過去の神戸大学MBA公開セミナー
第8回:2016年2月10日(水)18:30~19:45
マネジメント・コントロール応用研究:戦略マップとバランスト・スコアカード
神戸大学のMBAはプロジェクト方式が有名ですが、通常の講義も提供します。
今回は、その中で、2015年度に行われた『マネジメントコントロール応用研究』の一部を紹介します。
戦略は、素晴らしいものを策定することと、それを成功裏に実施することがともに大事です。
この講義では、戦略をモチと呼びました。
まず、日頃、多くの企業では食べたい美味しいモチではなく、食べられるモチばかりを食べていることに気づいてもらいます。
そうなってしまう第一の理由は、どんなモチが美味しいのかをきちんと描いておらず、共有できていないことです。
そして、第二の理由は、(異論もあるかも知れないが)what you get is what you measure の前提に立てば、それを食べるための適切な指標設定が行われていないことです。
では、どうやったら美味しいモチの絵を描くことができ、その描いたモチを実際に食べられるのでしょうか。
その問にヒントを与えてくれるツールとして、BSC(バランススコアカード)を紹介しました。
ところで、通常、一般的なMBAではケース教材を使って討議することが多いと思います。
しかし、本講義の特色は、アクションラーニングのアプローチです。
つまり受講者が直面する現実の問題の解決法についてグループワークでアプローチしました。
というのも、日頃から実務経験を持った学生たちにとっては、リアルなビジネス上の問題の方が、よりリアリティを感じられるとともに、その解決から学ぶことが多く、自らの実務に応用しやすいと考えるからです。
具体的には、5人程度の小グループに分かれ、その中の誰か一人の所属企業の戦略を戦略マップに可視化し、それを実現するための指標を検討してもらいました。
そして、各グループには全受講生の前で発表し、質疑応答を行いながら、マップや指標の改善に取り組みました。
今回のMBA公開講座では、その中の一つのグループが発表を再現します。
どんな美味しいモチを、どのように食べようとしているかを、参加者の皆さんにも実感してもらえると思います。
そして、何より、彼らがこの講義で何をどのように学んだかを追体験してもらえると思っています。
神戸大学のMBAが通常講義においてさえも、ビジネス経験豊富な学生たちのニーズを満たせるよう、実践的な知を得られるようなユニークな教育を行っていることの一端を知ってもらえれば幸いです。
募集人数は85名です。
開催場所:神戸大学梅田インテリジェントラボラトリ