神戸経営DSPセミナーを開催します
1月23日(木)に、神戸経営DSPセミナー「行列分解型因子分析の新展開 -構造方程式モデリング・因子得点の不定性・同定アルゴリズム-」を開催します。
ご興味のある先生方や院生の皆様のご参加をお待ちしております。
日時
2025年1月23日(木)15:10~16:40
講演者
山下直人 氏(関西大学 社会学部)
タイトル
行列分解型因子分析の新展開 -構造方程式モデリング・因子得点の不定性・同定アルゴリズム-
概要
因子分析は,心理学をはじめとした多くの分野で標準的に用いられる多変量データ解析法として知られている.因子分析の標準的な定式化では,種々の仮定のもとで,因子分析モデルから導かれる共分散構造と,標本共分散行列との乖離を最小化するように,モデルが含むパラメータを推定する.一方,この定式化とは異なる因子分析が,行列分解型因子分析(Matrix Decomposition Factor Analysis; MDFA)として近年提案された.MDFAでは因子分析モデルをデータ行列に対して直接適合させることにより,パラメータを推定する点で,一般的な因子分析とは異なる.
本発表では,MDFAの定式化,パラメータ推定アルゴリズム,性質の概要を紹介する.その上で,MDFAに関する新たな研究動向として,2つのトピックを紹介する.一つ目は,MDFAに基づく構造方程式モデリングの方法である,行列分解型構造方程式モデリング(Matrix Decomposition Structural Equation Modeling; MDSEM)である.MDSEMは,MDFAと同様に,モデルをデータ行列に直接適合させる点で特徴的であり,不適解を出力しないなどの有用な性質を有する.二つ目は,因子得点の同定に関する方法である.因子分析モデルの特徴的な性質の一つとして,各個体の因子得点を一意に定めることができないという,因子得点の不定性が知られている.本発表では,外的基準を用いた回帰により,因子得点を一意に定めることのできる方法を紹介する.
実は,MDSEMを含むこれらの方法は,罰則付き因子分析の手法として統一的に記述することができる.すなわち,因子得点の不定性を,因子得点に関する罰則によって制限することにより,因子間の回帰を含むモデリングや,因子得点の同定を可能にしている.この点に関連して,因子得点の不定性に関する新たな結果を紹介した上で,今後の研究の方向性について述べる.
会場
六甲台第1キャンパス 本館2階 I210教室
開催方法
対面開催(希望者によりオンラインでの対応あり)
言語
日本語
参加申込方法
下記URLよりお申し込みください。
https://forms.gle/AYtWS1GDf94pPyes8
問い合わせ先
分寺杏介 准教授(神戸大学大学院経営学研究科)
bunji[at]bear.kobe-u.ac.jp