営業が変わる-顧客関係のマネジメント


著者名 石井淳蔵
タイトル 営業が変わる-顧客関係のマネジメント
出版社 岩波アクティブ文庫 2004年6月
価格 819円 税別

書評

「営業」というと、皆さんは、どんなイメージをお持ちですか。新劇の名優、滝沢修のあたり芸の1つであった「あるセールスマンの死」を思い出す方はさすがに少ないでしょうが、オフィスに営業マン1人1人の売上ノルマと売上実績が棒グラフで示されている光景を思い浮かべる方とか、誰彼かまわず訪問する「飛び込み営業」なんて言葉を思い出す方もいるかもしれません。

そう聞くと、いかにも辛そうな仕事ですが、しかし、先進的な企業における営業の役割・ミッションは大きく変わってきています。一番、劇的な変化は、営業は「商品を売り込む仕事ではない」という考えです。では、営業は何をするのかと、不思議に聞こえるかもしれません。

営業のミッションとは、「お客さんとの関係を構築し、維持する仕事だ」です。「売る仕事」と「関係を作る仕事」とは、似ているようですが違います。関係を作る仕事には、営業マン1人1人に売上ノルマはありません。営業マンの仕事は、お客さんの問題をスムースに解決することです。お客さんに、新しい価値を提案することです。それによって、どれだけの売上高や利益があがるかは、営業マンの責任ではなく、マネジャーの仕事であり責任です。

プロ野球チームを考えてみるとわかりやすいと思います。チームの監督がチームの勝敗に責任をもつのであって、 1人1人のプレーヤーがもつわけではありません。プレーヤーは、投手なら投手、 四番バッターなら四番バッターの仕事をすることで評価を受けます。

マネジャーと営業マンの関係も同じです。(1)一所懸命、お客さんの問題解決をするのが営業マンの仕事。(2)彼らの努力を現実の売上高や利益に替えるのが、マネジャーの仕事。そして、(3)そういう関係が成り立つように、営業のプロセスを設計するのが経営者の仕事、こう考えています。この本に紹介した先進的な企業は、その仕組みを作り上げています。

学ぶものは多いと思います。
(以上、神戸大学HP「神大人の本」より転載)
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目次

第1章 営業という仕事の意味
第2章 営業のジレンマ ― 営業の誇りの陰に
第3章 属人の営業と組織の営業
第4章 営業の好機をとらえる
第5章 変化を予期して備える
第6章 営業プロセス・マネジメントの広がり
第7章 お客さんとの関係をマネジメントする