ワーク・モティベーション
著者名 | ゲイリー・レイサム 著 金井壽宏 監訳・解説 依田卓巳 訳 |
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タイトル | ワーク・モティベーション |
出版社 | NTT出版 2009年7月 |
価格 | 3200円 税別 |
書評
体系的なよいテキストが英語圏ではあるのに、日本にはないときに、これさえ日本語で読めればいいのに、と思う名著があります。経営学におけるワーク・モティベーションでは、クレイグ・ピンダーの大著と、ゲイリー・レイサムの本書が、その待望の書籍です。前者は、分厚すぎて、おそらくなかなか翻訳は出ないでしょうが、この2冊には特徴があります。
ゲイリー・レイサムは、トロント大学の教授で、長らくメリーランド大学にいたエドウィン・ロックとともに、主として、目標設定がモティベーションに与える効果の体系的研究において、大きな足跡を残してきました。レイサムの渾身の力作では、20世紀の間のワーク・モティベーション研究の歴史が、四半世紀ごとに跡付けられ、21世紀に入ってからの現状を精査し、今後の発展方向を提示した書籍です。
読むのには根気がいる書籍ですが、その労力に見合った収穫が必ずあると思います。知的挑戦であると同時に、必ず実践に役立てるという気迫をもってお読みいただければ、幸いです。
目次
序章 科学者/実践者の人生における十三の転機
第I部 二十世紀 過去を知る
第1章 1900-1925 生物学、行動、金銭
第2章 1925-1950 初期の実証主義の時代
第3章 1950-1975 理論の出現
第4章 1975-2000 従業員は深く考える
第5章 二十世紀の議論の数々
第I I部 二一世紀 現在を検証する 2000-2005
第6章 欲求―モティベーションの原点
第7章 パーソナリティ特性―モティベーションの長期的予測要因
第8章 価値―状況を超越した目標
第9章 認知―目標、フィードバック、自己調整
第10章 社会的認知理論
第11章 情緒/感情―従業員にも感情がある
第I I I部 将来の方向性と潜在的な方向違い
第12章 無境界心理学
第I V部 エピローグ
第13部 実践の技法