J.P. コッター ビジネス・リーダー論
著者名 | J.P.コッター 著 金井壽宏 加護野忠男 谷光太郎 宇田川富秋 訳 |
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タイトル | J.P. コッター ビジネス・リーダー論 |
出版社 | ダイヤモンド社 2009年3月 |
価格 | 2200円 税別 |
書評
今では組織行動論の重鎮のジョン・P・コッターですが、彼の経営学者としての実質的処女作が本書です。ながらくハーバード・ビジネス・スクールの組織論分野の看板教授で、今は名誉教授です。これに先立ち、同じくハーバードのポール・ローレンスとの共著、『市長の実際の姿(Mayors in Action)』がありますが、このときのアイデアや方法を企業の事業部長レベルに適用したものです。後々、多数の書籍を著すことになるコッターのかなりの部分のアイデアの萌芽が、この著作にあります。
訳者である金井は、組織行動論の経営学者として、どうすれば組織行動論の諸テーマを、経営幹部、さらにはCEOを含む経営者にまでなるようなひとにも役立つようなレベルに昇華できるか、自分なりにも探索中ですが、そのヒントもこの書籍のなかにいっぱいあります。また、この書籍を手にされる読者は、若いときにこれをご覧になったとしても、事業部長レベルのゼネラル・マネジャーの実際の姿が、ビビッドにわかることでしょう。彼らがいったい、どのような発想と行動でリーダーシップを発揮し、日常行動における時間配分はどのような姿になっているのかを映し出す好著だと、わたしも一読者として20代で初めて読んだときに思いました。
この書籍は、約30年前に、わたしが初めて先輩格の先生と、先輩格の力のある実務家と翻訳に携わった書籍で、原著は名著の誉れがあるのに、日本語訳がながらく絶版になっていたので、新訳新装で、出版されることになったことを喜んでいます。神戸大学のMBAでも、組織行動論(Organizational Behavior、OB)を、経営幹部向け組織行動論(Executive OB: EOB)に、進化・深化、衣替えしていく模索期にありますので、訳者である自分自身も、あらためてよく参考にしています。どうか、再び、広く受け入れられますように。
目次
第1章 調査の概要
第2章 ゼネラル・マネジャーの仕事―主な課題―
第3章 ゼネラル・マネジャーの人物像―個人特性と経歴特性―
第4章 ゼネラル・マネジャーの行動の共通点―アジェンダとネットワーク―
第5章 ゼネラル・マネジャーの行動の相違点―人物像を探る―
第6章 ゼネラル・マネジャーの業績向上への教訓