組織における公共性のマネジメントに関する一考察:職場コミュニティがもたらす秩序と協働

要約

本論文は、 職場コミュニティを基盤とした組織における公共性のマネジメントを公共哲学の知見を基に検討するものである。公共性という言葉で代表される組織内での秩序や協働は、経営組織論においても重要であることが指摘されてきたが、具体的なマネジメントとしては、強い規範や 価値によるコミットメント経営によるものが中心であったため、組織における個人の自律性の喪失や画一性の問題が指摘されていた。本論 文では、社会における秩序と自律のバランスを念頭におく公共哲学におけるコミュニタリアニズムの知見を基に、組織における自律性を伴 う公共性のマネジメントの可能性を、近年の社会的関係資本の研究などとともに検討した。その結果、職場においてメンバーが相互に関わ り合うことによってコミュニティを形成し、そのことが秩序や協働と自律をバランス取ることにつながることが指摘された。

著者 PDFへのリンク

鈴木竜太

PDFファイル

(511.1KB)