人勢塾シラバス―組織、人事にポジティブ心理学を応用するために―
要約
経営学における組織行動論に影響を与えてきた基礎学問分野のひとつ、心理学のなかで、ポジティブ心理学という学派(運動といってもよい)が生まれて、10年以上が経過している。その影響をうけた組織行動論での研究や実践が、ミシガン大学やネブラスカ大学、これからはおそらくワシントン大学を含め、さらに盛んになっていくと思われる。
ポジティブ組織行動論やポジティブ組織論研究という動きが存在することは、意外とわが国では知られていない。しかも、ただ「知る」だけの問題ではなく、いかに企業なその組織体における、人事、組織のあり方に適用するか、つまり「実践につなげる」という問題として、ポジティブ心理学を取り上げるのが望ましい。わが国においていち早くポジティブ心理学の編著、著書を書かれた島井哲志先生からも、そのような激励をえた。
このような観点から、ポジティブ心理学を経営における組織、人事に応用する方策を、ゲストと、メンバー(塾生)との対話から生み出す試みを、島井先生をはじめて、この動きに詳しい研究者とこの動きにかかわる活動をなさっている実践家を招きながらの連続の研究会を開催した。その詳細な記録は別途、書籍にまとめる予定であるが、ここでは、その速報(先駆け)として、まずは、シラバスをDPの形で、公開することにした。研究会の名前は、組織で活躍する人びとに勢いを授けたいという意味で、人勢塾と名付けられている。その8回の会合で、どのような素材を取り上げ、(すべてのセッションではないが)どなたをゲストに招いて、どのような議論をおこない、それに先立ち、塾生がどのような事前課題レポートに取り組み、セッション後、内省と実践のいために、どのような事後課題レポートを課せられたについて、このDP(ディスカッション・ペーパー)の公開を通じて、概観できるようにした。ご利用いただき、コメントをいただければ幸いである。
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