過去の神戸大学MBA公開セミナー

第26回:2018年6月13日(水)18:30~19:45

異業種の農業参入が共創する経済的価値と社会的価値ー兵庫県の参入事例からの考察ー

発表者:大野寛人氏(2017年度加護野忠男論文賞受賞者、神戸大学MBA修了生)

場所:神戸大学梅田インテリジェントラボラトリ(梅田ゲートタワービル8階)

6月の神戸大学MBA公開セミナーでは、本学MBA修了生で、2017年度加護野忠男賞受賞者の大野寛人氏が、受賞論文のエッセンスを語ります。

近年、異業種による農業参入が急増しています。そのなかにあって、企業という新しい農業の担い手の持続可能性や存在意義が問われています。

講演者の大野氏は、外資系化学メーカーの農業事業部門に勤務しています。地域農業が衰退していく一方で、盛り上がりを見せる企業による農業経営に着目し、そこから生まれる価値を多面的な評価するべく、本研究に着手しました。

農業は地域社会と共に存在する産業です。企業による農業経営においては、地域は企業という“異質な”存在を受け入れ、企業は地域社会の構成員となる必要があります。そこでは、企業による農業経営を単に経済的な指標のみで評価するのではなく、彼らが地域社会にもたらす社会的な価値と、それがどのように企業にとっての経済的価値に繋がっていくのかを併せて評価することが重要となります。

本研究では、異業種からの農業参入によって企業側が得た経済的価値、参入地域側にもたらされた社会的価値、さらに農業経営に活用したコア・コンピタンスの3変数の関係を統計的手法により明らかにしました。また、実際に農業参入した企業へのインタビュー調査などにより、共通価値の創造メカニズムや、社会的価値創出の経済的価値への影響などについても推論も行なっています。

本セミナーでは、企業による農業経営のあるべき姿を、経済的な指標だけではなく、企業が持つ社会性の面からも議論していきます。

 

当日のプログラムは以下の通りです。

  • 18:30-18:35 挨拶、概要説明
  • 18:35-19:05 講演(大野氏)
  • 19:05-19:45 質疑応答

募集人数は110名です

開催場所:神戸大学梅田インテリジェントラボラトリ