知的資産ファイナンスの探求


著者名 古賀智敏 榊原茂樹 與三野禎倫 編著
タイトル 知的資産ファイナンスの探求
出版社 中央経済社 2007年1月
価格 3800円 税別

書評

本書は、マネジメントとファイナンスとのインターラクション(相互作用)という動的メカニズムの中で、経営者能力、ノウハウ、技術、ブランドといった知的資産情報が、金融機関の融資決定や証券アナリスト・ファンドマネジャーの投資意思決定においていかなる役割をもつかを理論・制度・実証の側面から総合的かつ体系的に究明し、新時代の企業ファイナンスのあり方を探求しようとするものである。具体的には、共同研究プロジェクト・メンバー10数名の叡知を結集し、「企業の価値創出プロセス(知的資産マネジメント)-知的資産情報-融資・投資決定行動(ファイナンス)」という一連の動的メカニズムの中で、金融機関の融資スキームや証券アナリスト・ファンドマネジャー等の投資意思決定行動を特徴づけ、新たな企業ファイナンスのあり方を提示しようとするものである。

目次

第I部 ナレッジ型経済と企業のファイナンス行動のスキーム
第1章 ナレッジ型経済と企業の資金調達スキームの変貌
第2章 投資意思決定の動的メカニズムと知的資産情報の役割
第3章 知的資産マネジメントと持続的競争優位
第4章 日本企業の知的資産マネジメント
第5章 特許権の評価へのリアル・オプション・アプローチ
第6章 戦略的投資決定における柔軟性の価値と知的資本
第7章 研究開発資産の会計的評価とリアル・オプション・アプローチ
第8章 わが国中小企業金融と企業の成長力評価融資の課題
第9章 知的資産と金融機関の融資意思決定

第II部 知的資産とファイナンス行動のダイナミズム:実証研究
第10章 知的資本情報と金融機関の融資決定有用性
第11章 株式価値評価における知的資本の重要性
第12章 企業の研究開発投資と株価形成
第13章 知的資産とベンチャー・キャピタルの投資決定
第14章 新規公開(IPO)目論見書における知的資産の開示分析
第15章 わが国における知的財産情報開示の特徴と課題