営業のプロセス改革と人材育成―日本ベーリンガーインゲルハイム社の事例―

要約

ベーリンガーインゲルハイム社は、1885年にドイツ・インゲルハイムで設立され、現在、約50国で140の拠点を有し、製品を販売する多国籍企業である。2008年現在における売上高は約116億ユーロであり、製薬会社の世界ランキングではトップ20社に数えられ、株式を公開していない独立した企業である点に特徴がある。
現在、ベーリンガーインゲルハイム社の日本法人である日本ベーリンガーインゲルハイム社(以下、NBI社)は、全国12支店、98のディストリクト(注:営業所に相当)を持ち、約1000名のMR(医薬品情報担当者)を抱えている。各ディストリクトには約10名のMRがおり、それをまとめるのがディストリクトマネジャー(通常組織における課長に相当。以下、マネジャー)である。
本稿は、NBI社における営業プロセス改革の経緯を記述した上で、改革を促進した要因について検討することを目的としている。なお、本稿は、ケース授業におけるディスカッションの教材として位置づけているため、理論的・実践的な観点からの解釈・分析・考察は掲載していない。

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松尾睦

早川勝夫

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