実戦のための経営戦略論

著者名

三品和広(著)

タイトル

『実戦のための経営戦略論』

出版社

東洋経済新報社 2024年4月

価格

9460円 税込

紹介

昨年度はサバティカルの特権を頂いたので、それを活かして経営戦略論の教科書を書き上げました。断片的な各論は至るところに転がっていますが、体系的な総論となると、意外と競合は少ない分野です。学生向けに基本概念を説明するだけの教科書なら散見されますが、実務家のニーズに応える教科書となると、Michael E. Porterの『Competitive Strategy』から空白期間が40年以上も続いたと言っても大げさではないかもしれません。そこに一石を投じるべく、2010年の『戦略暴走』、2015年の『経営戦略の実戦1』、2018年の『経営戦略の実戦3」、2022年の『経営戦略の実戦2』とケースブックを積み上げてきましたが、そこから帰納的に導き出した理論編が、今回の大人向けの教科書です。中身は第1部が競争戦略論、第2部が立地戦略論、第3部が時機読解論で、全9章27節仕立てとなっています。良かれと思っても空回りに終わったり、もっと酷い場合は会社を潰す人が続出する。それが経営戦略の世界なので、実戦的な教材の価値は高いと信じて研究を進めてきましたが、これが集大成に相当します。

目次

第1部 勝つか負けるかの戦略論
 第1章 競争の理論 戦略の変数群
    1-1 価格競争
    1-2 数量競争
    1-3 空間競争
 第2章 寡占の歴史 競争の進化圧
    2-1 規模の経済
    2-2 範囲の経済
    2-3 包括の経済
 第3章 競争戦略論 抑止の手立て
    3-1 ”O”をめぐる攻防
    3-2 ”F”をめぐる攻防
    3-3 ”C”をめぐる攻防

第2部 勝てる土俵を選ぶ戦略論
 第4章 産業経済学 非対称性の源
    4-1 業界効果
    4-2 企業効果
    4-3 事業効果
 第5章 立地の優劣 利益の稼ぎ方
    5-1 着手基準
    5-2 継続基準
    5-3 撤収基準
 第6章 立地戦略論 成長の紡ぎ方
    6-1 黎明期
    6-2 成長期
    6-3 成熟期

第3部 浮かぶ立地を知る戦略論
 第7章 認知の歪み 愚挙愚行の源
    7-1 単独暴走
    7-2 集団暴走
    7-3 集団衰弱
 第8章 情報の偏り ニュースの罠
    8-1 経済報道
    8-2 技術報道
    8-3 企業報道
 第9章 時機読解論 好機の掴み方
    9-1 市場の変化
    9-2 技術の変化
    9-3 交点の変化