アントレプレナーシップ入門
著者名 | D・J・ストーリー 著 忽那憲治 安田武彦 高橋徳行 訳 |
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タイトル | アントレプレナーシップ入門 |
出版社 | 有斐閣 2004年1月 |
価格 | 4300円 税別 |
書評
本書は、D.J. Storey, Understanding the Small Business Sector, International Thomson Business Press, 1994.の翻訳である。ストーリー教授は、現在、ウォリック大学ビジネス・スクールの教授(中小企業センター所長)であり、まさにイギリスにおける企業家活動(アントレプレナーシップ)・中小企業研究の第一人者である。1998年には長年にわたる研究の貢献が評価され、スウェーデンの Scientific Council of the Swedish Foundation for Small Business Researchから、アメリカ人以外の研究者では初めてInternational Award for Entrepreneurship and Small Business Researchという権威ある賞を受賞している。また、中小企業政策の評価においてはOECDのアドバイザーを務めるなど、政策実践面においても極めて重要な役割を果たしている。
本書は、欧米の膨大な研究成果をもとに執筆され、企業家活動・中小企業の基本的問題を経済学的側面から解き明かした、この分野においては世界でも数少ない本格的なテキストである。企業の誕生、消滅、成長のダイナミズム、そして中小企業による雇用創出の役割を明らかにし、真の企業家社会構築のためには、いかなる金融・証券システムや中小企業政策が必要とされているのかについて解説している。原書出版後10年間の研究の進展をフォローした40ページ近い詳細な日本語版への序文が加わることによって、本書は原書「第2版」としての内容を十分兼ね備えたものになっている。企業家活動や中小企業に関心のある学部学生、大学院生、社会人院生、研究者、政策立案担当者、支援機関の担当者、中小企業経営者など、是非とも多くの方々に読んで頂きたい。
目次
第1章 イントロダクション
第2章 中小企業:定義、現状、傾向
第3章 企業の誕生
第4章 中小企業の消滅
第5章 中小企業の成長
第6章 雇用
第7章 金融
第8章 政策
第9章 結論