春季インターンシップ体験談 中村 実夢さん

KIBERプログラム8期生 経営学部3年生 中村 実夢さん

インターンシップ先:三菱ふそうトラック・バス株式会社
インターンシップ期間:2019年2月~2019年3月

私はKIBERプログラムに参加しており、今年の九月から一年間、ウィーンに交換留学することになっています。そこで、早期の段階で本格的なインターンシップを体験したいと考え、今回二年生の春休みを利用して、2月15日から3月14日までの一か月間、神奈川県の三菱ふそうにお世話になりました。ここでは、主に自分が何をしたか、そしてそれを通して何を学んだか、インターン生として感じた「ふそう」という会社のイメージという三点についてお話させていただきたいと思います。

インターンを通して体験したこと

私が一か月間で業務としてやらせていただいたことは、主にデータの分析でした。業務以外というところでも、会議への参加、取引先やふそうの設備等の見学、会社・部署・システムの説明、講習会への参加まで、さまざまなことを経験させていただきました。しかしそれを全て話すと少し長くなってしまうので、ここでは主にメインの業務についてお話したいと思います。

前提からお話させていただくと、私が行かせていただいた三菱ふそう(Daimler Trucks Asia Japan)は、ドイツに本社を置く有名な自動車メーカー、Daimlerの子会社で、トラックを扱っている会社です。そのなかでも私が配属された部署は購買部で、そのなかでも架装部門という、トラックの後ろ部分に積載するもの(クレーンやタンクローリ、トラクターなど)を担当するチームに配属されました。

配属されてから1,2日間は、主に三菱ふそうや架装購買部、そこで使われている現行のシステムについての説明を受けました。その後、私が担当させていただいたタスクは主に二つで、初期に取引先の財務諸表を購買部という目線から分析すること、中期から後期にかけては、実際の昨年度一年分の買掛金のデータを用いて、需要や価格について分析することでした。

印象的だったのは、チームの方々が、「自分が今どういった目的のためにあるプロジェクトのなかで、なにを明らかにするためにこの業務をやっているのか」を、常にクリアにしてくださった、という点です。このおかげで、私が購買部の掲げる目標を達成するためのプロジェクトに参加しているということを実感でき、モチベーションを高く保つことができるというだけでなく、購買部が実際に掲げる目標に向けてシステマティックに機能していることを体感できるという意味でも、私のインターンシップを非常に実りあるものにしてくれたと感じています。また、自分の期待以上に「ふそう」という会社を見せていただけたという点も印象的でした。企業のシステムの説明についても、取引先の方とのミーティングに参加させていただける、という点についても、「ここまで見せていただけるのか」と衝撃を受けたのを今でも覚えています。それでは次に、私がこれらの業務をする中で何を学んだのかについてお話させていただきたいと思います。

インターンシップを通して得たもの

私がこのインターンシップを通して得た一番の学びは、ストーリー化・引き出しの多さ・柔軟性の重要性に気付いたことだと思います。実際にリアルタイムで動いているビジネスの正解を知ることは、当然誰にもできません。その中でも最善を尽くそうと思えば、同時に複数のストーリーを立てながら、自分が取ろうとしている案の深ぼりをしていくことが必要で、そうするため上記の三つが要求されます。言葉にするのは簡単ですが、理解と体感はまた別物で、自分がいざ取り組んでみると、本当に難しいと感じました。そのなかで、チームの方の考え方や対応を、見て、聞くことができたのは、本当にかけがえのない経験だったと思います。

このような経験と学びを得られたのは、以下の二点においてふそうだったからこそだと感じています。まず、私は実際の年単位で動くプロジェクトのなかにいれていただけたこと。さらに、質問をするとなんでも答えてくださるという環境、社員の方との距離が近く、お話をたくさん聞かせていただけるという非常に恵まれた環境があったこと。これら二つは、そもそもの気づきにとっても、学びにとっても欠かせないものだったと思います。

学びとは少し違うかもしれませんが、自分の専門で習う理論がどのようにシステムに落としこまれ、利用されているのかを確認できるという点が、非常に面白かったです。ふそうは透明性や効率化を大切にしていて、たくさんの社内管理システムがありました。そのようなシステムの説明を通して、企業が自社のために理論を仕組み化した、その結果を見られる点は、経営学部ならではの面白さがあると思います。

インターン先としての「ふそう」

インターン先としての「ふそう」を単語で表すとすれば、ダイバーシティ、フラット、アグレッシブの三つが当てはまると思います。すべて文字通りの意味で、例えばインターン生に関して言えば、購買部で日本人だったのは、私を含めて今回神戸大学から派遣された三人だけでした。他は全員外国人で、社員の方も外国の方が非常に多く、日常生活ではなか味わえないグローバルな雰囲気でした。また、典型的な日本企業が外資系に実質吸収されたという背景があるので、比較的新しく入社された方とずっと勤めていらっしゃる方で今のやり方やあり方に対する意見が違っています。そのなかで全体として動いていっているところが非常に面白いなと感じました。

次に上下関係というところもかなりフラットで、まだ若い方が責任者やマネージャーをやっていらっしゃることもありましたし、とてもインタラクティブな雰囲気でした。この点においても、いわゆる日本企業とは結構違った雰囲気だと思います。

最後に、アグレッシブというのは、私が一か月の業務から一番感じたところです。システムにおいても、社員の方々の意識においても、とにかく会社全体が改善や挑戦を意識されているのを感じました。失敗するかもしれないから、現状で十分うまくいっているから、ではなくさらに上を目指す社風のなかで過ごすことは、私にとって非常にいい刺激になりました。

以上が、私が一か月のなかで感じた「ふそう」のイメージです。もし興味を惹かれたのであれば、ぜひインターンしてみることをおすすめします。