組織行動論における集団特性の分析手法-マルチレベル分析に関する研究ノート-

要約

本稿では、個人レベルに基づいたデータとグループや部門、組織レベルといったより上位のレベルの概念との関連を分析するマルチレベル分析を検討している。これまでの組織行動論の研究では、単純にグループに属する個人の得点の平均を取ることでそのグループの姿を描いてきた。またそれらの値を用いてグループへの影響を捉えてきた。本稿で紹介するマルチレベル分析は、グループ内の個人の値の分散を分析することで、平均値がグループを代表する値かどうか、あるいはその変数がグループレベルで分析すべき値かどうかを検討する手法である。本稿では、集団内合意、信頼性、非独立性に関する分析手法と考え方、集団内・集団間分析(WABA)の分析手法と考え方をそれぞれ紹介し、検討する。また、これらの手法を実際に使った研究を検討し、その適用範囲を探る。最後に、実際の数値を使用した礼を用いて、それぞれの分析手法をテクニカルに説明する。

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鈴木竜太

北居明

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