高松及び徳島からの関空経由国際便の潜在需要に関する一考察 ：SPによる需要の決定因

要約

本研究は、高松・徳島から関西国際空港で海外便に接続する航空便への需要を、自ら収集したSPデータを用いて、現在、主なアクセス手段となっている高速バスと、現在運航されていない飛行機との2項ロジットモデルを推計することにより分析している。本研究の貢献としては、同モデルに対して、ハブ空港へのアクセス手段として重要なサービス属性の1つとして、ハブ空港での乗継ぎ時間の利便性を変数として加え、その時間価値を計測した点にある。先行研究では、同変数に対する代用として運航頻度が多く採り入れられているものの、乗り継ぎの利便性の代理変数としては適切ではなく、政策分析上問題が多い。そもそも、地方便では1日あたりの運航頻度が高くなることはないため、運航頻度から個人の選好を把握するよりもむしろ、乗継ぎ時間に対する選好を把握するほうが、より個人の手段選択プロセスに即した分析であると考えた。そして推計結果から、乗り継ぎ時間変数は、アクセス手段選択に対してどのセグメントに対しても統計的に有意な結果となった。