環境経営のイノベーション


著者名 天野明弘 國部克彦 松村寛一郎 玄場公規 編著
タイトル 環境経営のイノベーション
出版社 生産性出版 2006年9月
価格 2400円 税別

書評

本書は、経営学部名誉教授で、現在、兵庫県立大学副学長の天野明弘教授をリーダーとして、環境省地球環境研究総合推進費による3年間の研究成果をとりまとめたものである。内容は、「環境経営イノベーションと環境政策」(第1部)、「環境イノベーションと企業競争力」(第2部)、「環境会計のイノベーション」(第3部)の3部から構成され、全部で10の章に分かれている。

本書は、環境経営イノベーションという、現代企業にとっての喫緊の課題を、経済学、経営学、会計学の立場からアプローチした学際的研究であり、企業に環境イノベーションを促すためには、どのような政策的課題が必要なのか、企業活動としてのどのような行動が有効なのか、環境会計をはじめとする環境マネジメント技術はどのように活用されるべきかという点が議論されている。研究者だけでなく、学生や実務家の方にもお読みいただけるよう配慮しているので、環境問題に関心のある学生にもお勧めいただきたい。

目次

まえがき
第1部 環境経営イノベーションと環境政策
解題
第1章◎企業の利潤追求と環境政策への対応
第2章◎企業の財務・環境パフォーマンス:実証分析の動向
第3章◎環境パフォーマンスと財務パフォーマンスの関連性:日本企業についての実証分析
第4章◎環境政策が企業の環境・財務パフォーマンスの関係に及ぼす影響
第2部 環境イノベーションと企業競争力
解題
第5章◎環境対応と企業競争力-企業ヒアリング調査を通じて-
第6章◎環境保護と企業競争力向上を実現する環境イノベーションの類型化
第7章◎ISO14001環境マネジメントシステムとイノベーション
第3部 環境会計とイノベーション
解題
第8章◎日本企業の環境会計実務の現状と課題
第9章◎環境管理会計によるイノベーション促進の可能性:マテリアルフローコスト会計のサプライチェーンへの拡張と環境配慮型原価企画の展開
第10章◎環境と経済を統合する環境会計

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