過去の神戸大学MBA公開セミナー

第21回:2012年11月7日(水)18:30~19:45

イノベーションの採用と再発明

滋賀県立大学人間文化学部生活デザイン学科助教 宮尾学、経営学研究科教授 原拓志
新たな技術,イノベーションを採用し,技術・社会の変化に追随することは企業経営にとって重要な活動の1つです。しかし,イノベーションをそのまま採用するだけでは,顧客や競争相手など外部環境の違いや,自社の組織構造,戦略や既存の組織能力など内部環境の違いのために,うまくいかない場合が多いでしょう。そこで,イノベーションを採用する企業はそこに何らかの改良を加えることになります。このことを「再発明」といいます。
本セミナーでは,交通系ICカードの普及プロセスから,このイノベーションの採用と再発明について考えます。JR東日本とソニーが共同開発したSuicaというICカード改札システムは,西日本へと普及してJR西日本のICOCAやスルッとKANSAI協議会のPiTaPaとなりました。しかし,JR西日本やスルッとKANSAI協議会は,Suicaのシステムをそのまま採用したのではなく,独自の改良を施しています。セミナーでは,これらの事例を読み解きながら,イノベーションの採用と再発明にかかわる様々な要因を分析します。そのうえで,どのようにすれば自社の環境に適合した形でイノベーションを採用できるのかについて考えてみたいと思います。
募集人数は75名です。

開催場所:神戸大学梅田インテリジェントラボラトリ