コーポレートブランディング格闘記 B to Bブランディングの実践ストーリー


著者名 石井淳藏 横田浩一
タイトル コーポレートブランディング格闘記 B to Bブランディングの実践ストーリー
出版社 日経広告研究所 2007年3月
価格 1400円 税別

書評

ブランドを実践する人のための書。それが本書の目指すところです。そのために、冒険ですが、小説仕立てにしました。舞台は、産業用部品を生産する吉村電工。主人公は、経営企画部の村上タカシくん。そして、その周りには、上司である経営企画部長と新社長、そしてブランド構築をめぐって激論を交わすことになる、営業、工場、研究、財務、広報などの論客の面々が登場します。

「ブランドとは何か」「我が社に本当にブランドは必要なのか」という、基礎的ではあるのですが、実務的には一番大事なところから議論ははじまります。そして、紆余曲折、試行錯誤を経て、吉村電工にとってのブランドの必要性やブランド構築の方法が、登場人物にも、そして私たちにも少しずつわかってきます。(本書「はじめに」より)

主人公タカシくんは、前書『営業が変わる』(岩波アクティブ新書、2004年)から3年経ち、今度はブランド構築の推進役として再登場。「B2B企業にブランドは不要」、「お客さんとは営業がきちんと関係を結んでいる。ブランドのための広告など不要」、「生産や技術がきちんと品質を保つ。それがブランドだ」、…。こうした逆風に、タカシくんはどう立ち向かっていくのか。読むうちに、タカシくんに、そしてタカシくんの取組みに反対する人たちにも、きっとそれなりの共感が湧いてくるはずです。

目次

第一章
作戦指令を受けて-イントロダクション 「ブランド戦略の開始に向けて」
作戦準備-其の一 「プロジェクトチームの編成とそれぞれのブランド意識」
作戦準備-其の二 「B to Bブランディングに関する情報を収集する」
作戦準備-其の三 「自社ブランドの現状を把握する」
作戦準備-其の四 「ブランディングの必要性をチーム内で確認する」
作戦準備-其の五 「当社のブランドビジョンについて検討しよう」

第二章
ブランディング実践-其の一 「ブランドビジョンについて考えよう」
ブランディング実践-其の二 「当社らしいブランドビジョンとは」
ブランディング実践-其の三 「ブランドビジョンについて、社長との議論」
ブランディング実践-其の四 「二十年後の会社を支えるステートメントとは」
ブランディング実践-其の五 「社員とブランドを共有するために」
ブランディング実践-其の六 「ブランドによる社内コミュニケーションの計画」
ブランディング実践-其の七 「社外へ向けてのブランディング発信」
ブランディング実践-其の八 「ブランド発信によって何が変わったのか確認しよう」

第三章
ブランディング展開-其の一 「CSRとブランディングの密接な関係って…何?」
ブランディング展開-其の二 「自分の言葉で社外に向かってブランドを語りましょう」
ブランディング展開-其の三 「次世代に続くブランドの循環効果とは」