不確実性リスクの決定要因に関する実証研究

要約

資本資産評価モデル(CAPM)の世界では、投資収益率の不確実性は市場ベータ値で測定される。そしてその根本に存在する企業の業績変動に影響を及ぼす企業特性として、①事業内容に起因する売上高の変動性、②変動費と固定費という費用構造に起因する営業レバレッジ、および③他人資本と自己資本という資本構成に起因する財務レバレッジが、古くから伝統的に注目されてきた。本研究は、これら3つの企業特性を不確実性リスクの決定要因として位置づけ、市場ベータ値との関連性を実証的に分析することにより、各特性を表す会計指標値が大きいほど市場ベータ値も大きいという統計的に有意な関係が、現実に観察されることを裏づけている。

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小野慎一郎

櫻井久勝

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