時代を拓く キャリア開発とキャリア・カウンセリング-内的キャリアの意味(E.H.シャイン博士 講演会&シンポジウム<対訳>)
著者名 | E.H.シャイン 金井壽宏 渡邊三枝子 横山哲夫 木村周 今野能志 小澤康司 |
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タイトル | 時代を拓く キャリア開発とキャリア・カウンセリング-内的キャリアの意味(E.H.シャイン博士 講演会&シンポジウム<対訳>) |
出版社 | 特定非営利活動法人 日本キャリア・カウンセリング研究会 2007年11月 |
価格 | 2667円 税別 |
書評
キャリア研究の重鎮のひとり、エドガー・H.シャイン教授が、昨年来日し、11月19日と21日に、それぞれ東京と大阪で講演をされました。シャイン先生は、いずれの会場においても、「キャリア・アンカーおよび職務・役割プランニング」というテーマで基調講演をされ、さらに、それに引き続き、東京では、「日本とアメリカにおけるキャリア意識(の違い)」、大阪では、「組織と個人の関係から(内的キャリアを考える)」というテーマでシンポジウムが開かれました。シャイン先生のほかの登壇者は、前者では、横山哲夫氏、渡邊三枝子氏、および金井で、後者では、木村周氏、今野能志氏、および金井でした――日本人ではただひとりの直接の弟子ですので、わたくしだけ両方の会合に呼ばれ、違うテーマで話題提供と議論への参加をさせていただきました。
会合そのものは、日本キャリア・カウンセリング研究会(JCC)の主催で、シャイン先生にとっては、4度目の来日でした。初回は、シンガポールの経済産業局の組織文化の本を書くために同国に行く途上、プライベートで奥様のメアリーと日本によられ、2回目も、特に講演会などなく、ご夫婦を奈良にお連れしました。3回目、つまり前回の来日は、2000年5月のことです。経営行動科学学会(JAAS)の招聘で、その折には、神戸大学大学院経営学研究科にゆかりの現代経営学研究所(当時、現代経営学研究学会)主催、神鋼ヒューマン・クリエート共催で、神戸においても講演をしていただき、テーマは、組織文化についてでした。
今回は、これまで関連はあるが別々に扱われがちだったキャリア・アンカー(キャリアの拠り所)と、戦略的な職務役割分析(キャリア・サバイバルとも呼ばれ、今いる職務状況の仕事上のネットワークにおける自分の役割遂行における適合度合いの分析)の両方を統合的に論じるのが主眼でした。主催者JCCの強い意志、意向もあり、キャリアの客観的・外的側面(そのひとのキャリアが履歴書でどう書かれるか)でなく、内的な意味合いでのキャリア(そのひと本人がそれをどう意味づけているか)に焦点をすえて議論しました。
参加者しかふれられないと残念だと思う間もなく、出版企画がもちあがり、1500冊という限定部数ですが、JCCの会員、非会員を問わず、頒布されることになりました。
詳細はこちらをご覧下さい。
URL: http://www.npo-jcc.org/(JCC10周年記念事業、シャイン博士シンポジウム報告をクリック)
PDF:http://www.npo-jcc.org/library/schein/schein-recording.pdf(なお、これも限定された枚数だと思われますが、当日のDVDも発売されるようです。)
目次
第一章 社長の危機
第二章 社長の存在感
第三章 社長の哲学
第四章 社長の苦悩
第五章 社長の条件
第六章 社長の進化