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アントレプレナーとベンチャーキャピタリストのためのベンチャーファイナンス実践塾

第III期生の紹介



氏名
栗原靖英
所属
永和国土環境株式会社 技術部
志望動機
現在日本国内は不景気で新政権に変わりましたが、これといった景気浮揚対策も行われず、一部の大手企業を除き、企業の収益は低迷したまま推移し公共投資が減少する傾向にあるのが現状です。このような世情の中を生き抜くためには、新規市場の開拓・異業種分野への販売、新事業への参入をしていくことが弊社に求められている。弊社の現状はリーマンショックより以前の2005年度を境に公共投資の見直・構造改革の施策に伴い売り上げ、収益とも逓減している。2007年6月には将来の売上予測から社内経費の見直しを行い、経費の削減・社内人事の見直しを行った。その結果か、会社への貢献度が高い社員から退社しいき、現状を維持できるどころか、未曾有の大不況にも伴い一気に売り上げが下がる結果となった。そのため、会社の経営状態は悪化し、資金繰り対策に行ったことが会社の来期に渡り経営難を起している。この状況を打開するために、弊社の商品を公共事業(公園・公衆トイレ)中心ではなく、新分野への販売・新しい市場開拓と既存技術を生かした新事業の展開が必要である。
新分野への販売・市場開拓(海外も含む)には、船舶用の排水再利用装置の製品開発から販売・海外市場への進出が進んでいる。新規事業においては、過去の実証実験プラントから得られた経験及び実証データを基に排水処理から出るし尿汚泥処理や畜産廃水の堆肥化するプラントの設計製作から販売を行う事業を立ち上げていく準備を行っている。これらの事業を実現していくにはさまざまな問題があり、これらのことを解決していかなければならない。従来のビジネスに於いて私の役目・立場は、排水再利用装装置の研究開発・装置の改善・社員への技術指導が役目であった。しかしながら、新たなビジネスプランに対しては、技術的な役割を担うだけではなく、さまざまな情報を収集し実行プランを立てて経営者の官房長官的な役割をこなせるスキルが必要である。現状のスキルでは技量不足であり、何から手をつけ何を行っていかなくてはいけないか、どのようなプランを計画し実行していかなくてはいけないか迷っており、問題を解決することができない。そのためこのビジネスプランニング実践塾の参加し答えとなるヒントを見つけ出したいと考えている。
弊社の新たなビジネスプランである新規事業・異業種分野の開拓を実行していくに当って幾つかの課題があり、これらのことを分析・解析し解決するための手段を見つけ出す必要がある。
問題点は下記のような事項があげられる。
1.異業種分野への販売に当っての市場規模
2.従来にない技術的な問題点の摘出し解決方法の策定
3.新規分野を担当する人材の育成・確保
4.研究開発及びテストプラントでの実証実験まではすんでいるが、装置規模を拡大して行う場合の問題点及び人材・会社の経験の少なさをカバーするための社外協力者との連携方法
5.市場の拡大を狙い海外への本格的進出するための工程
以上のような問題点が多々あり、これらのことを解決していく必要があるが、問題を解決していく優先すべき事項や手段をどのような手法・方法をとるかなどプランを立てて実践していくかを見つけ出したい。問題点は上記に挙げるものばかりではなく他にも抽出してくるであろうが、それらのことも含めてこの講習会にて解決していくためのプロセスを学び実践できるようにするためのヒントをつかみたい。

氏名
鳥潟幸志
所属
ビルコム株式会社 取締役兼COO
志望動機
はじめまして。ビルコム株式会社の鳥潟と申します。当社は、企業のPR・広告のマーケティング支援を中心に事業を展開しています。私はその中で、取締役兼COOとして顧客サービスの責任者、営業部門の責任者、社内オペレーション部門の責任者等を担当しています。私が講座へ志望する動機は大きく3点あります。
1点目は、実践的なビジネスプランニングの構築スキルを身に付けるためです。当社は企業のPR・広告のマーケティング支援を中心のビジネスを展開し、収益は主にコンサルティングフィー、制作費、広告のバイイングマージンの3点になっています。今後、更なる成長を実現するために労働集約型中心の現在のビジネスモデルに加えて、収益逓増型の新たなビジネスモデルを追加する必要性があると実感しています。
2点目は、ベンチャー企業の取締役としての最低限のファイナスの知識を身に付けることです。創業から一貫して、顧客サービス部門、営業部門の責任者を務めていました。今後、会社の成長を実現するためには、短期収益の数字を追いかけるだけではなく、長期視点に立脚したビジネスプランニングと、外部からの資金調達が必要であると考えています。同時にビジネスモデルを考案し、社内のオペレーション体制を構築する際に、資金提供者から見て注意するべき点や意識するべき点を事前に理解しておく必要があると考えています。また、投資家および財務責任者とファイナンス面で議論する際に、同じ視点で会話ができるように知識を付けておきたいと考えています。
3点目は、人脈・ネットワーク形成のためです。自身と似た境遇、類似した課題意識を持った方と同じテーブルで議論することは重要なことであり、日常の仕事においては気付かない新たな視点をインプットできると期待しています。
以上3点が現時点で私が考える志望動機となります。何卒よろしくお願いいたします。

氏名
元山伸也
所属
株式会社ホットライン 副社長
志望動機
参加動機としては、私にとっての夢を叶えるために、ファイナンス知識を深めるのは、不可欠ではないかということを仕事の上で実感したため、応募いたしました。
私は当初、会計事務所に就職し、そこではじめて使ったパソコンに興味を持っているうちに会計事務所のクライアントをサポートするコンピュータ会社に転籍になり、プログラミングを学びました。しばらくして米国に転勤することになりコンピュータの最先端のシリコンバレーで勉強しながら起業するという経験をさせていただきました。現在は、その転籍になった会社の経営を任せていただいております。経営をはじめたときには、会社は毎年の赤字に悩まされておりました。赤字を救ったのは、いろんな方のアドバイスを積極的に受けたことと、成功者の経験した手法を自分達の会社で試す実行力でした。うまくいった手法は【業務の単純化】、【残量の可視化】、【目標の細分化】です。親切丁寧を主軸に長年顧客に支えられ、不況化でもなんとか耐えられる会社になってきました。最近は、仕事をスタッフに任せ、投資業務支援をおこなうようになってきました。まだまだ勉強不足と感じますので、ベンチャーファイナンス実践塾を通して実務を学び仕事に活用していきたいと思います。そして世の中に貢献できる会社をつくっていきたいというのが私の夢です。
ファイナンスといえば、現在まで投資に関与した企業は40社あまり、そのうち8社が上場を果たしています。経営する会社は無借金経営を主軸にし、毎月月次ベースで財務諸表分析をおこない黒字化は必須目標、営業会議は定期的に開きチームを少人数制にし、横の情報コミュニケーションを活性化させることをおこなっております。3ヶ月ベースで売上を上がらなければ、管理者が多く責任をとり報酬削減、実務担当者にとっても賞与削減という厳しい方法をとっております。その結果、1人1人のお金に対する厳しさがつき、会社の雰囲気が変わってきたことを実感いたしました。しかし会社としてピリピリしているわけでなく、米国ベンチャー企業と同じように自分達の空間を1人1人に持たせて服装も含めた自由な会社にしています。仕事の中でいろんな発見をしたことを、実践塾で話し、同じ志を持つ仲間を見つけていきたいと考えております。以上、簡単ですが参加動機となります。どうか宜しくお願い致します。

受講後の感想

栗原靖英
弊社では、新しい事業と現状の打開を図るためにビジネスモデルの見直しと資金調達が不可欠な状況にあります。そのため、本来であれば財務を担当するものが、ファイナンスを学ぶのがベストであると考えられましたが、事業計画書の作成・ビジネスモデルの検証もする必要があったので、開発担当の私が参加することになりました。
弊社は今まではファイナンスに関する業務は外部の人材に依存しており、社内に精通した人材がいない状況であります。資金の調達に関しても外部のコンサルタントやアドバイザー、司法書士・弁護士のなどの先生方からの支援により行っています。優れた先生方が居られても資金調達可能なビジネスモデル・事業計画書の作成は社内でしなければならないことが課題でありました。
この課題を解決するために、「ベンチャーファイナンス実践塾」でビジネスモデルの作成から、ファイナンスについて7回の講義を通して学びました。ビジネスモデルの作成は、補助事業や国の認定を取得するための計画書の作成の経験からさほど苦にすることなく取組むことが出来ました。リスク分析の方法や、事業を進めていく過程でリアルオプションも検討しておくことは今まで行っていなっかたことであり、ひとつの結果にこだわるのではなく、幅広く検討し、それぞれの価値を算出することは大変勉強になりました。
ファイナンスに関してはVCとの関係やディール、企業価値の算出方法、価値の高め方、IPOの流れについて学びましたが、3回の講義ではなく、もう少し詳しく時間を掛けてもらえればと感じました。損益計算書、貸借対照表、キャッシューフロー表は作成できると感じましたが、資本政策を作成するに当っては重要な事項です。弊社としては、資金調達したものは、IPOにより返済しようと考えているので、素人が取組むには難しい課題です。資本政策をどのようにするのかは会社の状況に応じていろいろあると思いますが、一例でもいいので取上げて頂ければ参考になると思います。企業価値の高め方・投資家やVCとアントレプレナーとの契約や資金回収方法も関わってくることなので、難しいことであると感じました。
講義を聴くだけではなかなか理解できないことも多くありましたが、ディスカッションがあり、他の受講生やアシスタントの皆様の意見を聞くことで理解できた部分が多くありました。COOや副社長のように経営に携わる人材が、スキルアップのために参加されており大変感銘させられました。弊社の場合、実務は社員がたたき台を作成し、経営陣ができあげたものをチェックし、外部アドバイザーに意見を聞きながら進めていくのが通例です。起業したり、若くして経営陣になる方々は普段からの向上心・努力が違い見習わなければと痛感させられました。ファイナンスについてはまだまだどうすればよいか悩むところもありますが、皆様に良い結果が報告できるように実践塾で学んだことを活かし、資金調達を成功させ、会社の価値をより高めることができるようにしていきます。
最後に、ファイナンスに関しては全くの素人である私でありましたが、御指導や皆様に御助力いただき有難う御座いました。

鳥潟幸志
今期の受講で私が学んだことは大きく6点ある。その6点について、一つ一つ解説していく。
(1)ビジネスモデルの客観評価の重要性を改めて認識
フレームワーク分析、アトリビュートマトリクス分析を活用。
経営者は、概して「自己視点」になりがち。それを客観的に評価し、自己を省みることができる。その発見は大きかった。
(2)最終ゴールに最も影響する因子を見定め、その改善に資源配分することの重要性
一言で「利益をあげる」といっても、その道は何千とおりもある。経営者の勘を頼りに戦略を練るのではなく、数学的アプローチで最も影響のある「因子」に経営資源を投下するという発見が大きかった。
(3)新規事業では、明確なマイルストーンの設定と、成功・失敗時の対策が重要
事業は成功よりも失敗の比率が高い。しかしながら、事前に失敗時の対策を立てるケースが少ないことに気づいた。成功・失敗の比率を算出し、失敗時の対策を事前に立てておくことで、大きな失敗を避けることができる。
(4)資金調達の選択肢と、調達先の視点・価値観を理解
資金調達に関わる基本的なフレームワーク、ステークホルダーの常識・非常識を学ぶことができた。そのことで、実務においてもリスク・チャンスを見極めることができるようになったと確信している。
(5)ファイナンスのシナリオ、手法、注意点を理解
この分野は自分がもっとも知識が浅かった分野。基本的な考えを理解できたため、さらに深い学習を重ねようと思っている。
(6)モンテカルロシミュレーションをマーケティング領域に応用転換
ファイナンスの概念を、自社の事業ドメインであるマーケティングに応用できることを感じた。現在、事業化に向けて模索中だが、とてもすばらしい発見だった。

最後に、本講座を主導されている忽那教授のビジョンに私は何よりも共感した。経営者は全ての責任を担うべき存在でありながら、その意思決定は、自らの勘・経験に頼ることが大きい。教授は、その経営者をアカデミックなアプローチで支援しようとされている。これからの10年は、過去の成功体験を捨てて、新たな価値創造が求められる。日本の未来を創造するのは、まさに私たち経営者なのだと思う。自己研鑽を怠らず、常に前を向いて経営をしていくこと。今後、この講座を受講される皆様と、どこかで意見交換できることを心より楽しみにしています。本当に学び多き3ヶ月間でした。

元山伸也
私は、会計が強いシステムエンジニアとICT企業担当のベンチャーキャピタリストとして自分を売り込んでいます。スキルアップをおこなうことが目的でベンチャーファイナンス実践塾に参加いたしました。あっという間の3か月で、皆さんと一緒に勉強できなくなるのが寂しく感じております。しかし、これからは、学んだことを活かすようにしていき、この良さを伝えていきたいと思います。学んだことは、単なるテキストや本を読むことでなく、一緒にディスカッションして注意しあうのがとても重要だと思います。ここでは、気軽に体験できるというのが一番素晴らしいことだと感じました。私は、ほかの塾生の皆様と違って事業計画や資金計画を作成するゴールがありませんでした。会社を大きくする目標でなく、知識をつけいかに会社を維持するかという気持ちでした。しかし参加し、現状の会社分析をおこなう上や仮説を立てることで、会社の問題点が見えてきて、会社を大きくする重要性や社会に貢献するためには何をしたら良いのかというヒントをいただきました。この実践塾を重ねているうちに意識が会社拡大方向に変化しました。
一緒に学ぶことができた塾生の皆様は、大変優秀で私は刺激をたくさん受けることができました。そして何よりも驚いたのは忽那先生の優しさ、忽那ゼミの上瀧さん含め優秀なサポーターの皆さんの実直さです。ホワイトボードを使って、ゼミ生の方がほとんど書いていただき、私たちはボード上で検証する形になります。このボード上の討議がとても楽しかったです。わからない場合にも、どんどんヒントが出てきて答えに導いてくれます。決して難しくありません。
私が感じたところで大変参考になったところが、アトリュビュート分析とモンテカルロシュミレーションです。事業モデルの良い点と悪い点を整理する分析として今までやっていなかったことが、浮き彫りになりました。何をすべきかという課題解決につなげていけると思います。後半にディールストラクチャーの勉強したときは、他社のベンチャーキャピタルの厳しい事例を見て、当社はいかに優しいのかをわかりやすく実感いたしました。最後のプレゼンテーションは、資料をたくさん作り授業内容を盛り込むことを考えたのでなく、いかにわかりやすく説明するかを考えました。自分の事業を聞いてくれた人に理解していただき、広めていただきたかったからです。プレゼンテーションが終わったときは、やりきった爽快感がとても気持ち良かったです。
今後ですが、ぜひ皆さんとお会いしていき、仕事とは必ずしも関係なくても人として接していければ嬉しいです。皆様、ありがとうございました。

開催趣旨

ベンチャー企業のアントレプレナーは、不確実性の高い事業環境下で高度な経営的意思決定を行うために、ビジネスプランニングとそのためのファイナンスに関わる知識の習得が不可欠です。もちろん、こうした知識は独立系ベンチャー企業のアントレプレナーのみに求められるものではなく、企業のなかで新規事業を創造するコーポレート・アントレプレナーや、大学発ベンチャーを経営するアカデミック・アントレプレナーにとっても不可欠なものです。いくらすばらしい事業アイデアや技術を持っていても、ファイナンスの知識なくしては、成長のための資金を調達することも、株式公開に向けた有効な資本政策を考えることもできません。ベンチャー企業に資金を供給するベンチャーキャピタリストにおいても、投資先企業に対して付加価値の高いサービスを提供するためには、ビジネスプランニングやファイナンスに関する理論に基づいた行動が重要です。
しかし、こうしたファイナンスに関する知識を、多忙を極めるアントレプレナーやベンチャーキャピタリストが、日常の業務の中で自ら時間をねん出し学習することは容易ではありません。ベンチャーファイナンス実践塾では、株式公開を目指している成長期にあるベンチャー企業のアントレプレナーと(可能であれば、御社において企画・財務を担当している役員(CFO)と一緒に参加することを推奨します)、若手中堅クラスのベンチャーキャピタリストを対象に、ビジネスプランニングから、ベンチャーキャピタルの投資を経てIPOに至るまでの一連のプロセスにおけるファイナンスの基礎知識を習得してもらうことを第1の目的としています。
ベンチャーファイナンス実践塾は、このような基礎知識の習得にとどまるものではありません。習得した基礎知識を元にして、グループ討議と全体討議を通じて、指定した実践的課題に関して意見交換を行います。こうした討議を通じて、アントレプレナーとベンチャーキャピタリストの両者にとって好ましいファイナンスの在り方は何かについて分析・研究することが第2の目的です。
 第7回目の講義では、アントレプレナーにビジネスプランを発表してもらい、ベンチャーキャピタルからの実際の資金調達につながる可能性を追求します。こうした討議を通じて、アントレプレナーにとっては、自社のビジネスモデルを練り直すための貴重な機会となるでしょう。ベンチャーキャピタリストにとっては、ファイナンスの理論を基礎にした、ベンチャー企業に対するアドバイス能力を高めるための訓練の機会となるでしょう。
 また、第7回目の講義の最後には、わが国のベンチャーファイナンスをより円滑に実施するために改善すべき課題は何かについて、参加者全員で分析・研究の成果を総括したいと思います。

参加するアントレプレナー、CFO、ベンチャーキャピタリストにおいて、現状の知識レベルには差があるかもしれません。しかし、初級、中級、上級レベルのテキストとして何を読めばよいのか、どのようなプロセスを経てレベルアップを図れば自らの知識の向上が達成できるのかについて、よくわからず困っている人も多いかもしれません。ベンチャーファイナンス実践塾では、参加者のレベルに応じて、「どのようなテキストを使って、どのように勉強すればよいのか」という疑問に対しても、丁寧に指導していきます。
最後に、ベンチャーファイナンスの実践においては、アントレプレナー間、ベンチャーキャピタリスト間だけではなく、アントレプレナーとベンチャーキャピタリスト間でネットワークを構築しておくことが、将来の事業展開において貴重な資産になります。アントレプレナーとベンチャーキャピタリストの人的ネットワークの形成、お互いが高い目標に向かって高めあうことのできるコミュニティを構築することも、ベンチャーファイナンス実践塾の大きな目的です。

対象者

ベンチャーファイナンス実践塾は、下記に示すようなアントレプレナーとベンチャーキャピタリストを主として対象としています。ベンチャー企業を対象としているコンサルタントや税理士・会計士の方も対象としています。

(1)アントレプレナー(御社のCFOを含む)

  • 将来急成長を達成し、株式公開を実現したいと思っているが、ファイナンスの知識が不足していると感じている方。
  • 企業を成長させるためにベンチャーキャピタルから資金を調達したいと思っているが、どのような点に注意して資金を調達すればよいのかよくわからない方。
  • 自社のビジネスモデルが成長可能なものなのかをチェックしたいが、そのためにどのような点に注意してチェックすればよいのかよくわからない方。
  • 大企業のコーポレートベンチャーとしてベンチャー企業の経営を担当することになったが、ファイナンスの知識が不足していると感じている方。
  • 大学発ベンチャーとして企業を立ち上げたが、技術のことはわかっても、ファイナンスの知識が不足していると感じている方。
  • 独自の方針でこれまで成長を模索してきたが、他のアントレプレナーやベンチャーキャピタリストから幅広く意見を聞いて、ビジネスモデルをもう一度再検討したいと感じている方。
  • 今後の自社の成長戦略を考えたとき、ファイナンスの基礎理論を習得した財務担当役員を育成する必要があると感じている方。
(2)ベンチャーキャピタリスト
  • 大学を卒業して大手ベンチャーキャピタルに就職したが、ファイナンスについての理論的な知識が十分に習得できていないと感じている方。
  • 銀行本体で長らく融資業務に携わってきたが、子会社の銀行系ベンチャーキャピタルに勤務するようになったものの、ファイナンスの理論的な知識が不足していると感じている方。
  • 大手製造業で長らく営業等の業務に携わってきたが、コーポレートベンチャーキャピタル部門に勤務するようになったものの、ファイナンスの理論的な知識が不足していると感じている方。
  • 独自の方針でこれまで投資を実施してきたが、アントレプレナーや他のベンチャーキャピタリストから幅広く意見を聞いて、自らの投資の在り方をもう一度再検討したいと感じている方。
  • 今後の自社の投資戦略を考えたとき、ファイナンスの基礎理論を習得したベンチャーキャピタリストを育成する必要があると感じている方。

プログラム

ベンチャーファイナンスの先進国であるアメリカでは、アントレプレナーとベンチャーキャピタリストがともに、ビジネススクールでアントレプレナーシップに関する幅広い知識を習得した後に、実践で経験を積み活躍しています。多くのアントレプレナーやベンチャーキャピタリストがMBAホルダーであることからも、アメリカの進んだ実態を伺うことができます。一方、わが国の場合は、こうしたアントレプレナーシップに関連する基礎知識を大学のMBAで習得したうえで、実践で活躍している人はむしろ少数派であるといえます。
とはいえ、2年近くの期間も実践を離れてMBAで学習することは、多忙であるアントレプレナーやベンチャーキャピタリストにとっては、現実問題としてとても難しいといえます。ベンチャーファイナンス実践塾では、MBAのアントレプレナーファイナンスの講義や演習で提供されている内容を、2カ月程度の短期間で習得できるように、基礎知識の習得(個別講義)と、実践へのフィードバックが可能となるように参加メンバー間での意見交換(グループ討議と全体討議)を組み合わせて、プログラムを設計しています。
講義では、エクセルを使いますので、ソフトウェアがインストールされたノートパソコンを持参して参加して下さい。

個別講義
第1回
ビジネスプランニングの基礎
優れたビジネスプランとはどのようなものか。
第2回
ビジネスプランニングのリスク分析(1)
ビジネスプランのリスクをどのように分析すればよいのか。
シミュレーションの技術を使って、どのようにリスク分析を実践すればよいのか。
第3回
ビジネスプランニングのリスク分析(2)
ビジネスプランのリスクをどのように分析すればよいのか。
シミュレーションの技術を使って、どのようにリスク分析を実践すればよいのか。
第4回
ベンチャーキャピタル投資とバリュエーション
アントレプレナーは資金を一度に調達した方がよいのか、数回に分けて調達した方がよいのか。
ベンチャーキャピタリストはどのような点に注目して投資決定を行うのか。
ベンチャー企業のバリュエーションを行う方法にはどのようなものがあるのか。
投資を行う前の価値評価(プレマネーバリュエーション)はなぜ重要なのか。
第5回
ディールストラクチャー
ベンチャーキャピタル業界において用いられる投資条項にはどのようなものがあり、それぞれどのような意味があるのか。
ベンチャーキャピタルとの投資契約において、アントレプレナーは何に注意をすればよいのか。
ベンチャーキャピタリストとアントレプレナーの両者にとって好ましい投資契約にするためには、どのような点をお互い考慮する必要があるのか。
第6回
新規株式公開(IPO)の基礎
新規株式公開のコストはどの程度なのか。
新規公開企業の公開価格は、どのようなプロセスを経て決定されるのか。
新規株式公開にあたって、アントレプレナーとベンチャーキャピタリストはどのような点に配慮しておく必要があるのか。
第7回
ベンチャー企業他のビジネスプランのプレゼンテーション(10:00-18:00)
アントレプレナーが自社のビジネスプランを発表し、全体で意見交換する。
総括

【参考図書】
リチャード・L・スミス、ジャネット・K・スミス著(山本一彦総監訳、岸本光永、忽那憲治監訳)『アントレプレナー・ファイナンス』中央経済社、2004年。
忽那憲治、長谷川博和、山本一彦編著『ベンチャーキャピタル ハンドブック』中央経済社、2006年。
忽那憲治『IPO市場の価格形成』中央経済社、2008年。
忽那憲治『中小企業が再生できる8つのノウハウ』朝日新聞出版、2010年。

グループ討議
 アントレプレナー2名とベンチャーキャピタリスト2名の4名程度で1グループを編成し、個別講義で習得した基礎知識を元にして、講師が設定したテーマについて分析・意見交換を行います。
議論するテーマについては、講師が当日設定します。
グループは、第1回から第6回までの6回の個別講義ごとに、別のメンバーで行います。

全体討議
 グループ討議を受けて、全体討議を行います。

スケジュール

開催日
2010年9月スタート12月修了
<大阪会場>
第1回 9/25(土)
第2回 10/9(土)
第3回 10/23(土)
第4回 11/6(土)
第5回 11/20(土)
第6回 12/4(土)
第7回 12/18(土)

開催場所
大阪産業創造館 11階会議室

講義時間  全7日(土曜日開講・1日5時間 13:00-18:00)
13:00-13:15 講義テーマの説明
13:15-14:45 個別講義1
14:45-15:00 休憩

15:00-16:30 個別講義2
16:30-16:45 休憩
16:45-17:15 グループ討議

17:15-18:00 全体討議

費用等

募集人数
アントレプレナー、財務担当役員(CFO)、ベンチャーキャピタリスト、コンサルタント、税理士・会計士他 合計15名(開催最少人数8名)

費用
アントレプレナーおよび財務担当役員(CFO) 参加費(消費税含む)1人21万円(うち1万円はRIAM個人賛助会員年会費)
ベンチャーキャピタリスト(会社派遣) 参加費(消費税含む)1人35万円(うち9万円はRIAM法人賛助会員年会費)
ベンチャーキャピタリスト(私費参加) 参加費(消費税含む)1人21万円(うち1万円はRIAM個人賛助会員年会費)
※初回開始までに全額納入をお願いします。
※アントレプレナー、CFO、ベンチャーキャピタリストともに、1社当たりの参加者は2名までとします。
※ベンチャーキャピタリストについては、所属企業が既に法人会員である場合は1人26万円となります。

必要書類
アントレプレナー、CFO、ベンチャーキャピタリストともに、以下3点を添えて申込をお願いいたします。
(1)履歴書
(2)参加動機(A41枚程度)
(3)事業内容がわかる会社パンフレットもしくはウェブのアドレス

申込期限
2010年9月10日(金)

修了証書
ベンチャーファイナンス実践塾の修了者には、現代経営研究所から修了証書を授与します。
特定非営利活動法人 現代経営学研究所(RIAM)
神戸市灘区六甲台町2-1 
神戸大学経営学研究科第3学舎内
理事長 櫻井久勝(神戸大学大学院経営学研究科教授)
http://www.riam.jp/
電話:078-805-1623
E-mail:現代経営学研究所 <bi@riam.jp>