明治期から大正期の陶磁器産業における会社の命運

要約

明治初期に成立した会社がその後どの様な命運を辿ることとなったのかを追跡している。解散に至ることとなった会社、存続と成長は可能となったが相対的には衰退した会社、飛躍的に成長した会社がみられたが、この様な会社ひいては産地の栄枯盛衰がどの様な要因によって基本的に規定されたのかを明らかにしている。当時の会社は意見対立を資本の原理で解消するという便宜的な手段は通用しなかった。これらの会社は意見対立によって分裂を繰り返したが、この様な意見対立をうまく回避し、企業群として協調体制をうまく構築できた会社は飛躍的に成長し、分裂を繰り返した会社は相対的に衰退していくという結果となった。また、美術品生産から日用品生産へと欧米需要の変質に対応できなかった会社は解散という経緯を辿ることとなった。会社としての基本的な性質がその後の会社の命運を基本的に規定することとなったことが明らかにされている。

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柴田淳郎

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