経営学研究科教授　平野光俊
日本においては、企業活動のグローバル化や少子高齢化により労働力人口が減少する社会に向け、あらゆる組織で、性別、国籍、年齢、仕事経験などを含めた多様な人材が活躍できるダイバーシティ・マネジメントが議論されている。中でも、国内の少子高齢化問題に即して考えると、女性の結婚・出産を促進しながら、女性の就業継続とキャリア開発を同時に進める必要がある。このセミナーでは人材の多様性の中で女性に着目し、企業が取り組むポジティブアクションが女性のキャリア意識に与える効果について考える。具体的には、企業の施策を「両立支援施策」と「均等推進施策」の二者に大別し、各々の施策が女性のキャリア意識に与える影響について解説する。また（男性）上司は部下の女性を暗黙のうちに人的投資やリテンションの対象から除外してしまう傾向があるかもしれない。そしてその結果、企業と女性労働者の双方が、キャリア開発に対して消極的態度をとってしまう可能性がある。女性活躍推進に影響を与える職場要因なかでも上司のジェンダー意識や態度についても検討する。

開催場所：神戸大学梅田インテリジェントラボラトリ