幕末リーダーに学ぶリーダーシップ

著者名 金井壽宏 山村竜也 監修
タイトル 幕末リーダーに学ぶリーダーシップ
出版社 学校法人 産業能率大学
価格 (通信教育教材)

書評

雑談していると、とても歴史に詳しいひとがけっこういることに気づかされる場面がありますが、歴史には疎いというひとにとってさえ、リーダーシップの多様性を考えるうえで、宝庫という時代があります。それは、いうまでもなく幕末から明治維新です。

くだけた書籍をかくとお叱りを得るリスクがありますが、これまでも、そのリスクを恐れずに(しかし、そこそこは気にかけながら)、ウルトラマンを素材に働くことの意味を考える書籍(『ウルトラマン研究序説』や、警察組織をもとに組織の問題を考える書籍(『「踊る大捜査線」に学ぶ組織論』を執筆してきました。今回は、時代の大きな変わり目を生き抜いた4名を素材に、リーダーシップの多様性と補完性を考えることにしました。取り上げたのは、坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通、勝海舟です。それぞれ、ビジョナリー型、人情型、管理型、指南型のリーダーシップを発揮しました。あわせて、時流に合わなかったリーダーとして、徳川慶喜、松平容保、新撰組の近藤勇と土方歳三を取り上げました。もちろん、わたし自身は歴史に造詣が深くないので、プロの歴史家の山村竜也氏とのコラボレーションになっています。この書籍は、通信教育教材として世に出ることになったために、ふつうの本屋さんの店頭に並ばないことだけが残念です。

日本という国は、若くしてリーダーシップを発揮するのが難しい国だと勘違いしているひとは、(今とは寿命が違うので、そこを割り引く必要はありますが)4名のリーダーたちが何歳でなにを成し遂げたか、年齢をマークしながらお読みいただくことをお奨めします。

目次

第一章 坂本竜馬に学ぶ「ビジョナリー型」リーダーシップ
第二章 西郷隆盛に学ぶ「人情型」リーダーシップ
第三章 大久保利通に学ぶ「管理型」リーダーシップ
第四章 勝海舟に学ぶ「指南型」リーダーシップ
第五章 時流に合わなかったリーダーたち
第六章 幕末リーダーに学ぶ変革のリーダーシップ