現代マーケティング論


著者名 高嶋克義 桑原秀史
タイトル 現代マーケティング論
出版社 有斐閣アルマ 2008年3月
価格 2000円 税別

書評

この本は、すでに入門書でマーケティングを学んだ人、あるいは最初から体系的に学びたい人のためのマーケティング論の教科書です。これまでに出版された入門書の多くでは、STPや4Pなどの「マーケティングの技術」を紹介しています。それを学ぶことでマーケティング用語を理解し、マーケティングを身近な問題として関心をもつことができるでしょう。しかし、その知識だけでは、実践においてマーケティングの新たな問題に直面したときに、問題を論理的に捉え、創造的な問題解決を導き出すことはできません。

そこでこの本では、マーケティングの手法や用語を紹介するのではなく、さらに高いレベルにステップアップするために、その背後にある理論から意味や位置付けを説明します。そのような知識を身に付けることで、マーケティングの諸問題を正しく捉え、解決する能力を高めることができるでしょう。またこの本では、マーケティング論を体系的に学ぶことを重視しています。現代のマーケティング論の体系は、不特定多数の消費者がとる行動を分析し、マーケティング計画を立て、それを管理する「市場」の局面を重視したマーケティング論の体系と、取引相手との継続的関係と相互作用が展開される「関係」の局面を重視したマーケティング論の体系の2つに大きく分かれています。第I部と第II部で市場の局面に関わるマーケティング論、第III部で関係の局面に関わるマーケティング論を詳述し、その対比も行っていますので、マーケティング論を体系的に理解することができます。

目次

第I部 市場からみるマーケティング
 第1章 マーケティングの考え方
 第2章 製品差別化
 第3章 市場細分化
 第4章 製品ライフサイクル

第II部 行動からみるマーケティング
 第5章 消費者行動
 第6章 新製品開発
 第7章 マーケティング・ミックス
 第8章 戦略的マーケティング論
 第9章 マーケティングの組織と資源

第III部 関係からみるマーケティング
 第10章 マーケティングにおける関係の理論
 第11章 チャネル関係の構築
 第12章 営業活動による顧客関係の構築
 第13章 マーケティングと環境変化

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