大卒生採用における能力識別に関する定性的・定量的考察

要約

本稿は,模擬企業採用試験において,学生が執筆したエントリーシートの小論文をもとに,学生が上位に採択されるための決定要因を定量的・定性的方法で分析した実践論文である.※ 学生の小論文を採点した点数をもとに,受験者上位3割に採択されるための重要な要因を定量的に分析したところ,企業Aが学生に求める資質である①経営学の能力,②情報活用力,並びに③独創的・客観的表現能力は,③,①,②の順番で重要であることが判明した.さらに上位2割,1割と絞られていくにつれて③及び①のみが大きく重視されることが判明した.一方定性的語彙分析においても,評価者が経営学の学習に関する語彙の結びつき,並びに独創的なアイデアを客観的に述べていることを示す語彙群を高く評価していること,並びに上位に絞り込まれるほどこの傾向が強くなることが確認され,定量的分析と定性的分析の結果の一貫性が確認された.

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柳田明子

村上英樹

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