明治初期の陶磁器産業における会社制度の成立
要約
明治初期の陶磁器産業で成立した会社を分析対象とし、その制度的形態を明らかにすると共に、人と人、人と資本との協働形態が会社であるという独自の視点から、人と人、人と資本との関係がどの様に形成されたのかを明らかにし、産業資本主義萌芽期の陶磁器産業で成立した会社の性質を明らかにしている。幕末の開港によるグローバル・コンペティション、廃藩置県・生産解放令(株仲間の解散)・関所の廃止による産地間競争、企業間競争−多系的競争−の激化という新しい競争環境の出現にわが国陶磁器産業がどの様に対応していったのかを明らかにしている。これら産業資本主義萌芽期の陶磁器産業において成立した会社はこれら多系的な競争への対応の結果として生まれたという共通点があると共に、利害の共通する人的結合体であったことを指摘している。誰が経営者になるのかについて慎重に配慮された結果でもあった。
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柴田淳郎 |
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