複式簿記の構造と機能-過去・現在・未来-


著者名 中野常男 編著 清水泰洋 著(3-2担当)
タイトル 複式簿記の構造と機能-過去・現在・未来-
出版社 同文舘出版 2007年11月
価格 5800円 税別

書評

経済のグローバル化ないしボーダレス化に伴う会計基準の国際的調和化(=アングロサクソン化)の動き、あるいは、アメリカのエンロン事件やわが国でのカネボウ事件等に代表される会計不正の頻出とこれに起因する会計不信の増大などが相まって、近年、社会の基本的インフラストラクチャとしての会計(特に企業会計)を取り巻く環境は大きく変貌し、「激動の時代」を迎えていると言っても過言ではない。その中で、会計の構造的仕組みを形成する「簿記」、とりわけ「複式簿記」(double entry bookkeeping)に対する認識や理解も大きく変化してきているように思われる。

本書は、2004年度~2005年度の2か年にわたり、日本会計研究学会に設置されたスタディ・グループの最終報告書を基礎とするものである。そこには、「過去簿記」・「現在簿記」・「未来簿記」というキーワードのもとで、「複式簿記」の基本構造と機能に関する歴史的考察、学界人への質問票調査から得た「複式簿記」に対する現状認識、さらに、XBRLに代表されるようなICT(Information & Communication Technology)化の進展という流れの中での「複式簿記」の今後の展開方向について、10名の執筆者による計6章16節の論稿が収録されており、諸外国の研究と比べてのわが国の会計研究の大きな特色と考えられる「簿記研究」の将来への発展の礎石となることが期待されるものである。

目次

第I部 複式簿記の構造と機能-歴史的観点から-
第1章 複式簿記の基本構造とその成立過程

第II部 現在簿記-「質問票調査」から見た学界人の複式簿記観-
第2章 「質問票調査」の概要と集計結果
第3章 「質問票調査」の分析結果
第4章 「質問票調査」とインテンシブ・インタビュー

第III部 過去簿記と未来簿記-複式簿記:過去からの継承と未来への展開-
第5章 過去簿記
第6章 未来簿記