修了生:大牧宏彰さん

1.プロフィールと卒業後の進路について簡単にお聞かせ下さい。

2010年度入学の大牧宏彰です。兵庫県相生市で生まれ、2010年3月に同志社大学商学部を卒業後、神戸大学大学院経営学研究科に進学しました。在学中は、栗木ゼミで、マーケティング・消費者行動を研究し、2012年3月に博士前期課程を修了しました。修了後は、株式会社電通マーケティングインサイトに就職し、電通グループを始め、様々な業種のクライアント企業に対する、マーケティングリサーチ業務に携わる予定です。今後は、経営学研究科で学んだことを活かし、マーケティングの理論面と実務面両方の視点でクライアントのお役に立てるように、努力を続けていきたいと考えております。

2.なぜ神戸大学大学院経営学研究科への進学を選択されましたか?

まず、私が大学院に進学を決めた経緯から説明します。私は、大学3年の頃に、大半の同級生と同様に就職を検討しましたが、就職活動をしているうちに、自分のやりたいことが明確でないまま就職することに疑問を持つようになりました。その時、私の中で明確だったことは、企業のマーケティング戦略や消費者の行動を考えることが好きで、マーケティングをもっと追求したいということでした。また、いつか大学院で学びたいという考えも持っていたことから、このタイミングだと思い、進学を決意しました。その中でも、神戸大学を選んだ理由は、2つあります。1つは、教員の質です。学部時代に読んだ本の著者が多数在籍しており、一流の研究者から学べることが多いのではないかと考えました。2つめは、研究者養成のカリキュラムです。私は、大学院に進学するからには、厳しい環境に身を置き、研究はしっかりしたいと考えていたので、そういう環境が整っていることが決め手となりました。

3.在学中、特に印象的な授業や出来事などはありましたか?

特に印象的だった授業は3つあります。1つは、経営管理特論です。この授業は、毎週、原著の精読とレポート課題が課され、非常に大変でしたが、学部時代に学んだ時には気づかなかった事も多く、文献の読み方の基礎を身に付けることができました。2つめは、定性的方法論研究です。この授業では、社会科学の基礎的な考え方から始まり、具体的な方法論を学ぶことで、修士論文の基礎的な方法論を身に付けることができました。研究者養成カリキュラムの経営学研究科ならではの授業だと思います。3つめは、サーベイリサーチ法特殊研究です。この授業では、実際に調査の基礎的を学び、調査票作成、データ収集、統計ソフトを使った様々な分析を教員の指導を受けながら実習します。机上で学んだ統計の知識を実際に使えるようになったことが大きな収穫でした。修士論文では実証研究を行いましたが、調査から分析までをスムーズに行うことができました。今後の実務でも活かせる内容だと思います。

4.神戸大学での学生生活を通じてご自身の変化などはありましたか?

私自身が感じている変化は2つあります。1つは、以前と比べ、ものごとの本質を考える癖がついたところです。学部生時代は、テキストからフレームワークを学び、それにケースを当てはめて、満足していましたが、大学院では、授業での文献の精読、毎週課されるレポートの作成や、修士論文を作成していく中で、文献レビュー、仮説構築、調査データによる検証を通じて、常に現状を疑うことや、現象が起こる背景、その因果関係を深く考える癖が自然と身についたように思います。まだまだ不十分ですが、ここでの経験をベースに今後さらに追及していきたいと思います。2つめは、自分自身のやりたい事が明確になったことです。大学院の2年間を通じて、マーケティングの実務に関心を持ったと同時に、今後もマーケティングを追及していきたいと強く思うようになりました。経営学研究科では、社会人経験者の院生や現役の社会人院生が多く在籍されており、ビジネスの現場での鋭い問題意識を元に研究されている、その向学心に非常に刺激を受けました。

5.これから受験を考えているみなさんへのアドバイスをお願いします。

私は、一般入試の第Ⅰ期で入学しました。月並みなアドバイスになりますが、受験を突破するためには、事前の準備が大事だと思います。まずは、勉強を始める前に、興味のある分野の教員の方に連絡を取り、ゼミを見学させてもらいましょう。そこで、ゼミの先輩方から、過去問や勉強法のアドバイスをもらって下さい。事前に情報があるとその後の勉強の効率が良くなると思います。頑張って下さい。

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