過去の神戸大学MBA公開セミナー

第22回:2012年12月5日(水)18:30~19:45

企業の多角化とR&D投資の関係について

経営学研究科准教授 畠田敬
日本企業の国内設備投資額は,マクロ的には,景気循環的な変動を伴いながら増加しているのに対して,日本企業の研究開発(以下,R&D)投資額は,低成長ながら安定的な増加傾向にあります。このような観測的事実が示すように,企業は,その性質上,R&D投資を平準化しようとする傾向が見られますが,必ずしもR&D投資の平準化の程度は,個々の企業間で一様ではありません。今回のグッドプラクティスセミナーでは,R&D投資の平準化の程度がどのような要因によって影響されるかについて考察したいと思います。まず,企業における事業の多角化にスポットライトを当てて,(1)多角化からR&D投資の平準化の関係を議論したいと思います。さらに,企業のR&D投資は,企業ファイナンスの側面とも密接な関係があります。そこで,本セミナーでは,企業ファイナンスの側面にもスポットライトを当てて,(2)ファイナンス要因によるR&D投資の平準化への影響を議論したいと思います。また,近年では,企業における事業の多角化のメリット・デメリットを企業ファイナンスの視点から捉えた研究が数多く報告されています。そこで,本セミナーでは,先の2つの因果関係-(1)多角化からR&D投資の平準化,(2)ファイナンス要因からR&D投資の平準化-に関する分析結果から,日本企業が直面している多角化と企業ファイナンスの関係を明らかにしたいと思います。
募集人数は75名です。

開催場所:神戸大学梅田インテリジェントラボラトリ