No. 2024-03ディスカッション・ペーパー

M&A戦略と競争優位

要約


本稿はM&A戦略とアクションベースの競争優位の構築に焦点を当てる。M&Aは戦略投資の1つとして、アクションベースの競争優位を裏付ける。しかし、M&Aと戦略の間に存在する関連性は不明瞭であり、M&A戦略に関する既存の研究は体系化されないまま積み重ねられ、その効率性について解釈を行った汎用性が高い理論的基礎は存在しない。本稿では、合併戦略と買収戦略の観点を統合するM&A戦略に注目し、M&Aの執行側企業におけるキャパシティの合理化、および複数のM&A活動の展開とともに発生するキャパシティの積み重ねが、アクションベースの競争優位の構築へ与える影響について議論する。結論として、長期的にM&A戦略を実施する企業にとって、プロフィット・センター・ポートフォリオに存在するキャパシティの連動性は、持続可能な競争優位の構築を左右する。


著者名   張 嘉楠

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