MBA アントレプレナー・ファイナンス入門 詳解 ベンチャー企業の価値評価
著者名 | 忽那憲治 山本一彦 上林順子 編著 |
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タイトル | MBA アントレプレナー・ファイナンス入門 詳解 ベンチャー企業の価値評価 |
出版社 | 中央経済社 2013年2月 |
価格 | 3150円 税込 |
書評
バリュエーションやディール・ストラクチャーなどのファイナンスの知識なくしてベンチャー企業を成長させることも、リスクに応じたリターンをアントレプレナーが享受することも難しい。本書帯書きの吉田教授の推薦文にあるとおり、「ベンチャー企業を生み出す本質はファイナンスにある。今、日本人はファイナンスを学ばねばならない」のである。
2004年に出版した翻訳書MBAテキスト『アントレプレナー・ファイナンス~ベンチャー企業の価値評価とディール・ストラクチャー』(中央経済社)(原著『Entrepreneurial Finance』(リチャード・L・スミス、ジャネット・K・スミス共著)は、当時、最先端のベンチャー企業のファイナンス理論を扱う数少ない日本語テキストとして、研究者や実務家に読んでいただけた。それから、10年近くを経て、いまや企業のスタートアップやアントレプレナーシップをめぐる議論はわが国でも社会的なものとなり、事業創造を促進するという国家的課題の優先度が高まりつつある。
そこで、本書は、大部である翻訳書の中からアントレプレナー・ファイナンス理論のエッセンスを抽出し、図表とケース・スタディを交えて解説することで、事業創造に関わるより多くの人々がこの理論に親しむことができるよう企画、刊行した。本書を入り口に、ディール・ストラクチャーによってベンチャー企業の成功確率を高めることができることをぜひ知ってもらいたい。
目次
序章 アントレプレナー・ファイナンスを学習する理由
1.国際競争力とアントレプレナーシップ
2.急成長イノベーション企業の輩出とファイナンス
3.アントレプレナー・ファイナンス教育の重要性
第1章 アントレプレナー・ファイナンスのフレームワーク
1.ファイナンスとアントレプレナー
2.アントレプレナー・ファイナンスとコーポレート・ファイナンスの違い
3.ベンチャー企業の組成と成長
4.事業計画書
5.ベンチャー企業の資金調達契約の経済理論
6.まとめ
第2章 企業価値評価の基礎理論
1.企業価値の評価手法の概観
2.割引キャッシュフロー法
3.株式投資のリスクと効率的ポートフォリオ
4.資本市場線と市場ポートフォリオ
5.βと証券市場線
6.加重平均資本コスト(WACC)
7.まとめ
第3章 アントレプレナー・ファイナンスへの展開
1.ベンチャーキャピタル法
2.アントレプレナー・ファイナンスでの企業価値評価
3.ケーススタディ
4.アントレプレナーの分散投資
5.まとめ