ハンドブック経営学

著者名 神戸大学経済経営学会 編
タイトル ハンドブック経営学
出版社 ミネルヴァ書房 2011年3月
価格 3500円 税別

書評

経営学は、実践的な学問分野であり、その使命として、理論的でありながらも、経営に役立つことを、常に目指してきた。思えば、学理と実際の融合というのは、神戸大学の建学依頼の理念であった。

経営に役立つと学問というのは、CEO(最高経営責任者)やゼネラル・マネジャー(事業経営責任者)などの経営者、経営人材のためだけに存在するのではない。研究開発、生産、販売・マーケティング、財務、経理、人事、経営企画などの多様な専門職人材にも、役立つ理論的概念を実践的に学び活かしてほしい。

経営についてなにかもっと知りたいと思うたびに、本書で該当する章を開き、「経営学があるおかげで、現実がより適切に捉えられるようになり、また、自分や職場や会社や日本の産業界を元気にするのに役立った」と言ってもらうのが、本書の執筆者一同の理想である。

このハンドブックの構成は、第I部から第IX部まで、合計27章で成り立っている。目次にご覧のとおり、多様なテーマをカバーする経営学であるが、われわれは「よい理論ほど実践的なものはない」というK・レヴィンの願いを共有しているし、この願いは、先に上げた神戸大学の建学の趣旨にも適合するものである。『ハンドブック経営学』が、神戸大学の在学生、同窓生の座右の書となり、在学生と同窓生を越え全国の人たちに拡がっていくことを祈りたい。

2011年2月

神戸大学経済経営学会会長・神戸大学大学院経営学研究科長・経営学部長
金井壽宏
(『ハンドブック経営学』はしがきより一部抜粋)

目次
はしがき…金井壽宏
第Ⅰ部 経営戦略・経営組織
 第1章 経営戦略…三品和広
 第2章 経営組織…金井壽宏
 第3章 人的資源管理…上林憲雄
 第4章 経営史…桑原哲也・平野恭平
第Ⅱ部 金融・ファイナンス
 第5章 コーポレートファイナンス…砂川伸幸
 第6章 ベンチャーファイナンス…忽那憲治
 第7章 金融システム・金融機関…藤原賢哉
 第8章 保険・リスクマネジメント…高尾 厚・山崎尚志
第Ⅲ部 技術・オペレーションマネジメント
 第9章 テクノロジーマネジメント…原 拓志
 第10章 サプライチェーン・マネジメント…松尾博文
第Ⅳ部 マーケティング
 第11章 マーケティング…栗木 契
 第12章 流通システム…小川 進
第Ⅴ部 ビジネスエコノミクス
 第13章 ビジネスエコノミクス…丸山雅祥
 第14章 国際貿易…出井文男
第Ⅵ部 公共サービス
 第15章 企業政府関係…水谷文俊
 第16章 交 通…正司健一・三古展弘
 第17章 国際交通…村上英樹
第Ⅶ部 マネジメントサイエンス
 第18章 経営統計…古澄英男
 第19章 決定と情報…末廣英生
第Ⅷ部 財務会計
 第20章 複式簿記…中野常男
 第21章 財務会計…櫻井久勝
 第22章 国際会計…古賀智敏
 第23章 税務会計…鈴木一水
 第24章 会計監査…高田智実
第Ⅸ部 管理会計
 第25章 管理会計…加登 豊
 第26章 原価計算…梶原武久
 第27章 社会環境会計…國部克彦
索引

前の記事

財務会計講義(第12版)

次の記事

総合スーパーの興亡