中国経済論
著者名 | 加藤弘之 上原一慶 編著 |
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タイトル | 中国経済論 |
出版社 | ミネルヴァ書房 2004年4月 |
価格 | 3200円 税別 |
書評
The objective of this paper is to make a contribution in the relatively unexplored territory of globalization, the FDI from China and ‘go-out’ of the Chinese companies. The development of FDI from China over the past fifty years has reflected the Chinese institutional context and the open-door policy of the Chinese government. Five periods of the development is showed in this paper. There is a need to develop a new conception of FDI from the developing countries, such as China. Three successful case of foreign direct investment of the Chinese companies were described.
本書は、歴史、多様性、そしてグローバルの視点から最新の研究成果を取り入れながら中国経済を解説した1冊である。黄 教授が執筆した本書の第11章は、中国の対外直接投資と中国企業の海外進出というこれまで余り論じられていなかったテーマを取り上げている。1954年からの50年間、中国企業の海外での経営活動は、制度的な要因に強く制約されていたが、中国政府の対外開放政策によって非常に活発になってきている。本章において中国企業の海外進出を五つの段階に分けて論じている。競争優位理論が想定している競争力の源泉よりも、積極的な資源調達という視点から中国企業の海外投資を説明すべきであると主張して、海外進出に成功している3つの中国企業を取り上げている。
目次
序章 中国経済への招待
第Ⅰ部 現代のなかの歴史
第1章 20世紀の中国経済
第2章 中国社会主義再考
第3章 経済発展と市場移行
第Ⅱ部 多様性のなかの発展
第4章 変貌する農民国家
第5章 企業体制の転換、進化および収斂
第6章 工業化の空間的側面
第7章 財政・金融からみた中央と地方
第8章 失業、貧困と所得格差
第9章 人口と社会保障
第Ⅲ部 世界のなかの中国
第10章 貿易大国の実像
第11章 グローバル化のなかの中国企業(黄りん 著 神戸大学大学院経営学研究科教授)
第12章 香港・台湾と中国
第13章 北東アジアと中国
終章 中国経済の行方