2025年度において、地域創生と観光経営研究教育センターでは、4つの研究プロジェクトを推進いたしました。

各研究プロジェクトの詳細につきましては、以下に掲示しますので、宜しければ是非ご確認ください。

ツーリズムで日本固有の伝統と文化を掘り起こす:産学連携を通じて収益化を目指す実証実験

メンバー:吉田満梨(神戸大学)、桑田敬太郎(大阪産業大学)、宮尾学(神戸大学)、松嶋登(神戸大学)、金信行(北陸大学)

 本プロジェクトでは、日本各地に偏在する固有の伝統や文化に着目し、産学連携を通じて収益化を図るツーリズムの実証実験を実施することを目的としています。

 第一に、日本の伝統文化を地域のコンテキストとを融合したツーリズムの開発を目指します。日本には、古来から様々な伝統文化があります。例えば、着物や和食、日本酒、武道、芸能など、実はそれらは地域の生活に根ざして作り上げられたものであり、各地域によって様々な特徴の違いがみられます。本プロジェクトでは、日本の伝統、文化を育んできた地域を訪れ、直に体験するツーリズムの開発を目指します。

 第二に、日本遺産を基軸としたツーリズムを目指します。日本遺産とは、歴史的魅力や特色を通じて日本の文化、伝統を語る物語を文化庁が認定するものです。世界遺産登録や文化財指定は、いずれも登録、指定される文化財の価値付けを行い、保護を担保することを目的としているのに対して、日本遺産は、地域に点在する遺産を活用し、発信することで、地域活性化を図ることを目的としています。現在は、出雲國たたら風土記やカムイと生きる上川アイヌなど105の物語が日本遺産として登録されています。本プロジェクトでは、日本遺産という物語をツーリズムとして収益化を目指した実証実験を行うとともに、後世に語り継ぐために社会実装する取り組みも行なっていく予定です。

 第三に、日本固有のコンテンツ産業とコラボレーションしたツーリズムを目指します。日本固有のコンテンツとしては、アニメ、ゲーム、漫画などがあげられ、これまでも、コンテンツ産業とツーリズムとしては、聖地巡礼と称して取り上げられてきました。代表的な聖地巡礼としては、らき☆すたの埼玉県幸手市、ガールズ&パンツァーの茨城県東茨城郡大洗町などがあげられます。こうした聖地巡礼は、ファンが個人的にコンテンツに関する地域を調べ上げ聖地として祭り上げていましたが、近年ではコンテンツ産業が地域と積極的に関わりをもつことにより、聖地巡礼や地域活性化を初めから目指したコンテンツ制作が始められております。本プロジェクトでは、既存の聖地巡礼とは一線を画し、聖地巡礼を含んだコンテンツに注目し、収益化を目指したツーリズムの実証実験をしていく予定です。

 第四にアートとツーリズムをつなげるプロジェクトを推進していく予定です。本プロジェクトを推進していく手がかりとして、2024年7月に名古屋大学と金沢21世紀美術館との共催で開かれた、「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」というシンポジウムがあげられます。このシンポジウムのきっかけとなった開館20周年記念展覧会では、人間社会と自然が混淆することで生じた地球社会の生態系や文化状況を、アート作品の展示によって可視化するという挑戦的な試みがなされました。本プロジェクでは、日本の伝統や文化を、ダンス、歌、絵画など様々な表現形式を通じてアートとして表現し、そこにツーリズムを掛け合わせたアート・ツーリズムを新たに開発し、社会実装していく予定です。より具体的には、人間、社会、自然の来歴を辿り直し、未来を構想するだけではなく、それらをアートとして実際に表現し、考えるということを基軸にしたツーリズムを開発し、社会実装していく予定です。  本プロジェクトに関しては、日本の伝統文化に関しては吉田、日本遺産を基軸としたツーリズム開発は桑田、コンテンツ産業とツーリズムに関しては宮尾と岡本、アート・ツーリズムに関しては松嶋と金がパイロット調査を進めています。以上のように、本プロジェクトは、日本の各地域が育む我が国固有の伝統文化を基盤としたツーリズムを、産学連携を通じて収益化を目指し、社会実装するための実証実験に着手する挑戦的な試みのプロジェクトであると考えております。

日本の豊かな自然環境に着目したオルタナティブ・ツーリズムの探索的研究:グリーンツーリズム,アグリツーリズム,アドベンチャーツーリズムへの経営学的接近

メンバー:中川周大(神戸大学大学院 博士課程後期課程)、松嶋登(神戸大学)

 現代ツーリズムのあり方は、マスツーリズムからオルタナティブツーリズムへと変化してきています。マスツーリズムは20世紀後半に急速に普及し、経済効果をもたらす一方で、自然環境の破壊、観光地の過密化などの問題を引き起こしてきました。また、パッケージ化された一律的な観光体験は、旅行者にとって画一的な経験となりがちでした。これに対する反省から登場したのがオルタナティブツーリズムです。オルタナティブツーリズムについての定義は様々ですが、Smith & Eadington(1992)はオルタナティブツーリズムを「自然、社会、地域の価値観と調和し、ホストとゲストの双方が前向きで、価値ある交流を享受できる観光の形」(p. 3)と定義し、地域住民と観光客の双方に利益のあるものとしてツーリズムを捉えました。また、Wearing et al.(2000)はオルタナティブツーリズムを体験という観点から捉え、画一的な体験ではなく、観光客が求める本物に出会い、これまでとは異なったツーリズムの実現と同時に、観光客と地域住民が相互に交流できる楽しい場所を実現するものとしてツーリズムを考えています(pp. 36-46)。

 自分だけの体験であり、観光客と地域にとって有意義なツーリズムが求められているのだとすれば、我が国が提供できる固有のツーリズムとは何でしょうか。それは日本の自然に他ならなりません。日本は国土面積の三分の二が森林であり、世界的に見てもこれほど手つかずの自然が残っているのは珍しいです。また、自然環境が豊かであるからこそ、日本の第一次産業は盛んです。日本の森林資源や水産資源は、その質と多様性において世界に誇るべきものであり、四季折々の豊かな自然環境の恩恵を受けております。さらに、農業や狩猟といった第一次産業も、日本各地の風土と密接に結びつきながら、人々の暮らしの中で脈々と受け継がれてきました。これらの自然環境と産業は、単なる生産活動にとどまらず、持続可能な社会の実現や、自然と共生するライフスタイルの再構築、さらには地域固有の魅力を体験型コンテンツとして観光資源化するうえでも、極めて大きな可能性を秘めております。

 我が国の社会政策としても、自然環境の保全活動を通じて、住民の環境意識を高め、世代を超えた学びと交流の場を創出する市民参加型の整備事業が行われています。具体的に、神戸市も1995年より「六甲山系グリーンベルト整備事業」[1]を行っており、整備事業において市民の参加を促す体験プログラムを提供しています。これはまさしくツーリズムの一環にほかならず、本プロジェクトは、その社会政策に位置しており、社会課題を解決しながら、自然と共生する体験ができるオルタナティブツーリズムとして、次の三つのツーリズムに注目し、経営学理論を援用しながら探索的に研究していきます。

 第一に、グリーンツーリズムです。グリーンツーリズムとは、緑豊かな農村地域において、その自然、文化、人々との交流を楽しむ、滞在型の余暇活動です。日本はこれほどの自然に恵まれているにもかかわらず、自然環境を活かし、農村地域とともに時を過ごすツーリズムは少ないというのが現状です。それは本学に近接する六甲山も例外ではありません。本プロジェクトは、未活用となっている六甲山に眠る自然資源を活用したり、人々の暮らしの中で受け継がれてきた第一次産業を体験するツーリズムを計画することで、地域交流や新たな担い手の掘り起こしの促進といった地域創生に資するツーリズム形態を経営学的視点から探索的に研究するプロジェクトを進めていきます。

 第二に、アグリツーリズムです。アグリツーリズムとは都市に住む人々が、地方の農村や農場へと旅行し一定期間、滞在して農業体験や農村の文化を楽しむ観光形態です。グリーンツーリズムとは異なり、アグリツーリズムは、農業関連体験に限定されています。日本は自然環境が豊かな一方で、人間の手がその整備に追い付いていないのが現状です。少子高齢化に伴い、農業の担い手がいなくなることで、耕作放棄地が増えてしまったり、野生動物にとって住みやすい環境となっていることから、獣害問題が発生し、農業に大きな被害が起こっております。本プロジェクトでは、農業にまつわる少子高齢化による担い手不足や、獣害問題に貢献するツーリズム開発を試みます。ただ単に農業体験のツーリズムを開発するだけでなく、就農資格が得られる農業体験のツーリズムや、廃棄されている未活用の有害駆除動物を使って解体や毛皮なめし体験などの体験型ツーリズムといったツーリズム開発を計画することで、社会課題につながるツーリズム形態を経営学的視点から探索的に研究するプロジェクトを進めていきます。

 第三に、アドベンチャーツーリズムです。アドベンチャーツーリズムとは、旅行者が地域独自の自然や地域のありのままの文化を、地域の方々とともに体験し、旅行者自身の自己変革・成長の実現を目的とする旅行形態です。代表例として、登山や沢登り、マウンテンバイクやラフティングが挙げられます。一見アドベンチャーツーリズムは、自然体験型のアクティビティに見えるかもしれません。しかし、本プロジェクトは、アドベンチャーツーリズムを意識的・無意識的にも社会課題に貢献するツーリズムだと位置づけています。例えば、マウンテンバイクは単に山の中を駆け抜けるアクティビティに見えるかもしれませんが、コースのために林道を整備する必要があり、その整備は放置竹林や里山保全に大きな貢献をしております。また、六甲山の登山においても、登山客のために休憩所として点在する茶屋が地域交流や、登山客による登山客のためのイベント開催の場につながることから地域活性化に貢献しております。本プロジェクトでは、アドベンチャーツーリズムを単なるアクティビティして捉えるのではなく、地域創生という切り口でアクティビティを捉えることで、同じ活動内容であるにもかかわらず、それが知らないうちに地域創生につながるツーリズムとしてアドベンチャーツーリズムを捉え直していきます。そして、単なるアクティビティが無意識的に地域創生につながるツーリズムを経営学的視点から探索的に研究するプロジェクトを進めていきます。

 以上のように本プロジェクトは、単に現代的なツーリズムの分析だけでなく、現代の観光客のニーズに対応しつつ、地域創生という切り口から、自然環境や第一次産業が抱える課題解決を通じた我が国独自の新たなツーリズムを経営学的視点から分析し、探索的に開発する研究プロジェクトとして立ち上げます。

[1] 兵庫県ホームページ・六甲山系グリーンベルト事業について[https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks15/ks15_0000001.html]

Smith, V. L. & Eadington, W. R.(1992)“Introduction: The Emergence of Alternative Forms of Tourism,” in Smith, V. L. and Eadington, W. R. (eds.) Tourism Alternatives: Potentials and Problems in the Development of Tourism, University of Pennsylvania Press, pp. 1–12.

Wearing, D., Stevanson, D. & Young, T. (2010) Tourist Cultures: Identity, Place and Traveller, Los Angels : Sage.

学生イニシアティブで推進する「こどもMBA(Mountain Based Activities)」を通じた,社会課題の解決に挑む地域団体と連携した体験型環境教育プログラムの開発と,ツーリズム商品としての収益化に向けた大学院教育体制の整備

メンバー:松嶋登(神戸大学),小田展正(神戸大学),中川周大(神戸大学大学院 博士課程後期課程),鵜丹谷瑛(神戸大学大学院 博士課程後期課程)

 本研究プロジェクトは,大学が地域連携の拠点として期待されている点に注目し,様々なバックグラウンドや専門性を持つ学生が主体となり,地域の子育て世帯に体験型の環境教育プログラムを提供する「こどもMBA」を設立し,また,社会課題の解決に挑む地域団体との連携を通じて,社会課題の解決に資するツーリズム商品としての収益化に向けた産学連携を推進していくことにあります.

 本研究プロジェクトは,経営学研究科で行っている研究教育活動で行っている挑戦とリンクしています.

 第一に,神戸大学経営学部は,1902年に創立された神戸高等商業学校を起源とし, MBAも全国に先駆けて国立大学としては初めてとなる1989年に誕生し,2003年に専門職大学院(現代経営学専攻)として再編成されてきました.神戸大学MBAの特徴は、年末年始以外ノンストップで走り続ける教育プログラムにあります。これは勤務を続けながら土曜日のみ、1年半で卒業できるようにするためです。また,授業はプロジェクト形式で提供されるものが中心となり,授業時間以外でのグループワークなどにも多大な時間が費やす必要があります.

 それゆえに,神戸大学MBAへの進学は,職場はもちろん,特に子育て世帯である30代を中心とした学生にとっては,家族に対する理解も必須となっていたわけですが,潜在的にワーク・ライフ・コンフリクトが課題として残され,家族に対しても「後ろめたさ」を感じてきたことは,かつてより指摘されてきたことでした.昨今の働き方改革のもとでこうした状況を放置することは,神戸大学MBAを志す優秀な社会人を取りこぼしてしまうだけではなく,ワーク・ライフ・バランスの重要性を論じてきた経営学を教える大学としても放置すべき課題ではありません.

そして,この問題は,神戸大学MBAに限ったことではなく,教職員や学生,さらに近隣に住む地域の方についても同様です.神戸大学経営学研究科の教員は,地域と連携した研究教育活動にも積極的に関わってきた実績を持ち(地域連携事業のポスターじゃない方の報告書本体をアップしてリンクをはる),本研究プロジェクトは,社会課題の解決に挑む地域団体とも連携しながら,地域に対して幅広く提供する体験型の環境教育プログラムの開発を目指します.

 第二に,経営学研究科には,多様なバックグラウンドを持つ学生が存在することです.具体的には,まず,神戸大学MBAに通う社会人大学院生です.彼らは,豊富な実務経験を持つことはもちろん,博士号を取得している専門性を有した学生も少なくない.また,一学年69人の定員のうち,30代を中心としており,自らも子育て世帯の学生が多く,子ども向けの地域連携活動に対して十分な理解と参加意欲を持っています.さらには,同窓会組織であるMBAカフェも,現役MBA学生をバックアップしようとする熱意を持っていることから,本研究プロジェクトを積極的に支援してくれることでしょう.

 社会人大学院生ばかりではありません.本学の一般大学院生も,本研究プロジェクトに積極的に参加します.神戸大学経営学研究科・経営学部は、「学理と実際の調和」という建学の理念の下、神戸高等商業学校の伝統ある系譜を汲み、産学連携をとりわけ強く意識しつつ産業界をリードする人材の養成を手がけてきました。経営学という学問領域の特性もあり、研究者は企業等での最先端の事象を取り入れ実証研究を行い、産業界はその研究成果を企業活動に活用できるというように両者が一体化され、運用される工夫が着実に積み重ねられてきました。こうした学界と産業界の連携は、本研究科の目指す産業社会との相互協力と相互批判を通じて研究を進め、その成果を学内外で教育するとともに社会還元していくという「オープン・アカデミズム」という理念によって端的に表現されています(神戸大学大学院経営学研究科・経営学部ウェブサイトhttps://b.kobe-u.ac.jp/about/factbook/より)。本研究プロジェクトは,本学が目指す経営学研究の新たなプラットフォームになるでしょう.

 第三に,地域創生と観光経営研究教育センターが連携大学院講座として提供する演習科目および対話型ビジネス価値共創人材養成プログラム(BVCCプログラム)の教育プログラムによって,産学連携ないし大学発の起業家育成を本気で目指すことです.学生イニシアティブで推進していくこどもMBAですが,学生に任せきりで収益につながるツーリズム商品の開発につながるわけではありません.そのためには,しっかりとした産学連携とこれを支援する授業や演習科目の提供が必要になるでしょう.翻って,こうした支援ができることが,大学の強みでもあります.

 地域創生と観光経営研究教育センターでは,こうした学生のチャレンジの支援につながる多様な授業科目を用意しています.まず,2025年7月23日には,地域創生と観光経営研究教育センター初航海シンポジウム「クルーズ船「飛鳥」で仕掛ける地域イノベーションの新たなスキーム:企業家,地域金融そして大学は何ができるか」を開催し,経営学部の全1年生ほか,多様な学生に対して基本的な考え方を伝えます.他に,本センターは,連携大学院として演習科目を開講し.サステイナブル・ツーリズムで著名なクイーンズランド大学(オーストラリア)の研究者が,産学連携事業のハッカソンとして並走する演習プログラムの開講も予定しており,授業を通じてこどもMBAで生まれた成果をツーリズム商品として開発していく体制が整えていくことになる.

 また,経営学研究科では,令和5年度にBVCCプログラム(文部科学省・人文・社会科学系ネットワーク型大学院構築事業「地域/社会課題を解決する対話型ビジネス価値共創人材養成のための価値創発から社会実装までの一貫教育プログラム」)が採択され,令和7年度には地域創生と観光経営研究教育センターが立ち上がり,地域課題の解決に向けた活動を行う団体や個人とのネットワークを構築してきました.地域創生と観光経営研究教育センターはBVCCプログラムとも連携し,学生自身による起業への支援を含めた独自のカリキュラムを提供していきます.

経営学の研究・教育に基づく地域連携の実践と社会課題の解決

メンバー:内田浩史、髙田知実、原泰史、松嶋登

本研究プロジェクトは,神戸大学大学院経営学研究科の教員が主体となり、自らの研究・教育を通じて得られた知見を活かし、地域と連携した研究・教育(授業やゼミなど)・社会活動の実践を通じて、学生や市民の方々と共に社会課題の解決を目指すプロジェクトです。

神戸大学大学院経営学研究科は、日本の経営学のトップスクールとして、最先端の経営学研究を行う教員を擁している組織ですが、そうした教員の中には授業やゼミ、あるいはその他の社会貢献活動など、様々な形で地域連携活動を行っている者がいます。こうした教員は、自らの専門を活かし、あるいはそうした専門に留まらず、経営学の様々な分野の研究・教育から得られた知見を活かして活動を行っています。また、その活動自体が経営学の新たな発展にフィードバックされることもあります。このため、こうした教員たちの活動は、他の分野の大学教員が行う地域連携とは違った、神戸大学大学院経営学研究科の教員ならではの(神戸経営流の)地域連携、経営学ベースの地域連携、と呼ぶことができます。

神戸経営地域連携プロジェクトは、こうした実践を行っている教員をメンバーとし、神戸経営ならではの地域連携の取り組みをとりまとめ、さらに推進していくためのプロジェクトです。本プロジェクトでは、地域創生と観光経営研究教育センターの支援の下、メンバーが互いに協力しながら社会課題の解決を目指すことで、個々の取り組みを通じてメンバーが、さらにはそうした取り組みを全体として支援することで研究科全体が、地域に貢献し、社会課題の解決に寄与することを目的としています。

本プロジェクトの具体的な取り組み

本プロジェクトでは、メンバーが行ってきた以下のような活動を通じて培ってきた地域連携の枠組みを活かし、これまでの活動を進化させるとともに、新たな取り組みも随時加え、様々な形でセンターからのサポートを行いながら、地域連携の更なる取組を推進します。

神戸市地域課題解決プロジェクト

担当:内田(専門:金融・地域金融・ソーシャルビジネス/ファイナンス)

社会課題・地域課題の解決を目指すNPO法人や社会的企業(ソーシャルビジネス)、地域活動を行う団体や個人、行政と連携し、2020年から継続的に行い、進化させている取り組み。企業経営の現場で商品・サービス開発などに用いられる「デザイン思考」のアプローチ、あるいはソーシャルセクターで用いられる経営のためのツール(ロジックモデルやセオリーオブチェンジなど)などを用い、社会や地域の課題を当事者の立場に立って解決することを目指す。

これまでの主な連携先

ソーシャルビジネス:NPO法人まなびと、KIKKAKE PLACE(㈱スクリーフ)、NPO法人つなげる

地域活動団体・個人:脇の浜ふれあいのまちづくり協議会(神戸市中央区)、平野地域子ども会(神戸市兵庫区)、長田区福祉協議会、神戸市灘区の民生委員の方々

行政:神戸市(神戸市役所、長田区役所、中央区役所、兵庫区役所)、神戸市立新長田図書館

財務諸表から社会を読み解くプロジェクト

担当:髙田(専門:会計)

地域の学校や非営利団体と連携し、小学生から高校生(学齢期の子どもたち)を対象とした財務諸表分析プログラムを実施。この取り組みは、基本的な財務諸表分析スキルを習得するだけでなく、社会で起きる様々な出来事が企業活動にどう影響するかを、子どもたち自身が探求的に考えられるようになることを目指している。

これまでの主な連携先

KOBE Co CREATION CENTER(神戸市中央区)、デザイン・クリエイティブセンター神戸(神戸市中央区)、松蔭中学校・松蔭高等学校(神戸市灘区)、神戸市立鶴甲小学校(神戸市灘区)、株式会社マネイク(伊丹市)、ナレッジキャピタル(大阪市北区)、三菱UFJ銀行神戸支店(神戸市中央区)

地域イノベーション創生プロジェクト

担当:原(専門:イノベーション・産業組織論)

地域のNPO・企業と協力し、異なるコミュニティに属する人々が交流することによる新たな知識の創発の可能性やデータに基づく解析結果をコミュニティの形成に活かす取り組みを実施。イノベーションの源泉たる、様々なバックグランドに属する人々が集うことで新たな知を生み出す取組や、最適な方法論について検討する。

これまでの主な連携先

特定非営利活動法人リベルタ学舎(神戸市中央区)、なりわいカンパニー株式会社(神戸市中央区)、株式会社小池農園こめハウス(神戸市西区)、株式会社monamie(神戸市中央区)

地域学校協働活動プロジェクト

担当:松嶋(専門:経営組織・イノベーション)

六甲山上の地域学校協働活動として,六甲山の豊かな自然環境を生かした環境教育プログラムの開発を通じて、環境問題へ取り組む多様な団体の関与を通じた地域活性化を推進。六甲山の麓に所在する神戸大学で環境問題へ取り組む研究者や学生と領域横断的に取り組むとともに、地域で活動されている様々な専門家とも連携し、「山の子エコロゴス(環境問題にまつわる叡智が集まるアカデミア)」を実施してきた。今後は,担い手を神戸大学MBAに通う社会人院生に広げ,様々な職歴と専門性を活かした体験型の環境学習プログラムを提供する「こどもMBA(Mountain Based Activities)」へと発展させていく.

これまでの主な連携先

祇園景⼦・神⼾⼤学⼤学院医学研究科/バリュースクール(特命教授),塚原東吾・神⼾⼤学国際⽂化学研究科(教授),源利⽂・神⼾⼤学⼈間発達環境学研究科(教授), 佐賀達⽮・神⼾⼤学⼈間発達環境学研究科(助教),遠藤周作(兵庫県立人と自然の博物館,はる共育デザイン代表),山口寛人(NPO法人オルタナティブ・ビレッジ代表),谷口育史(NPO法人オルタナティブ・ビレッジ,姫路大学教育学部OB),西龍治(ヒューテック株式会社,兵庫県猟友会),糸井健太(六甲山カフェ),神戸大学環境サークル「えこふる」,兵庫県立農林水産技術総合センター,灘消防署消防防災課,六甲山ふれあいのまちづくり協議会,地域学校協働本部六甲山の子会など多数.