日本企業のグループ経営における管理会計実践:クラスター分析にもとづく経験的研究

要約

この論文は,日本企業のグループ経営における管理会計の実態を経験的に明らかにすることを目的としている。既存の研究の多くが,財務・非財務という単純な変数にもとづいて議論を行っていたのに対して,本論文では財務・非財務のような業績評価の軸だけではなく計画についての軸を含めた実態調査を実施した。これは,Goold, M and A. Campbell (1987) Strategies and Styles: The Role of the Centre in Managing Diversified Corporations, Blackwellが主張したマネジメントスタイルの議論にのっとったものである。日本企業についての調査結果は彼らの分類結果に疑義を生じさせるものであった。我々が代替として提案する新しい分類は,クラスター分析にもとづく統計的で頑健な結果であり,日本企業におけるグループ経営の実態についての新しい知見を追加するものといえる。

キーワード
グループ経営,グループ会社,親会社,業績評価,分権的組織の管理会計

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福嶋誠宣

加登豊

新井康平

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