農業団体や医師会はTPP加入に反対していますが、日本もどうやら参加する方向で進んでいるようです。加盟国間で取引される全品目について関税の原則100%撤廃を目指し、医師・弁護士などの資格・免許も原則として相互承認されることになります。税務はわが国では税理士の無償独占業務ですが、TPP参加国で日本と同様の税理士制度を有する国はベトナムのみであり、日本の税理士制度はスタンダードな制度ではありません。アメリカでは税理士は名称を独占使用できますが、税務業務は誰でもできる自由業務であり税理士資格も相互承認される可能性があります。近年、わが国の税理士業界は会計ソフトの普及による自計化や量的拡大を目指す税理士法人により価格低下が進んでいますが、自由競争になった場合にはコスト競争に巻き込まれ更なる価格低下を招くことになるでしょう。経営者は「士業者はコスト」と考えるようになり、報酬を減額することを要請し、あるいは無資格者に業務を依頼することも多くなるに違いありありまでん。そのような事態を迎えないためには、経営者にとって「士業者はコストではなく経営資源」であり、経営上不可欠なものと認識されるまでに付加価値を高め、税理士業界が無資格者との自由競争へとパラダイムシフトした場合においても経営資源として活用することを期待される税理士であり続けたいと思っています。
吉川徹 実践塾が始まるまでは、取締役では無く、従業員という立場でした。それまで、ファイナンスという観点で業務を遂行する事は無く、受託開発での資金回収程度でした。実践塾では、ファイナンスのお話はもちろん、ご紹介頂いた書籍を通じて、経営者としてのあるべき姿、会社組織の理想像をどの様に描くのかを学ばさ せて頂きました。企業を発展させる為には、ファイナンスの知識が必要不可欠で有る事が認識でき、CFOと協議できるレベルが必要であると感じております。事業モデルの考え方、分析手法、意思決定までのプロセスがリアルに垣間見る事ができ、これからCEO、CFOと共に微弱ながらも議論に参加ができ るスタートライン手前にギリギリ立てたのでは、と感じております。もちろん、まだまだ勉強不足ですので、実践塾の復習を行い、実務にフィードバックできればと考えております。特に重要な部分は、利益構造図であると考えております。その後の財務モデルを始め、分析、数値が絡んでおり、企業価値が左右される事を理解しました。サールマンモデル、ビジネスロードテスト、アトリビュートでリアルな状況を把握する事ができ、会社の方向性を導出するには欠かせない分析である事 も理解しました。分析結果では、自社の弱点を明確にする事ができ、これからの要改善項目として取り組んでいく予定です。私は、アントレプレナーとして、取締役としての知識がまだまだ不足しております。これからも是非、先生方のお力をお借りしたく考えております。もちろん、自助努力も継続していきます。自身の為、会社の為にも、知識向上していく所存でございますので、ご指導宜しくお願い致します。 小林佑太朗 半年間のアントレプレナー・ファイナンス実践塾、本当にありがとうございました。思い返せば長いようで短い、しかし濃密な半年間でした。ビジネスモデルはきちんと考えて練らなければ行けない、財務モデルも収益と費用に分けて綿密に分析しなければ行けない、など口で言えば簡単な事を実際に一から自分で行っていくのは難しく、そういった基礎的な部分をきちんと丁寧にご教授くださった、このアントレプレナー・ファイナンス実践塾は私にとって非常に有意義な物となりました。その中でも、例えばデシジョンツリーにおける成功・失敗などの割合の配分や、財務モデルの数値をどの程度幅を持たせるか、などの設定は綿密に行わなければ意味が無く、しかし新規事業に関して行おうとするとどうしても想像しなければならない部分が少なからず出てくる為、非常に苦労した部分の一つでありました。まだまだこの授業を受けただけではスタート地点に立っただけであるという事を強く自覚し、今後も何度も何度も繰り返し練習していく事で本当に自分のものにして行きたいと考えております。ですので、今後とも忽那先生には変わらぬご指導を頂ければと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。重ね重ねにはなりますが、本当にありがとうございました。 中島鎮 今回の講義を通して、改めて自分に足りない部分が、何であるのかというものを認識する機会となりました。講義では、ビジネスプランニングとファイナンスの重要性を軸としてビジネスモデルの分析手段から資金調達や契約に関する重要性について体系的に学ぶことができ、とても有益な時間だったと感じています。グループ討議などでは、参加された他業種の方の意見や考え方なども触れることができたり、より実務に反映しやすい形で講義が進んでいったこともあり、今後の業務へ反映していく際には違和感なく取り込めそうだと感じました。今までは、どこから勉強すればよいか漠然としていましたが、大切な要点をピックアップされた講義内容であったので、自分で掘り下げて調べたい部分や不明だった点が明確になったことで勉強しやすくなりました。講義のスケジュールも月1回程度なので、次回までの復習や考える時間など仕事との調整もしやすいところもあったので大変良かったです。忽那先生をはじめ、アシスタントに参加された皆様にお礼を申し上げます。 笹井香予子 今回、聴講生という形で授業に参加させて頂きました。当初は弊社社員のフォローを目的としていましたが、諸事情により二回目以降夫との参加となりました。紆余曲折で先生をはじめ、受講生の皆様にもご迷惑をおかけしましたが、このようなイレギュラーな形でも受講を認めてくださったことに、まず心より御礼申し上げます。二回目受講することにより、ビジネスプランニングやファイナンスについて、より深く理解をすることができました。特に2点、学んだことを活かし早急に実践していこうと思います。 1、 既存事業の総点検と改善 ビジネスロードテストにより、市場環境や市場機会を分析しました。成熟した生活日用品業界では、市場をこれ以上拡大させることが非常に困難であることが明白となりました。改善策がないとは言いませんが、空雑巾を絞るような努力をするより、成長性のある市場を探しチャレンジする方が効率的であるという結論に至りました。これまでぼんやりとしていた業界の将来性のなさについて確信を持つことができ、別の舵を切る決断ができました。客観的な分析を行ったからこそ、疑問を確信に変えることができたと、今回の授業を通じて感じています。とはいえ、今すぐ事業をたたみ、新規事業に飛び込むことも非現実的です。アトリビュート分析や財務モデルを総点検するとことで、既存事業の枠の中での改善も同時進行で行っていきます。 2、 新規事業案の企画と実行 今回、前段の既存事業の分析の結果、既存事業の経営資源を活かした新規事業の立ち上げが急務との結論になり、「整理収納の代行事業」に参入するという案にたどり着きました。当初は予定していませんでしたが、授業中盤に方針転換し事業計画を授業で学んだ分析手法を用いて発表することにしました。発表した結果は散々なものでした。既存事業とのシナジーが明確になっておらず、具体性に乏しいとしか言いようがありませんでした。しかし、一通りの作業をしたからこそ、何が欠けているか鮮明に意識することができたと思っています。発表後すぐ、人材募集に動き始めました。まずは人材を確保した上で、市場テストを通じて顧客ニーズを探り、アトリビュート分析を繰り返し、弊社にしかできないサービスを構築していきます。そして、節目ごとに続ける可能性があるかチェックを繰り返し、段階を踏んで成長していけるよう事業を練り上げていきます。 今回授業で学んだからこそ、闇雲にチャレンジするのではなく、戦略的に動く意識と段取りができました。今後、学んだことを活かし、事業を成功させようと決意を新たにしています。 松井保仁 弁護士の仕事の中でも社会に「プラス」を生み出す仕事に携わりたいという気持ちを持ちながら、これまで企業法務や知的財産法務に取り組んできましたが、より良いベンチャー支援のためにベンチャー側・ファイナンス側双方の事情をより深く学びたいという動機から実践塾に参加させていただきました。実践塾は、その期待を裏切らないものでした。 毎回の授業の内容は高度なものでしたが、忽那先生は、我々受講生が理解するまで丁寧にご説明いただきました。私は、自分の事業がないため、株式会社ハート・オーガナイゼーションの菅原社長のご了解を得て、同期受講生の野中様と一緒に同社の新事業(Heartmeetings.com)の検討に参加させていただきました。授業で学んだことを実際のビジネスに当てはめて考えながら復習することで理解が深まりましたし、また、起業家の方々が日々どのようなことを考えてビジネスを進めておられるのかを近くで学べたことで、私の今後の仕事の仕方にも大きな変化を与えてくれたと思います。なお、実践塾受講中に、偶然、大学発シーズの事業化に関するスキーム作りのお手伝いをさせていただくことになりました。今後、ここで学ばせていただいたものを生かし、微力ながら日本のイノベーションを支えることができればと考えております。熱心にご指導いただいた忽那先生、一緒に大切な事業を検討させていただいた株式会社ハート・オーガナイゼーションの菅原社長、野中様、高宮様、最後のプレゼンに向けてご協力いただいたアシスタントの辻本様、ありがとうございました。また、一緒に学び議論しあった同期生の皆さんとの繋がりは本当に貴重なものでした。アシスタントの学生さんのサポートもいつも有り難かったです。 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 田村靖博 2012年12月に忽那先生に講義頂いた、弊社社内研修でファイナンスのいろはを学び、興味を抱き今回参加させて頂くことになりました。弊社で私が担当しているモバイル事業(携帯販売代理店業務)は、これまでは市場拡大により成長してきた業界であり、携帯キャリアの方針のもと事業を行ってきました。しかし、近年は業界の競争が激化し、事業そのものが厳しくなることが想定されます。そのようなことから今後の事業に関しては、競争力あるビジネスプランを構築しなければなりません。それが1回目の講義に「ビジネスモデルの検討」そのものでした。自社の事業に置換えて考えることで、これまでは目を向けていなかった視点からの分析、何となく分かっているけど「なるほど!」と感じる発見が多々ありました。2回目以降は「リスク分析」「価値評価」「資金調達の選択」などと、これから弊社が進むべきプロセスには不可欠な内容ばかりで、その辺の知識が殆ど無かったので、本当に為になり勉強になりました。これまではどちらかと言うと感覚的で根拠の弱い判断ではなく、誰もが納得できる戦略的な判断をしなければならないと一番強く感じました。また、近い将来IPOを目指すこと、事業拡大の選択肢としてM&Aに関する内容も非常に参考になりました。この塾で学んだことを実践で活かすことが目的なので、まだまだ理解できていないことが山ほどありますが、今回学んだことを忘れることなく継続して勉強していきます。忽那先生をはじめ、実践塾同期のみなさん、学生アシスタントのみなさん、いろいろとお世話になり本当にありがとうございました。 三嶋浩義 忽那先生、7期生の皆さま、ゼミ学生の皆さま、お疲れ様でした。本当にありがとうございました。実践塾の中では、いつも私の基礎的な質問に対して真摯にご対応をして頂きまして本当に有り難く思っています。思えば7ヶ月前の忽那先生との奇跡的な出合いが有り、そこでこの経営実践塾のことを教えて頂いたおかげでこの会に参加できました。高度な学びの場と前向きな向上心を持つ経営者、専門家の方々に出会える場を与えて頂いて深く感謝を申し上げます。これまで経営者としてまさに経験や感覚で携わって来ましたが、経営の本質の部分を学ぶことも見聞きすることもなかったことを実感し恥ずかしく思いました。今回の講座でその本質の部分であるファイナンスの知識を解りやすく要約して教えて頂きましてありがとうございました。私にはそれでも難解な内容でしたが。今後、この知識や経験を会社経営にしっかりと活かしていきたいと思います。そして私だけでなく弊社の取締役や社員がこのことを共有して社内で共通言語となった時に、会社は飛躍し大きく成長すると感じています。私自身もまだまだ理解して実践するには程遠い状態ですのでこれからも勉強を継続していきたいと思っています。忽那先生、今後とも末永くご指導の程宜しくお願い申し上げます。ご支援頂いた優秀な ゼミ生の方々の今後の活躍にも期待致しております。この度は、誠にありがとうございました。 氏名不掲載 以前から経営には興味はありましたが、ファイナンスの専門知識のない私にとって、今回の実践塾での取組みは、発見と驚きの連続であったように思います。 第1回~第3回(4~6月)は、事業で習ったビジネスプランに従い、既存事業の見直しを行いました。特にアトリビュート分析において決定的に強みがないこと、市場機会、市場環境共に厳しい状況にあり、現時点で市場が成熟期であることから、今後衰退していくに従い、既存事業も衰退していくことが明らかであることが認識できました。 第4回~第5回(7~9月)は、ディールストラクチャー、IPO等について授業で勉強する傍ら、家に持ち帰り、既存事業への危機感から既存事業とのシナジーを生かした新規事業について検討を行いました。新規事業を初めて塾生に話をした第4回授業後から、授業内容をひととおり復習し、集中的に作業にとりかかりました。ゼミ生の齊藤くんはいつも快く協力してくれ(大変感謝しています。)、一緒に検討すべき項目を明確にしながら、何度も再検討作業を続けました。新しく事業を生み出す楽しさと、実現する難しさが少しわかったように思います。 第6回では、担当グループの皆様のご協力のお陰で、なんとかの最終発表まで辿り着くことができました。発表では、初めて自分たちのビジネスプランを説明する大変よい機会となり、皆様からいただいた質問や意見を通じて、自分たちの新規事業の強みの部分の未熟さ、そしてこれから取り組み必要のある作業がはっきりしました。これも今後事業を進めるにあたり、非常に大事なアドバイスをいただいたと感謝しております。 今から思うと、実践塾の特にすばらしい点のひとつは、毎回授業のたびに、授業以外のお昼、懇親会、二次会といろいろな機会を提供いただき、忽那先生をはじめ神戸大学の優秀な学生の方々、実際に経営に携わっている方々、税理士や会計士等の士業の方々等、いろいろな分野で活躍される方々から幅広くすばらしいアドバイスをいただくことができることです。そして、その1ヶ月後に授業の内容も踏まえてブラッシュアップさせて、また意見を聞くことができる。この繰り返しは、本当に自分にとっていい経験となりました。 今回実践塾に参加したことの本来の意義は、自分たちが本当に提供したい事業を世の中に送り出すことであり、授業で習ったことを世の中で実践するこれからがまさに本番です。今後、何度も繰り返しブラッシュアップを重ねることで、必ず事業を成功させたいと思います。また、もうひとつこれも授業で習った重要な点ですが、撤退オプションも常に選択肢のひとつですので、NPVがプラスになる事業計画とし、撤退することも恐れず経営判断をしたいと思います。 忽那先生をはじめ、塾生、卒業生、学生のみなさまの後ろ姿をみていると、その仕事に対する姿勢や努力する姿を垣間見ることができ、大変刺激を受けました。お互いの事業や人生について、たくさんの意見交換を行った結果、いい仲間(人生の大先輩の方々に対して大変失礼な言い回しで恐縮ですが。)ができました。今後の皆様の活躍が楽しみであり、励みとなると共に、今後の人生の糧になる大変有意義な時間となりました。 最後に、このようなすばらしい取組みをされている忽那先生に、敬意の念を抱くと共に、感謝の気持ちでいっぱいです。今後とも実践塾の出会いを大切に、自分自身の人生も成長させていきたいと思います。まだまだ知識も経験も足りないと十分実感していますので、実践塾で学んだことを復習しながら、より理解を深め今後の事業に活かしていきたいと思います。 半年間本当にありがとうございました。今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。 菅原充 2006年4月に(株)QDレーザ(QDL)を創業し、量子ドット技術を基盤とした新しい半導体レーザの事業展開を進めてきました。実践塾受講のまとめと感想を述べさせて頂きます。当初の参加目的は、ビジネスプランとファイナンスという起業の二本柱を実践的に学び、これを通して次を行うことを想定していました:1. QDLの戦略・ビジネスモデルを再点検する。2. ビジネスモデルの確立とシーズの質向上の手法について学ぶ。3. 企業のR&D部門や政府プロジェクトとベンチャー資本の接続の仕方について考えをまとめる。結果として、1,2を講座で紹介された様々なフレームワークを通して検討し、最終プレゼンテーションにまとめることができました。各々のフレームワークを完全に使いこなせたわけではありませんが、それを活用することが事業を可視化、共有化し、さらには発展されるために極めて有効であることを認識しました。3については、現在新しい事業展開を構想する中で引き続き検討しているところで、後述の“今後の事業展開と成長戦略”において簡単に記載しました。 最終プレゼンテーション@ホテルシーガルてんぽーざん大阪、2013年9月28日について、 QDLのビジョンは、“光インタコネクトと加工・センサの二事業で新市場を創出する先進レ-ザ企業を目指す”ことです。そして、ビジョンを実現するための事業戦略は、1. コア技術(量子ドット技術と回折格子技術)の追求、2. GaAs基板を用いて任意の波長の半導体レーザを自在な提供、3. 製品を水平分業によって少量から大規模量産まで自在な供給、 によって、差異化新製品と新市場を有効に生み出すことです。現行の事業計画においては、これに基づいて、2012-2014年(第2期:量産)で営業利益を確保し、2015-2017年(第三期:成長期)で大きく成長していくことを目指しています。このような会社状況の中、プレゼンテーションにおいては、次の二つの課題を設定しました:課題1:2012-2014年(第2期:量産)で営業利益黒字化を達成するため、事業戦略と競争優位性を点検し、対処・実行事項を明確化する。課題2:2015-2017年(第三期:成長期)における成長と会社価値向上のため、事業戦略を改良し、競争優位を強化する。そのために、製品のValue Chain上の位置取りを検討・分析し、課題とアクションを策定する。 以上の課題を解決するため、次の4つの視点を設定し、フレームワークを活用した分析を試みました。分析の視点1:競争優位性:①ビジネスモデルフレームワーク、②アトリビュート分析、分析の視点2:利益構造と財務:①利益構造図、②財務モデル、分析の視点3:事業価値:①DCF法、分析の視点4:事業戦略:①マイルストーン分析。これによって次の結論を得ました。分析の視点1:競争優位性:人材と事業機会、それらの適合度、時間軸において、強みとして、1)差異化製品群と水平分業による競争力、2)現在の事業機会を活用できる人材、を認識しました。また、弱みとして、1)大企業との製品開発競争におけるリソースの不足(人物金)、2)今後の事業機会を作り出す経験と方法論が不足、が明確となり、時間の経過に伴って顕在化すると予想しました。また、アトリビュート分析によって、光インタコネクト、加工・センサ事業の各製品の肯定的立場/決定的特徴を改めて明確化するともに、否定的立場/差別化的特徴を抽出し、肯定的/基本的・決定的特徴に改善する計画を定めることができました。分析の視点2:利益構造と財務:利益構造図を作成しました。光インタコネクト事業は第2期は安定した受託開発が確保されています(量産は第3期から)、一方、加工・センサの売上は台数 x 単価のフェーズに入っており、量産レーザ製品で営業利益を確保する最初の商品 として、財務分析の対象とすることにしました。損益分岐点分析によって、事業計画通りの2014年度営業利益確保のポイントが、主要メーカ中心に開発・量産対応を進めること、ドライバボードで横展開・普及促進すること、ファンドリ組立費交渉であること、を明確にしました。分析の視点3:事業価値:2012-2017年度事業計画、2018-2020年度は年率20%成長としたFCFに基づき、Terminal Value 87.7億円、事業価値61.7億円、IRR20%と仮に算出しました。後述の“今後の事業展開と成長戦略”と合わせ、今後、事業価値分析がより大切になっていくと考えています。分析の視点4:成長戦略を構想する上で、Value Chainの下流へ展開し、1. コア技術を摺合せてモジュール化し、2. 顧客がモジュールを組み上げて作る最終製品の設計と制御を公開・提供し、3. 横展開と標準化を進めて業界をコントロールする、 ことが重要と認識しています。この考えに基づいて、その仕組みと体制、(不完全ながら)マイルストンと必要資金、リアルオプションを設定し、NPVを算出しました。光インタコネクト事業では、光トランシーバチップ(量子ドットレーザ+シリコン光回路)によって、100-300Gb/s低消費電力高速光源で通信モジュール業界をリードする、また、加工事業では短パルスシードレーザ光ブロック(<20ps)+ドライバ+ファイバ増幅器+フィルタ)で超精密加工用短パルスレーザ業界をリードする構想を描きました。 課題図書:ブレークスルー・カンパニー 数多くの課題図書を推薦頂きましたが、ブレークスルー・カンパニー、が私には最も有益でした。“同じことをこつこつやるが成功の道ではない”という主張が根底にあり、起業レベルを超えてブレークスルーする可能性を最大にする方法が語られていました: ・足場、つまり社外リソースのネットワークを築くこと、それが会社を次のレベルに押し上げてくれる。・ホットな市場にあってその市場を支配する方法、活力の失われた瀕死の市場にあってそこを魅力ある市場によみがえらせる方法を見つける。・会社を戦略的に正しい位置につけるためにはどんな賭けをしなければいけないかを決め、それから資金調達を考える。・歩き出したばかりでも、いつか重要な会社になると思うことが大事。 成長戦略: 今後の成長戦略は上記の分析の視点4の構想を基本的考え方とします。“ブレークスルー・カンパニー”の実践と言えるかもしれません。実践塾での検討と並行して検討を進めてきましたが、この数か月の動きで下図の枠組みが現実化する可能性がでてきました(詳細は記載できませんが)。この構想では、最上流のQDLの半導体レーザ製品を技術コアとして、摺合せが及ぶところまで下流展開することによって事業競争力と付加価値を最大化することを狙います。光インタコネクト、加工に加え、QDLの秘密兵器“レーザアイウエア”もいよいよ登場間近です。日程としては、FY2013 3Q:事業計画作成、資本政策作成、体制、方針固め(人物金時間)、資金調達活動開始。FY2013 4Q-FY2014 1Q:投資契約、雇用契約、知財実施許諾契約、設立 となります。FY2013 3Qのうちに、これが“戦略的に正しい位置づけ”かを分析するのが大事です。構想を実現する過程での困難、障害はこれまでの経験である程度予想つきますが、事業の成功だけではなく、起業家の権利を守る資本政策を初めから精密に設計していくことを意識したいと考えています。 感想:インテルの現社長がインタビューの中で、“私は生涯のキャリアの中で、経営の講座を受講したことはない”と言ってしました。が、今回の実践塾を受講して、理論とフレームワークで経営を洗い直すことが、足元を見つめ、改善し、未来を構想することの強力な助けになることを認識しました。 先生の素晴らしい講義とカリキュラム、学生の皆様・参加者の方々の御支援、御協力に感謝します。 先生には上記の成長戦略構想につき、是非アドバイスを頂きに伺いたいと思っています。 今後ともどうぞよろしくお願い致します。
(1)アントレプレナー(御社のCFOを含む)
【参考図書】 ■リチャード・L・スミス、ジャネット・K・スミス著(山本一彦総監訳、岸本光永、忽那憲治監訳)『アントレプレナー・ファイナンス』中央経済社、2004年。 ■忽那憲治、長谷川博和、山本一彦編著『ベンチャーキャピタル ハンドブック』中央経済社、2006年。 ■忽那憲治『IPO市場の価格形成』中央経済社、2008年。 ■忽那憲治『中小企業が再生できる8つのノウハウ』朝日新聞出版、2010年。
グループ討議 4名程度で1グループを編成し、個別講義で習得した基礎知識を元にして、講師が設定したテーマについて分析・意見交換を行います。 議論するテーマについては、講師が当日設定します。
全体討議 グループ討議を受けて、全体討議を行います。
募集人数 アントレプレナー、財務担当役員(CFO)、新規事業担当者、ベンチャーキャピタリスト、コンサルタント、税理士・会計士、弁護士他 合計10名程度 費用 参加費 1人20万円(消費税別) ※初回開始までに全額納入をお願いします。 必要書類 以下3点を添えて申込をお願いいたします。 (1)履歴書 (2)参加動機(A41枚程度) (3)事業内容がわかる会社パンフレットもしくはウェブのアドレス 申込期限 2013年3月22日(金) 修了証書 アントレプレナーファイナンス実践塾の修了者には、現代経営研究所から修了証書を授与します。 事務局 : 特定非営利活動法人 現代経営学研究所(RIAM) 神戸市灘区六甲台町2-1 神戸大学経営学研究科第3学舎内 担当:若命(わかめい) E-mail:bi@riam.jp TEL:078-803-6985 FAX:078-805-1624
現代経営学研究所(RIAM)の詳細は、HP<http://www.riam.jp/>をご参照下さい。