気づく力
著者名 | 長田貴仁 他 |
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タイトル | 気づく力 |
出版社 | プレジデント社 2005年8月 |
価格 | 952円 税別 |
書評
心理学で研究対象となってきた「気づく」とは、ある問題に直面したときに、それを感じ取り、解決していこうとする心の動きである。
タイトルにある「気づく力」は、経営者が意思決定を下し、ビジネスマンが日常業務を展開する上で非常に重要な資質となる。本書では、複数の著者がこの問題に対して、さまざまなアングルから分析、提言している。
その中で筆者は、日産自動車会長兼 CEO (兼ルノー CEO )であるカルロス・ゴーン氏にインタビューし、解説を付け加えた。このインタビューに限らず筆者は、これまでも何度かゴーン氏と対話し、国内外でその行動を側で見てきたが、現場を歩きながら気づき、戦略を考え、すぐに行動する経営者であると実感した。
ゴーン氏や次期日本経団連(日本経済団体連合会)会長に内定しているキヤノン社長の御手洗冨士夫氏のように、二人とも工場という現場からビジネスマンの第一歩を踏み出し、数々の構造改革を経験したからこそ「気づく力」が敏感になっていった。筆者はこれまで、多くの経営者に会ってきたが、「気づく力」は備えていても、戦略を俊敏に実行し、良い結果を出し続けることができるトップは、現在の日本企業にはそれほど多くない。「気づく力」は重要だが、それだけではエクセレントな経営はできない。このような観点から、本書は、「考える力」と「行動する力」にも言及している。
目次
プロローグ 「仕事の答え」は自分の中にある
組織の思考を止める「上司の壁」
花王・連続最高益の現場を支える「 why 対話力」
思考パターンを学ぶ「毎週一冊主義」の勧め
解剖!ゴーン流「知行合一」のメソッド
「もし、店長ならハンバーガー店をどこに出しますか」
第1章 気づく力
なぜ、人は「大切なこと」を見過ごすのか
「仕事のごまかし」を見破れない人の行動特性
私の体験!ここを見れば「問題の本質」がわかる
お客の「また来たくなるツボ」を探る心得帳
第2章 考える力
「賢い脳」と「バカな脳」はどこが違うか
「カチカチ脳をワクワク脳」に変える五の方法論
「さびた頭を回転させる」五つの技術
第3章 行動する力
なぜ人は、頭でわかっていても動けないか
検証!業務が二倍はかどる朝型人間
私の体験!「職場の呪縛」はこう解いた