業化を検討しているインキュベーション事業の事業性評価を今回の討論のテーマとした。前回の発表では、「People」「Context」「Opportunity」の3点については議論したため、今回は「Deal」に重点を置いた分析を行った。とりわけ、①マイクロインベストメントにおける入居企業と弊社との契約、②弊社の資金調達における出資者との契約の2点を中心に分析を行った。講義における議論の結果、弊社から投資を受けたい側(インキュベーションへの入居企業)、弊社に投資をしたい側(出資者)を対象にアトリビュート分析を実施し、同事業のメリットをより明確にする必要があることが課題として明らかになった。

丸尾健太郎
弊社がコンサルタントとして収益改善に取り組んでいる中堅の食品スーパーの改装投資の有効性について、講義で学んだNPV分析の手法を用いて検討した。現在、アジルパートナーズとしては、基本的には、改装投資を伴わないコスト削減による収益改善を主とした支援サービスを同スーパーに対して提供している。しかしながら、現在でも、システム、工場、物流センターといった投資を伴うプロジェクトを担うケースもあり、実践塾で学んだ分析手法を用いて、改装投資の有効性について検証を行った。

三浦織江・松野寛子
オリジナル化粧品事業を2007年10月に起業し、インターネット直販と卸売(デパートやホテルなど)を行っている。創業から数年しか経過しておらず、事業基盤がまだ十分に整っていないが、黒豚コラーゲン化粧品事業をベース(既存事業)に、地域産品コスメ(地域の農家や団体と化粧品開発をプロデュースする)の新事業を計画中である。プレゼンテーションでは、ビジネスロードテストやアトリビュート分析の手法を活用し、自社の事業モデルについて検討した。①出店予定のリアルショップへの投資規模、②地域産品コスメ事業の展開の2点を中心に、価格設定の問題も含めて議論を行った。

道田茂貴
家事を代行する満足度の高いサービスを提供することを目的に、2008年8月に株式会社カジタクを創業し、会社設立と同時に経営戦略部に出向している。カジタク設立から8ヶ月が経過し、設立時から事業環境も変化しているため、改めてビジネスモデルの再構築を行い、新しい集客戦略を立案することが課題となっている。そこで、第1回目の講義で学習した「HBSのフレームワーク」の手法を活用して、弊社のビジネスモデルの再整理と、4つの項目間のフィットを確認した。また、それを元にして集客戦略の立案と有効性の分析を実施した。

三宅秀昭
現在、弊社の業務として福祉関連のベンチャー企業の支援に係わっている。同社の収益性向上のためのビジネスプランの練り直しにあたって、類似サービスを提供する上場会社であり、収益力と成長性をアナリストから高く評価されている「やまねメディカル」をベンチマークとして分析した。「やまねメディカル」のビジネスを分析するにあたっては、実践塾の第1回講義で学んだ「ビジネスモデルのフレームワーク」の手法を活用した。

山口直哉
約10年前、インターネットの第1次ブームの只中に、楽天に続く新たなECモールを立ち上げようとした在阪のベンチャー企業をハンズオン支援した。結果として、同社は創業3期で会社清算という残念な結果に終わった。この事業化が失敗した要因について、サールマンのフレームワークを用いて、同時期に創業し大成功を収めた楽天(市場)との比較を行いつつ考察した。

吉田光宏
私が籍を置いているアジルパートナーズの事業会社の1つである、株式会社APソリューションズで提供している「5円コピーサービス」を討論のテーマとして設定した。私は親会社(アジルパートナーズ)より出向し、本事業におけるインフラの体制作り及び営業活動を主に行っている。APソリューションズでは、今後の事業展開において、既存の収益モデルにおける収益率の改善が最重要課題となっている。収益率の改善のためには比較的大規模な投資を伴うことから、投資対効果を定量的に検証する必要性が生じている。そこで、投資対効果(=投資すべきかどうか)を検証するために、第2回目の講義で学習したNPV分析(シミュレーション)の手法を用いて分析を行った。


受講後の感想

石田聖司
私の所属する、㈱ビジネスインテリジェンスにおいて、近年長引く不況と、昨今の金融不安により、事業再生のご相談が非常に増えました。受講前の漠然としたイメージは、「ベンチャーファイナンス」と事業の再生計画はまったく違う世界と考えており、将来の知恵として糧として、知識習得できれば幸いと思っていました。結果から言うと、事業の再生計画の作成にも大いに役立つものでありました。特に、第1回・2回の講義での、ビジネスモデルの様々な分析手法と、シミュレーションを用いた仮設・検証の技法や考え方は、事業再生を目指す企業の必要不可欠な条件であり、過去の経験(成功・失敗)やターンアラウンドマネージャーたちの勘のみに頼った再生計画にプラスして、この講義で学んだ手法を加味して再生計画を立てるのとでは、確実性においてかなりの差が出ると実感しました。また、投資家と起業家との関係においてのディールストラクチャーの知識を学べたことにより、関係性は薄いのかもしれませんが、事業再生計画上での新たに結びなおす様々の契約事項について、検討できる知識と、契約の重要性を強く意識する気構えみたいなものが備わった気がしました。今回の7回の講義でよかった点は、少数での検討や討論の時間を多く設けて頂いたことにより、常に緊張感のある講義であった。ある企業の目論見書を用いて、ケーススタディができたことで、より具体的に理解ができた。講義の出席者との良好な人間関係ができ、これからも長くお付き合いできる友人ができた。

岡田穣治
私は起業するまではエンジニアとしてキャリアを積んできました。モノづくり企業を自ら立ち上げて経営することが長年の夢だったのですが、実際に起業してみると自分には“非常に重要”でありながら“決定的”に不足している知識がある事を認識するようになりました。それが「ファイナンス」の知識です。それまでも何度かファイナンスの知識を習得しようとはしたのですが、一旦起業してしまうと零細企業特有の極端な人材不足・資金不足の中、どうしても営業業務や技術開発を優先してしまい、新しい知識を身に付けられませんでした。起業後2~3年間はこのような状況も許されたのですが、会社が成長するに応じて経営資金を増額しなければならなくなり、「ファイナンス知識」が絶対必要化して参りました。そんな時に偶然知ったのが今回参加させて頂いた「ベンチャーファイナンス実践塾」です。この講義は「実践塾」と名を売ってある通り、短期間で効率的に「中小零細企業」にとって実用的なファイナンス知識を習得する事ができます。日々新しい事業アイデアを考えている経営者にとって非常に有効だと感じたのは、事業計画をより理論的に構築するノウハウと、それを実現するためのファイナンス知識を関連づけて短期間で習得する事ができるという点です。特に事業を拡大しなければならない時の、外部から資金調達するための考え方を学べたことは非常に大きな収穫でした。特に金融機関やベンチャーキャピタル等が資金を提供する際に、どのような価値観で企業を見るのか、どのようなポイントをチェックするのか、どのような判断基準で資金提供を実施するのか、どのような落とし穴が起業家にとって存在するのか、と言った内容が、理屈だけではなく、実際の統計データや実績等から学べるのは大変助かりました。クラスメートが経営者や金融機関、コンサルタント等から構成されるので、実務経験の話や業界のトレンド等を直接聞けたのも一人で学ぶのとは隔絶の違いがあると考えます。特に集大成として実施する最後の課題では、私は「事業計画及び資金計画の立案」を実施したのですが、これまで考えもしなかった課題が浮き彫りになり非常に役立ちました。これは実際に実行しようとしているビジネスを元に行うのですが、経営者と金融機関やコンサルタント業の方が組み、様々に事業計画やファイナンス計画を立案します。私はベンチャーキャピタルの方と一緒に事業計画を立案したのですが、資本計画の立案方法や検討方法、立案時に気を付けなければならない事など、多くの事を学べて本当に助かりました。今後、私のような日々忙しくてどうしも勉強から逃れてしまっている人が身近にいたら、必ずこの「ベンチャーファイナンス実践塾」をお勧めしたいと思います。この「実践塾」で得られた人間関係も、利害関係を超越して色々な事が相談できる貴重なものなので、一生の宝物として大切にして行きたいと思っています。

北村禎宏
7回に及ぶVF実戦塾を通じて身についたことで、もっとも大きな発見は、一般的なファイナンスの知識は聞きかじりで知っていたつもりでしたが、ベンチャーファイナンスの領域に、これだけ深い最新の議論があるとは、驚きでした。つねに新しい領域の新しい議論に触れ続けなければ取り残されてしまうという危機感を改めてもつとともに、VFの領域で最小限の知識のキャッチアップができて、本当によかったと感じています。第1回の「競争力のあるビジネスモデルの構築」については、自分の専門領域である戦略論やマーケティングの新しいフレームワークを学習することができたとともに、この領域では多少の鼻が効くことが再確認できました。第2回の「リスクの定量的把握」については、日ごろ行っているロジックツリーによる要素分解や需要予測に近しい分野もありましたが、リアルオプションはとても新鮮でした。なぜなら、実際の実務の場面においては、そこまで厳密にオプションを設定して管理している場面が意外と少ないからです。専門領域なので、ある程度の勘が働くことから、手元での詳細の記述を端折るのが実態ですが、改めて書面に落としてみることの重要性を認識しました。第3回のバリュエーションにおいては、持分比率の決定的重要性を学習しました。大きな上場企業に勤めていたり、IPOが全く関係のない企業に属している場合に意識することはほとんどない事項ですが、株式会社の何たるかを思い知らされました。第4回のディールストラクチャーは、実際にIPOが現実性を帯びてこない限り、あまりリアリティのない議論ですが、資本提携を伴うアライアンスやコラボレーションが増加傾向にある昨今、不可欠の知識だと思いました。第6回、第7回の「ビジネスプラン発表」は、とても有意義で面白い議論が展開されました。実務家ならではの視点や、VCならではの着眼点など、とても参考になりました。また、自分のコンサルティング能力の他流試合としても、いい経験になったと感じています。

千種英樹
ビジネスプランニングはどうすればいいか、どのように分析すればよいかについて他の人の意見が聞けて非常によかった。資金調達、財務等における私の知らない用語、知識に触れて、全てではないが理解できたことがとても良かった。苦手意識が少し和らいだことが良かった。資金調達や財務の考え方が、予想していたより数学的で理系の感じがしました。新しいコミュニティに参加できて、新しい人間関係が構築できたことが何より良かったです。少々きつかったですが、もっと学びたいという意欲が湧く内容でした。また、飲み会が非常に良いコミュニケーションの場になることを改めて知りました。会社でも飲ミニケーションを実践して行こうと思いました。ベンチャーキャピタリストの考え方が垣間見えてよかったです。人の意見を聞き入れて、新たな自分の考えとすることができる、そういう場所に参加できて良かったです。かなりプレッシャーがかかりましたが、グループ討議で必死になったことが良かったです。

農山佳那
ビジネスモデルの論理的な分析手法を学べたことが大変参考になった。アントレプレナーとVCがファイナンスについて1つのテーブルで議論することにより、アントレプレナーの考え方やファイナンスについての知識の差異を実感することができた。今後はアントレプレナーとVCの両者にとって良いファイナンスを実行できるよう、実践塾で学んだことを実務に生かしていきたいと思った。第1回のビジネスプランニングでは、ビジネスモデルの分析手法として「ビジネスモデルのフレームワーク」、「ビジネスロードテスト」、「アトリビュート分析」の3つを学んだ。ビジネスモデルを分析するには、複数の手法を用いること、経営陣および製品特性を把握する力が必要であると感じた。「ビジネスモデルのフレームワーク」における事業機会について、「対象とする市場が急速に伸びているのか」、「対象とする産業は構造的に魅力があるのか」という2点について考慮することを改めて考え直す契機となった。短期的には利益が出るビジネスであっても、中長期的に考えた場合、「市場の伸び」と「産業構造的な魅力」は不可欠であり、ブレイクスルーカンパニーとなるには長期的に成長可能であることが必要と感じた。第2回のビジネスプランニングのリスク分析では、シミュレーション用ソフトウェア「クリスタルボール」を用いたリスク分析およびリアルオプションを織り込んだデシジョンツリー分析の活用方法を学んだ。投資の最初の段階から良いシナリオと悪いシナリオの双方を織り込んだ収益計算を行なうことは、アントレプレナーが作成した事業計画をVC側で再考する際の参考となった。第3回のバリュエーションでは、講義冒頭での銀行の融資とVCの投資の違いの説明において、VCの投資では何社が失敗したかではなく、成功した企業が「どの程度の成功」を収めたかが重要となるということを再認識できた。バリュエーションについて、複利で考えるNPV法、IRR法の理論と、エクセルでの計算方法を学んだ。ハイリスクハイリターンの基礎と言える「割引率=リスク=期待収益率=資本コスト」という考え方を理解できた。第4回のディールストラクチャーでは、投資契約を結ぶ意義(モラルハザード対策や各種権利の獲得等)と各契約条項の意味合いを改めて確認することができた。種類株式の利用によるリスクヘッジの手法(ラチェット、ベスティング等)を学んだ。希薄化防止条項を活用してシェアを維持することが投資家の収益率向上には不可欠である反面、実際に投資先の事業が上手く行かずダウンサイジングとなった場合、「後続ラウンドで資金供給する投資家の立場」と「シェアが著しく低下するであろうアントレプレナーの意欲」を考慮した資本政策を立てた上で、ラチェット条項等の種類株式を利用すべきだと感じた。第5回の新規株式公開(IPO)の基礎では、新規株式公開におけるコストの計算方法および新規公開後の株価パフォーマンスの計算方法(超過収益率とボラティリティ)を学んだ。初値収益率について、VCの立場では高いほど良いと考えていたが、アントレプレナーの立場に立った場合、アンダープライシングが問題視されることを改めて認識した。第6回・第7回のビジネスプランの発表と全体討論では、各々のビジネスプランについて、焦点を絞った討論を行なったことは有意義であると感じた。

藤田昌三
将来のIPOを目指したベンチャー企業を立ち上げたことを機会に、ファイナンスの知識習得を目的として実践塾に参加しました。アントレプレナーが、資金やリスク、エネルギーなどを投資して事業を成功させるために努力するが、そのリターンとして会社の価値向上だけでなく、その会社の持分(株式シェア)を確保するためのファイナンス施策が重要であることを興味深く学んだ。ベンチャーキャピタルとの交渉材料としての、NPV、IRR、リアルオプション、ラチェット条項など様々な知識を得たことは非常に有益でした。今後は、実践塾を通じて知遇を得たクラスメイトなどとの交流を深めていくとともに、事業運営においてファイナンスの知識を有効に活用していきたいと思います。

牧野成将
ベンチャーファイナンス実践塾を通してビジネスモデル評価、ビジネスリスク分析、バリュエーション、ディールストラクチャー、IPOという一連の流れを短期間で効率的に学習出来たと感じています。また自身のビジネスプランを発表する機会もあり、学んだことを復習する場として、色々な意見を貰える場として非常に有益でした。講義の中でもビジネスモデル評価、ビジネスリスク分析はベンチャーキャピタリストとしても勉強になることが多々ありました。ビジネスモデル評価では、3つのフレームワークを学習しましたが、特にサールマンの「Deal」分析と「アトリビュート」分析は自身のビジネスモデル評価を見直す良い機会となりました。またビジネスリスク分析では、利益構造図の作成により各事象を単純化することが重要であることを学びました。ただし、ベンチャーファイナンス実践塾の最大の収穫は、1期生の方々と出会い、勉強の時間を共有出来た事です。具体的なアドバイスをもらえただけでなく、皆さんの姿から多くの刺激をもらうことができました。知識だけではなく、マインドの部分でも大きく成長できた3ヶ月間だったと感じています。

松野寛子
遠路大分から全部で8回(神戸7回、東京1回)受けさせて頂きました。毎回が刺激の連続で、モチベーションの高い方々に囲まれて興味を持っている分野の勉強をできることほど学習効果が得られることはないと深く感じたセミナーでした。今回この実践塾を受講して、ともに勉強した仲間とのネットワーク構築ができたことはもちろんのこと、理論的にベンチャーファイナンスについて学べたことは本当に意義深いものでした。毎回頭をフル回転させて、へとへとに疲れるくらい集中したあの時間は、社会人生活においてなかなかない貴重な体験です。そうして頑張れたのは、何よりも自分が好きな勉強であったからであり、周りにも同じ意識を持つくらい必死に頑張っているメンバーが居たから。最終的な答えのない質問や議論が多かったけれど、それをどうにか具現化するためにいろんな思考を張り巡らせ、「これはこうだ、いや違う。」と何度も考え直してよりよい答えを見つけていくというプロセスの中で、「考える力」をひきだす際にはきちんとファシリテートする人が必要であることもわかりました。そしてそれには知識と経験が備わっていなければなかなか為し得れないことだということもよくわかりました。今回神戸会場でともに学ばせていただいた皆さんはそうした能力をお持ちの人が多かったように思います。明るくフランクで好奇心旺盛、パワフル、少しでも自身の経験や知識を発揮しようという前向きな方ばかりでした。そんな方からは不思議と斬新で魅力的なアイデアがひらめくのです。そんな姿に社会人1年目だった私は大きな刺激を受け、かつもっともっと頑張らなければと身が引き締まる思いを毎回しておりました。3か月という短い期間でしたが、皆様とはとても仲良くさせていただきました。本当に感謝していますし、これからも引き続きお世話になっていきたいと思っております。実践塾を通して学んだこと、ネットワークを今後のVC業務で活かし、自他共に認められるベンチャーキャピタリストになれるように日々精進したいと思います。そして忽那先生、このような素晴らしい場所を提案していただき本当にありがとうございました。大分からの参加でしたが期待以上の成果に満足しております。これはまさに、忽那先生の人柄とそこに惹かれた方々が生んだネットワークの賜物だと思います。そして今回その一員になれて心から光栄に思います。今後ともベンチャーファイナンス実践塾が末永く続き、更なるネットワーク構築の場になることを願っております。そして我々に続く塾生との交流もできることを期待しております。本当にありがとうございました。

松本秀明
事業を始める、投資するという是非を判断する客観的指標や思考方法を合理的に理解することができました。過去、中小金融機関においては、中小・零細企業の経営状況判断や融資起案時においては、該当会社の事業計画の妥当性を判断する基準として、財務諸表と個人資産の背景調査という定量分析に加え、経営者の熱意やノウハウ、社会性、公共性といった定性分析が基礎的な判断材料になっていました。しかし、金融機関の担当者は、常に苦悩の連続でした。それは、往々にして、預金者=貸付者になるという構図から、どうしても顧客との人間的なリレーションシップが生まれると、定量的な判断が鈍り、客観性が失われた状況での融資実行や回収業務を大なり小なり行って来たといっても、過言ではないでしょうか。それが全てではありませんが、10年前、不良債権増大による中小金融機関の破綻と再編を余儀なくされた一因になったかもしれません。当時、今回、学んだアトリビュート分析やリスク分析を始めとする、各分析方法を合理的な判断基準として活用できていればと反省する機会となりました。

丸尾健太郎
実践塾を通じて、これまで書籍で学んでいた学問的なファイナンス知識が、実務的なファイナンス知識にステップアップできた(=実務に活かす場面が創造できた)と思え、ようやくファイナンスというものが腹に落ちたと実感できたことがよかったです。また、自分の知識、視点が「企業価値の最大化」に偏り、「持分比率の最大化」に関する知識が不足していたことを認識できるなど、自分のレベル感を確認できたことも有意義だったと思います。一日だけでしたが神戸にも参加し、様々なバックグラウンドと意識の高い人たちとお話できたことはよい刺激となりました。

三浦織江
福岡から2週間に一度、神戸に通ってベンチャーファイナンス実践塾を受講しました。ベンチャーキャピタリストやベンチャー経営者でもすでに成功している方々ばかりの中で、起業して1年半の私にはかなり難しい内容で、途中、挫折しそうになったことも。そんな迷いの気持をメールで送った私に、先生からいただいたのは“ひとりも挫折させません。全員で最後までやり遂げます”という指導者としての固い決意のメール。これは“前に進むしかない”と気持を入れ替えて、結局、最後まで受講できました。今回の受講を通してファイナンスを軸にした企業活動が事業の成長をもっとも加速させる手段であることを、身をもって理解することが出来ました。そしてその成果は、その後のビジネスプランのプレゼンテーションの際に、はっきりと目に見えて現れています。受講後、ニュービジネス協議会や福岡ベンチャーマーケットという、かなり評価の厳しいプレゼンテーションの場において、これまでにない手ごたえを感じました。そしてそこから、すでにいくつかの発展的な商談が生まれ、現在進行中です。今回勉強したことで、事業計画が明らかにブラッシュアップされ、成長へのターニングポイントがいまはっきりと見え始めました。不思議なほどに事業がものすごい加速がついて動き出しているのは偶然なのでしょうか、それともこの塾を受講したおかげなのでしょうか。ともすれば中小企業経営者は売上に奔走しがちになります。起業したての経営者は余計にそうです。しかし、高度成長をもたらすベンチャーファイナンスの針路にそって、事業計画を作っていくことで、長期的視点にたって無駄と無謀を未然に回避し、ベンチャー起業家として、社会に貢献できるような事業を作っていくことを、今回の受講で肝に銘じました。最後までご指導くださった忽那先生、駆け出し経営者の私を同期としていつも温かく迎え励ましてくださった同期生のキャピタリスト、ベンチャー経営者の皆さん。皆さんに導かれ支えられて、この塾を通して大きな一歩を踏み出すことが出来ました。本当にありがとうございました。

吉田光宏
本実践塾を通して良かったことは、第1に異業種の方とのネットワークが構築でき、違った視点での意見を享受できたこと、第2により実務的なレベルでの知識を習得できたことです。特に、第1の点に関しては、どの業種業態にお勤めの方にも共通することだと思いますが、今自分が勤めている会社の社風や業界自体の商習慣というものが存在すると思います。実践塾において異業種の方のいろいろと意見をいただくことで、様々な角度からの物事の捉え方を勉強させていただくことができ、実務においても、異業種の方とのコミュニケーション機会が多い仕事柄、非常に役立てることが出来ました。また、第2の点に関しては、今まで書籍で読んだことのあるレベルのことを活字にしてアウトプットに落とし込むことしか出来ませんでしたが、本実践塾にてより深い知識が習得でき、顧客に対して、説得感のあるプレゼンテーションが出来るようになりました。

開催趣旨

ベンチャー企業のアントレプレナーは、不確実性の高い事業環境下で高度な経営的意思決定を行うために、ビジネスプランニングとそのためのファイナンスに関わる知識の習得が不可欠です。もちろん、こうした知識は独立系ベンチャー企業のアントレプレナーのみに求められるものではなく、企業のなかで新規事業を創造するコーポレート・アントレプレナーや、大学発ベンチャーを経営するアカデミック・アントレプレナーにとっても不可欠なものです。いくらすばらしい事業アイデアや技術を持っていても、ファイナンスの知識なくしては、成長のための資金を調達することも、株式公開に向けた有効な資本政策を考えることもできません。ベンチャー企業に資金を供給するベンチャーキャピタリストにおいても、投資先企業に対して付加価値の高いサービスを提供するためには、ビジネスプランニングやファイナンスに関する理論に基づいた行動が重要です。
しかし、こうしたファイナンスに関する知識を、多忙を極めるアントレプレナーやベンチャーキャピタリストが、日常の業務の中で自ら時間をねん出し学習することは容易ではありません。ベンチャーファイナンス実践塾では、株式公開を目指している成長期にあるベンチャー企業のアントレプレナーと(可能であれば、御社において企画・財務を担当している役員(CFO)と一緒に参加することを推奨します)、若手中堅クラスのベンチャーキャピタリストを対象に、ビジネスプランニングから、ベンチャーキャピタルの投資を経てIPOに至るまでの一連のプロセスにおけるファイナンスの基礎知識を習得してもらうことを第1の目的としています。
ベンチャーファイナンス実践塾は、このような基礎知識の習得にとどまるものではありません。習得した基礎知識を元にして、グループ討議と全体討議を通じて、指定した実践的課題に関して意見交換を行います。こうした討議を通じて、アントレプレナーとベンチャーキャピタリストの両者にとって好ましいファイナンスの在り方は何かについて分析・研究することが第2の目的です。
第7回目の最後の講義では、わが国のベンチャーファイナンスをより円滑に実施するために改善すべき課題は何かについて、参加者全員で分析・研究の成果を総括したいと思います。
また、第6回目と第7回目の講義では、アントレプレナーにビジネスプランを発表してもらい、ベンチャーキャピタルからの実際の資金調達につながる可能性を追求します。こうした討議を通じて、アントレプレナーにとっては、自社のビジネスモデルを練り直すための貴重な機会となるでしょう。ベンチャーキャピタリストにとっては、ファイナンスの理論を基礎にした、ベンチャー企業に対するアドバイス能力を高めるための訓練の機会となるでしょう。
参加するアントレプレナー、CFO、ベンチャーキャピタリストにおいて、現状の知識レベルには差があるかもしれません。しかし、初級、中級、上級レベルのテキストとして何を読めばよいのか、どのようなプロセスを経てレベルアップを図れば自らの知識の向上が達成できるのかについて、よくわからず困っている人も多いかもしれません。ベンチャーファイナンス実践塾では、参加者のレベルに応じて、「どのようなテキストを使って、どのように勉強すればよいのか」という疑問に対しても、丁寧に指導していきます。
最後に、ベンチャーファイナンスの実践においては、アントレプレナー間、ベンチャーキャピタリスト間だけではなく、アントレプレナーとベンチャーキャピタリスト間でネットワークを構築しておくことが、将来の事業展開において貴重な資産になります。アントレプレナーとベンチャーキャピタリストの人的ネットワークの形成、お互いが高い目標に向かって高めあうことのできるコミュニティを構築することも、ベンチャーファイナンス実践塾の大きな目的です。

対象者

ベンチャーファイナンス実践塾は、下記に示すようなアントレプレナーとベンチャーキャピタリストを対象としています。

(1)アントレプレナー(御社のCFOを含む)

  • 将来急成長を達成し、株式公開を実現したいと思っているが、ファイナンスの知識が不足していると感じている方。
  • 企業を成長させるためにベンチャーキャピタルから資金を調達したいと思っているが、どのような点に注意して資金を調達すればよいのかよくわからない方。
  • 自社のビジネスモデルが成長可能なものなのかをチェックしたいが、そのためにどのような点に注意してチェックすればよいのかよくわからない方。
  • 大企業のコーポレートベンチャーとしてベンチャー企業の経営を担当することになったが、ファイナンスの知識が不足していると感じている方。
  • 大学発ベンチャーとして企業を立ち上げたが、技術のことはわかっても、ファイナンスの知識が不足していると感じている方。
  • 独自の方針でこれまで成長を模索してきたが、他のアントレプレナーやベンチャーキャピタリストから幅広く意見を聞いて、ビジネスモデルをもう一度再検討したいと感じている方。
  • 今後の自社の成長戦略を考えたとき、ファイナンスの基礎理論を習得した財務担当役員を育成する必要があると感じている方。
(2)ベンチャーキャピタリスト
  • 大学を卒業して大手ベンチャーキャピタルに就職したが、ファイナンスについての理論的な知識が十分に習得できていないと感じている方。
  • 銀行本体で長らく融資業務に携わってきたが、子会社の銀行系ベンチャーキャピタルに勤務するようになったものの、ファイナンスの理論的な知識が不足していると感じている方。
  • 大手製造業で長らく営業等の業務に携わってきたが、コーポレートベンチャーキャピタル部門に勤務するようになったものの、ファイナンスの理論的な知識が不足していると感じている方。
  • 独自の方針でこれまで投資を実施してきたが、アントレプレナーや他のベンチャーキャピタリストから幅広く意見を聞いて、自らの投資の在り方をもう一度再検討したいと感じている方。
  • 今後の自社の投資戦略を考えたとき、ファイナンスの基礎理論を習得したベンチャーキャピタリストを育成する必要があると感じている方。

プログラム

ベンチャーファイナンスの先進国であるアメリカでは、アントレプレナーとベンチャーキャピタリストがともに、ビジネススクールでアントレプレナーシップに関する幅広い知識を習得した後に、実践で経験を積み活躍しています。多くのアントレプレナーやベンチャーキャピタリストがMBAホルダーであることからも、アメリカの進んだ実態を伺うことができます。一方、わが国の場合は、こうしたアントレプレナーシップに関連する基礎知識を大学のMBAで習得したうえで、実践で活躍している人はむしろ少数派であるといえます。
とはいえ、2年近くの期間も実践を離れてMBAで学習することは、多忙であるアントレプレナーやベンチャーキャピタリストにとっては、現実問題としてとても難しいといえます。ベンチャーファイナンス実践塾では、MBAのアントレプレナーファイナンスの講義や演習で提供されている内容を、3カ月程度の短期間で習得できるように、基礎知識の習得(個別講義)と、実践へのフィードバックが可能となるように参加メンバー間での意見交換(グループ討議と全体討議)を組み合わせて、プログラムを設計しています。
講義では、エクセルを使いますので、ソフトウェアがインストールされたノートパソコンを持参して参加して下さい。

個別講義
第1回
ビジネスプランニングの基礎
優れたビジネスプランとはどのようなものか。
第2回
ビジネスプランニングのリスク分析
ビジネスプランのリスクをどのように分析すればよいのか。
シミュレーションの技術を使って、どのようにリスク分析を実践すればよいのか。
第3回
ベンチャーキャピタル投資とバリュエーション
アントレプレナーは資金を一度に調達した方がよいのか、数回に分けて調達した方がよいのか。
ベンチャーキャピタリストはどのような点に注目して投資決定を行うのか。
ベンチャー企業のバリュエーションを行う方法にはどのようなものがあるのか。
投資を行う前の価値評価(プレマネーバリュエーション)はなぜ重要なのか。
第4回
ディールストラクチャー
ベンチャーキャピタル業界において用いられる投資条項にはどのようなものがあり、それぞれどのような意味があるのか。
ベンチャーキャピタルとの投資契約において、アントレプレナーは何に注意をすればよいのか。
ベンチャーキャピタリストとアントレプレナーの両者にとって好ましい投資契約にするためには、どのような点をお互い考慮する必要があるのか。
第5回
新規株式公開(IPO)の基礎
新規株式公開のコストはどの程度なのか。
新規公開企業の公開価格は、どのようなプロセスを経て決定されるのか。
新規株式公開にあたって、アントレプレナーとベンチャーキャピタリストはどのような点に配慮しておく必要があるのか。
第6回
ベンチャー企業他のビジネスプランのプレゼンテーション1
アントレプレナーが自社のビジネスプランを発表し、全体で意見交換する。
第7回
ベンチャー企業他のビジネスプランのプレゼンテーション2
アントレプレナーが自社のビジネスプランを発表し、全体で意見交換する。
総括

【参考図書】
リチャード・L・スミス、ジャネット・K・スミス著(山本一彦総監訳、岸本光永、忽那憲治監訳)『アントレプレナー・ファイナンス』中央経済社、2004年。
忽那憲治、長谷川博和、山本一彦編著『ベンチャーキャピタル ハンドブック』中央経済社、2006年。
忽那憲治『IPO市場の価格形成』中央経済社、2008年。

グループ討議
 アントレプレナー2名とベンチャーキャピタリスト2名の4名程度で1グループを編成し、個別講義で習得した基礎知識を元にして、講師が設定したテーマについて分析・意見交換を行います。
議論するテーマについては、講師が当日設定します。
グループは、第1回から第5回までの5回の個別講義ごとに、別のメンバーで行います。

全体討議
 グループ討議を受けて、全体討議を行います。

スケジュール

開催日
2009年1月スタート4月修了(1カ月に2回程度の開催)
<東京会場>
第1回 1/10(土)
第2回 2/7(土)
第3回 2/21(土)
第4回 3/8(日)
第5回 3/21(土)
第6回 4/4(土)
第7回 4/18(土)
<神戸会場>
第1回 1/24(土)
第2回 2/14(土)
第3回 2/28(土)
第4回 3/14(土)
第5回 3/28(土)
第6回 4/11(土)
第7回 4/25(土)
※ 東京会場の場合3/8のみ日曜開催となります。

<その他> 東京、神戸の相互交流
東京のメンバーと神戸のメンバーの相互交流を促すため、東京と神戸で開催される第6回と第7回の講義(4月に開催される合計4回分)については、他の会場で開催する講義への出席も認めています。

開催場所
東京会場 : TKP東京都八重洲ビジネスセンター
神戸会場 : 神戸大学経営学研究科ハーバーランド教室

講義時間  全7日(土曜日開講・1日4時間 13:00-17:00)
13:00-13:15 講義テーマの説明
13:15-14:15 個別講義1
14:15-14:30 休憩

14:30-15:30 個別講義2
15:30-16:00 グループ討議
16:00-16:15 休憩

16:15-17:00 全体討議

費用等

募集人数
アントレプレナー、財務担当役員(CFO)、ベンチャーキャピタリスト 合計20名(開催最少人数10名)

費用
アントレプレナーおよび財務担当役員(CFO) 1人20万円(消費税含む)
ベンチャーキャピタリスト 1人35万円(法人会員費9万円、消費税含む)
※初回開始までに全額納入をお願いします。
※アントレプレナー、CFO、ベンチャーキャピタリストともに、1社当たりの参加者は2名までとします。
※ベンチャーキャピタリストについては、所属企業が既に法人会員である場合は1人26万円となります。

必要書類
アントレプレナー、CFO、ベンチャーキャピタリストともに、以下3点を添えて申込をお願いいたします。
(1)履歴書
(2)参加動機(A41枚程度)
(3)事業内容がわかる会社パンフレット等

申込期限
2008年12月10日(水)

修了証書
ベンチャーファイナンス実践塾の修了者には、現代経営研究所から修了証書を授与します。
特定非営利活動法人 現代経営学研究所(RIAM)
神戸市灘区六甲台町2-1 
神戸大学経営学研究科第3学舎内
理事長 正司健一(神戸大学大学院経営学研究科教授)
http://www.riam.jp/
電話:078-805-1623
E-mail:現代経営学研究所 <bi@riam.jp>