コーポレートガバナンス-米国にみる『企業価値』向上のための企業統治』
著者名 | 加藤英明 監訳 ケネス・A・キム/ジョン・R・ノフシンガー 著 平元達也/高山淳一 訳 |
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タイトル | コーポレートガバナンス-米国にみる『企業価値』向上のための企業統治』 |
出版社 | 株式会社ピアソン・エデュケーション 2005年6月 |
価格 | 2500円 税別 |
書評
本書では、最新の実例を多く取り挙げながら、企業の所有者である株主を守るはずのシステムが、アメリカで必ずしも機能していないと述べている。最初に、株式会社組織の長所、短所を述べた上で、企業経営者の暴走をくい止める機能を期待されるグループについて順に吟味している。それらは、ストックオプションを含めた経営者報酬制度、公認会計士の役割、取締役会の機能、投資銀行、証券アナリスト、格付け機関、SEC、株主行動主義などである。ガバナンスとしての機能を期待されているこれらのグループが、完全には機能していない、あるいは、実際にはほとんど機能していないというのが本書の主張である。フジテレビとライブドアによる M&A 騒動は我々の記憶にも新しい。今回の騒動で、我々日本人は、企業と株主、経営者、そして従業員との関係について真剣に考える機会を得ることができた。果たして、双方の経営者は資金提供者である株主のために企業価値を上げることができたのか?よくよく考えてみれば、企業は我々社会のために存在するものである。とすれば、企業価値を上げることは株主のみならず、社会全体のためでもある。ということは、企業経営者の暴走を食い止めるのを他のグループだけにまかせておくのは無理があるのかもしれない。企業の盛衰が我々の社会、生活に大きな影響を及ぼしている以上、企業活動に対する我々一人一人の意識の高まりが大切になるだろう。
目次
第1章 株式会社の構造
第2章 経営者のインセンティブ
第3章 会計と監査
第4章 取締役会
第5章 投資銀行
第6章 証券アナリスト
第7章 格付機関
第8章 証券取引委員会
第9章 株主行動主義