会計基準のグローバリゼーション
著者名 | ジェーン・M・ゴドフレイ ケルン・チャルマース 編 古賀智敏 監修 石井明 五十嵐則夫 監訳 |
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タイトル | 会計基準のグローバリゼーション |
出版社 | 同文舘出版 2009年8月 |
価格 | 6200円 税別 |
書評
本訳書『会計基準のグローバリゼーション』は、会計基準のコンバージェンスや国際会計基準(IAS/IFRS)の採用が緊喫の課題として大きく登場するようになった現在、各国がそれぞれ独自の政策と法制度を背景としていかにして会計基準のグローバリゼーションに対応しようとしてきたか、その相剋と挑戦の実態を克明に描き出そうとするものであり、グローバル環境のもとでの新たな財務報告のあり方を詳細かつ体系的に提示するものである。
本訳書は、次の著作を対象としたものである。
Jayne M. Godfrey and Keryn Chalmers, editors, Globalisation of Accounting Standards, Edward Elger Publishing, Ltd., 2007.
本訳書は、主要先進諸国(米国、英国、カナダ、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、日本など)と主要発展途上国(中国、インド、マレーシア、南アフリカなど)について、なぜ各国は国際会計基準を受け入れようとしたのか、また、それによってどのような問題が生じたかを、各国の法規制や会計基準設定の制度的枠組みなどを踏まえて、それぞれの国の代表者が学術的視点と制度設計的視点から総合的に示した最新の原著書の邦訳であり、その文献的価値は極めて高いと言える。殊に、従来ほとんど扱われてこなかったインド、マレーシア、南アフリカなど注目度の高い新興諸国を取り扱っている点は、読者にとって大いに参考になるであろう。
目次
第1章 会計基準のグローバリゼーション-序-
第2章 機関投資家とファイナンス言語-市場パフォーマンスのグローバル測定基準-
第3章 国際会計基準審査会に対する個人的意見
第4章 会計基準のグローバル化-英国の視点-
第5章 会計基準のグローバル化における米国の役割
第6章 グローバルな会計基準の設定に関するカナダの立場-原則主義対細則主義-
第7章 グローバル化には特別なのか?特別にしては小さすぎるか?-オーストラリアのIFRS採用の経緯-
第8章 基準の発展過程における国内基準設定主体の役割-イタリアの経験-
第9章 フランスでの会計改革-フランス会社のIFRSの適用-
第10章 ドイツの株式市場に関する会計諸制度とその影響
第11章 オーストラリアでの会計のグローバル化-パブリック・セクター主体への影響-
第12章 中国会計基準と国際基準とのコンバージェンス-過程、成果、および展望-
第13章 国際会計基準の国際的調和化と浸透化-日本の事例-
訳者補遺 日本の会計基準のコンバージェンスに関する最近の動向
第14章 インドにおける会計のグローバル化の影響
第15章 財務報告のグローバル化-イスラム国マレーシアの事例-
第16章 新興市場経済におけるグローバリゼーションと会計改革-南アフリカ共和国の事例-