過去の神戸大学MBA公開セミナー
第38回:2020年5月10日(日)14:00~16:30
金賞・銀賞受賞チームによるテーマプロジェクト研究の発表
5月の神戸大学MBA公開セミナーには、2019年度後半に行われた「テーマプロジェクト研究」で金賞、銀賞を受賞した最上位の2チームが登場します。「プロジェクト方式」は、事例と理論を徹底的に検討し、仲間と議論を闘わせ、経営上の問題に実践的な解を導き出すことができる人材を育成することをねらいとしたグループ演習であり、本学MBAプログラムのひとつの柱となっています。
今回の「テーマプロジェクト」では、神戸大学MBA生が12チームにわかれ、各チームが業務上の問題意識からテーマと仮説をそれぞれ設定し、4ヶ月以上にわたって事例研究を行い、研究成果をまとめました。
最初の金賞チームのプロジェクトは、生産財におけるデザインの効果に関する研究です。製品・サービスの品質や機能を高めるだけでは他社との差別化が難しくなっている現在、新たな付加価値の創出が企業に求められています。そのような時代において注目されているのはデザインの活用です。デザインは個々の製品の外見を好感度の高いものにするだけでなく、ブランドの構築やイノベーションの実現を通じて企業の競争力向上に寄与すると言われています。実際、欧米ではデザインへの投資を行う企業のパフォーマンスの研究が行われており、デザインへの投資を行う企業はそうでない企業に比べて業績が向上することが明らかとなっています。一方、日本の経営者は、デザインに積極的に取り組んでいるとは言い難い状況です。そのような中、日本では2018年に経済産業省・特許庁が‘「デザイン経営」宣言’を発表し、企業のデザイン活用の推進を提言しました。
通常、デザインが価値を生むと考えられているのはB to Cビジネスを展開する企業です。しかし、生産財においてもB to Bビジネスにおいてもデザインの価値があるのではないか、そしてそのありようは B to Cとは異なるのではないかというのが本テーマの問題意識です。デザインを取り入れて上手くいった企業とデザインを取り入れようとして上手くいかなかった企業を比較し、その成功要因とデザインの意義について検討することで、ある一つの解を見出しました。
次の銀賞チームのプロジェクトは、成熟期を迎えた中堅企業がいかにしてさらなる発展を遂げるのかに関しての事例研究です。創業からある程度の時間が経過した企業は、成長の壁に直面します。チームメンバーには、そのような中堅企業で働くメンバーが多く、神戸大学MBAを志した自らの問題意識をもとに、テーマプロジェクトの中でその解を見出そうとしました。
丁寧な条件分析を通じて、売上高50億円以上1,000億円以下の中堅製造業の3社を取り上げ、各社が成長を続けている要因を探りました。さらに、3社のうち特に、成長が著しい1社に焦点を絞り、その会社へのインタビューだけでなく、競合する他社や顧客にもヒアリングを行い、公開資料を丹念に調べ上げました。その結果として、中堅企業が成長の壁を乗り越えるうえで転地の重要性を示しました。
テーマプロジェクトでは良いケースを見出せるかという点が重要な要素となりますが、素晴らしい企業に出会うことができ、ケース企業を通してチームメンバーの持つ問題意識に対する一つの解を導くことができました。
今回の神戸大学MBA公開セミナーでは、この解を皆さんと共有するとともに、さらなる議論を重ね、経営という問題への内省を深めていきたいと考えています。ぜひご参加ください。
当日のプログラムは以下です。
- 14:00-14:10 挨拶、概要説明
- 14:10-15:00 テーマプロジェクト研究の成果発表1
- 15:00-15:10 質疑応答
- 15:10-15:30 休憩
- 15:30-16:20 テーマプロジェクト研究の成果発表2
- 16:20-16:30 質疑応答
注意事項:
- 本セミナーはWebexミーティングを使用して開催いたします。参加登録フォームにてお申込み後、登録完了メールで参加URLおよびパスワードをお知らせいたします。
(当初、Zoomミーティングを利用する予定でしたが、Webexミーティングに変更致しました。4月22日以前にお申し込みされた方には後日Webexミーティング情報をメールでご連絡します) - 本セミナー実施中の撮影、録画、録音は、固く禁じます。